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橙・走・心 〜J3 10年目の挑戦②〜

AC長野パルセイロ 2023選手名鑑②

AC長野パルセイロを応援する
とある学生の独断と偏見による2023AC長野パルセイロ選手名鑑。

「昨季こんなプレーしてたな」「今季はここに期待したい」
そんな目線で。

何より私自身が選手の名前と特徴を
シーズン前に一致させるためのメモでもある。

背番号1〜11の選手はこの記事からどうぞ!

小西 陽向 Hinata Konishi

 2023シーズン、在籍4年目を迎える育成組織出身の期待の星。今季からは大学進学した同期が、プロの試合に絡むことも多くなりそうなので勝負のシーズンになるだろう。
 特徴は、切れ味鋭いドリブル。繊細なタッチでスピードに乗り、相手守備陣を切り裂くようなドリブルを本人も武器として認識している。得意のドリブルで同ポジションの選手とどれだけ差別化できるかが今季の出場時間に直結してくるだろう。
 昨季は、RWBとしての出場時間が多かった印象。第10節岐阜戦で、チーム一小柄ながらも、山中のプロ初ゴールをアシストする競り合いを見せた。このアシストは彼が2列目起用だった時だが、この試合の途中からWBとして起用されるようになっていった。WBとしての守備強度には不安が拭いきれず、被同点弾のきっかけになるなど不運な船出であった。水谷や森川の左サイドでリズムを作り、右サイドで推進力や破壊力を出すという戦い方からすると、若干ドリブルの特徴とずれていた気がする。
 今季は、どんなシステムでどこに配置されるだろうか。個人的には、広大なスペースを切り裂く推進力型ドリブラー(Cf.船橋・音泉)ではなく、狭いスペースで縫うようなドリブルに期待したい。今季が終われば、同期がプロ入りする年代であり、ひと足先にプロとして結果を残せるかどうかは、今後のキャリアにとっても重要なポイントになると言える。

三田 尚希 Naoki Sanda

 2023シーズン、在籍4年目となった長野の攻撃の核となる選手。県内出身選手かつ2020-2021の活躍からサポーターの期待も大きいと言える。
 特徴は、献身性と得点力。本人も自身の強みを運動量と語るように、あらゆる局面で攻撃に守備にと大車輪の活躍を見せる。得点力に関しては、昨季の出来に本人としても悔しい思いがあるだろう。しかし、長野のサポーターは彼の得点力を目の当たりにしており、今季も得点の面で期待されることは大きいだろう。
 昨季は、2年連続チームトップスコアラーとして、3年連続も期待されたシーズン。しかし、思うように得点という形で記録を残すことはできなかった。当初は、新指揮官の起用法によるものにも思えたが、決定機逸の形などを見るに、昨季は"ツイていない"シーズンだったのだろうと推測できるようになった。
 今季は、昨季振るわなかった分も得点を記録することに燃えているはずだ。ポジション争いの相手としては、WGなら近藤・音泉、トップ下なら山中とクオリティの高い選手が揃っている。J3得点王を見据えつつ、チームの攻撃を牽引する存在として活躍が期待される。

宮阪 政樹 Masaki Miyasaka

 2023シーズン、在籍3年目を迎える長野のマエストロ。今季は「ORANGE大使」として、Run Fastの体現が求められる。
 特徴は、正確な長短のパス。横山体制下でもシュタルフ体制下でも中盤の底でファーストチョイスになることが最も多かった選手だろう。狭い局面を一撃で打開できる正確なフィードは、唯一無二の武器であり、長野の攻撃のダイナミズムを支えていた。
 昨季は、シュタルフ体制下1年目として、アンカーポジションやダブルボランチの一角として出場機会を伸ばした。シーズン開幕前は、ベテラン故の運動量に関する問題とシュタルフ監督のYS横浜時代の志向が正反対なのではないかと感じていた。しかし、蓋を開けてみれば、中盤の底に彼が君臨するスタイルが中軸になっていった。シーズン中に、被カウンター局面で体を張って防ぐ進化も見せた。
 今季も昨季と同様に、1アンカーの配置でキャンプでは練度を高めているらしい。これを考慮すると、西村・丹羽・佐藤・原田あたりが競争相手になるだろう。昨季を見る限り、競争に関しては宮阪が一歩抜け出した様相に感じる。同ポジションの競争相手に加え、受け手となる選手がどれだけ彼の引き出しを開けられるかがシーズンを通した結果につながっていくだろう。

