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シンプルって継続が難しい...(ブランディングやデザインのこと)

「最初はシンプルだったのに、なんかごちゃごちゃになってきた」

「デザイン=シンプル」という認識がなんとなく世間的に広まり始めたのは、1984年生まれの私からするとAppleが日本で話題(iPhone 3GSの頃からかな…)になったころからだろうか。
そのころから「直感的」や「シンプル」にデザインやブランディングが傾きはじめ、様々なものを「削ぎ落とす」ことが良しとされ、それが今なお続いています。しかしお気づきの方もいると思いますが、シンプルはあれよあれよと複雑に向かっていきます。

シンプルは継続が難しい

経験上デザインのスタートは大抵複雑な状態からスタートします。複雑なものは「コミュニケーション効率」が悪いため、まずは物事が複雑に絡み合っている状態を解きほぐし、一つ一つ整理しながら、本当に伝えたいことを抽出したり、優先順位を設けて整理していく。そしてスッキリとまとまって整然としたものをシンプルと呼んでいると思います。

しかし、シンプルだったものは時を経るごとに物が増えたり、考え方が変わったりしていく中で複雑化していく。これは避けては通れなません。
いまは簡単に物が手に入ったり、簡単にものを作ったりできてしまいます。しかも良いと思ったことはどんどん簡単に真似されていくので複雑化のスピードも早くなる一方です。ずっとシンプルでい続けることって実際難しいことはなんとなく理解できていると思います。

また一方でシンプルは不安にさせる一面もあります。削ぎ落とされているだけに、問題は「伝えきれていないこと」にあるのではないかと原因は少なさと特定されやすい性質があるのではないかと個人的に思います。

シンプルは定期的なメンテナンスが必要

でも、シンプルでい続けているサービスやお店はあります。その答えは、定期的なメンテナンスや整理だと思っています。例えばiPhoneもどんどん機種が発表されるがその反面どんどん古いものは姿を消していく。なのでシンプルでい続けられます。これは部屋の片付けと同じで、知らない間にどんどんモノは増えていきます。それをどんどん捨てていかなければ複雑化していくのはなんとなく体感で理解しているかと思います。

ブランドやデザインも作りっぱなしではなく、たまにメンテナンスやチューニングが必要

ことデザインやブランディングでも、同じことが言えます。最初はシンプルに作り上げても時間の経過とともに、色々なものが複雑に絡み合っていきます。これは悪いことでなく、変化を加えていくと必然的にさまざまなものが付いてくるので仕方ありません。ただそれを仕方ないで済まさずに、いかにそこに気づいてメンテナンスをしたりチューニングしたりすることが重要です。車でもなんでもそうですが、デザインやブランディングにおいてもメンテナンスをしていかなければ、うまく機能しなくなってしまいます。

「新しいアイデアを考えていく」ことはもちろん大事ですが、「新しいこと」にとらわれずぜひ一度立ち止まって、いまこの状態は望ましい状態なのかを確認することをおすすめします。「新しいこと」の答えは意外とそのなかに隠れている可能性があります。

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