森川 裕基 Morikawa Yuki

 2023シーズン、在籍3年目を迎える長野の宝刀。攻撃の推進力を担うキーマンである。
 特徴は、運動量と推進力のあるドリブル。左右問わず、サイドアタッカーとして活躍し、攻撃で相手陣内を深く切り裂いたと思ったら、次の瞬間には守備スイッチを入れる役割を担っている。攻撃的ポジションの選手のため、数字での結果は求められるが、数字に表れない貢献度は計り知れない。
 昨季は、累積警告による出場停止試合を除けば、全試合に出場。長野の攻守を支え続けた活躍だった。後半になってギアを上げる際は、デュークと交代することも少なくなかったが、デュークの活躍土台を作ったのは彼の運動量だろう。サイドや前線のポジションならば、どこでもこなせてしまうユーティリティ性もチームを助ける要素だったと言える。
 今季もカードトラブルだけ気をつけて全試合出場を…と言いたいところだが、つい先日クラブから負傷離脱のリリースが出た。開幕スパートに向けて全く影響がないかと言われると、これはかなりの痛手だと思える。負傷箇所はハムストリングではなく、太腿の前面の筋肉だと思うので、癖にすることなく復帰してほしいと切実に願っている。

佐藤 祐太 Yuta Sato

 2023シーズン、在籍2年目を迎えるシュタルフチルドレンの一人。今季は「ORANGE大使」としてGrow Everydayの体現が求められる。
 特徴は、強度の高い球際バトルと運動量。新体制発表会では、「犬のようにUスタを走り回ります」とコメントしたり、愛称が「わさお」であったりと運動量は自他ともに認めるストロングポイントだろう。ただ、犬は犬でもイメージとするなら猟犬。相手が嫌になるほど追い回し、球際局面では奪い切ることに全力を注いでいる印象が強い。
 昨季は、森川同様に、累積警告による出場停止試合を除けば、全試合出場を達成した。CBやCF以外であれば、FPとしてどんなポジションでも指揮官の志向スタイルを体現する活躍を見せ、在籍初年度ながら欠かせない存在になった。シュタルフ監督がYS横浜から連れてきたのも納得のいく活躍ぶりだった。
 今季は、副キャプテンを就任することになり、よりコンスタントに試合に出ることが求められる。正直、あのプレースタイルからすると累積警告による出場停止が1度だけというのも素晴らしい特徴だろう。やや危険なタックルも散見されるため、激しいデュエルとファウルのギリギリの攻める成長(Grow Everyday)に期待したい。

音泉 翔眞 Shoma Otoizumi

 2023シーズン、水戸から期限付移籍で加入したパワフルドリブラー。J3もYS横浜・富山で経験しており、シュタルフチルドレンの一人である。
 特徴は、推進力に溢れるドリブル。新体制発表会では、自身のストロングポイントとして「情熱ドリブル」を挙げ、会場を沸かせた。YS横浜時代も富山時代もRWBとして起用されることが多く、攻めのWBとしての印象が強い。そのため、J3時代のプレーを振り返ると、やや守備に対して苦手意識を感じるプレーも少なくないように感じた。
 昨季は活躍の場をJ2の水戸に移したものの、怪我に苦しみ、出場機会は十分に得られなかった。試合勘がプレーに直結しそうな感性型選手の印象が強いので、御殿場キャンプで十分な試合慣れができていることに期待したい。
 今季は、3バックであればRWB、4バックであればRWGとして起用されることが多いだろう。RWBとして想定すると競争相手は船橋になってくるだはずだ。現時点で、守備重視なら船橋、攻撃重視なら音泉という印象を受けるが、上位カテゴリーを知る選手として、シュタルフイズムに+αをもたらす選手の1人として活躍が期待される。船橋負傷後、長野に欠けていた右サイドの推進力を間違いなく埋められる人材である。推進力からのチャンスクリエイトに加えて、得点という記録にもこだわって挑戦してほしいところだ。

杉井 颯 Hayate Sugii

 2023シーズン、在籍2年目を迎える長野のムードメーカー。今季は「ORANGE大使」としてEnjoy Footballの体現に期待がかかる。
 特徴は、高精度な左足のキックと積極的な攻撃参加。後方からの組み立てでも左足から放たれるフィードは状況を打開できる明確な武器になっており、その活躍がゴールに近くなればなるほど、相手にとって嫌なボールを供給することができる。上下動も厭わず、全力さが伝わってくるプレーヤーである。
 昨季は、開幕からしばらくベンチで過ごす機会が目立ったが、船橋の怪我を受けてスタメンに名を連ねる試合が増えていった。左利きでありながら、RSBを務めたりと簡単なタスクばかりではなかったが、場数を踏むにつれて成長を感じる活躍を見せてくれた。ヒートアップして余計なカードをもらうこともあったが…。(声が大きいのでレフェリーに筒抜けなのだろう…笑)
 今季は彼の起用ポジションにも注目したい。4バックならLSB、3バックならLCBでの起用が基本線だろう。しかし、昨季夏場以降に見せた3バックは可変式。守備時は5バックを設定し、攻撃時は4バックに変化するシステムであった。このタスクであれば、3バックの一角としてはやや空中戦などに難がある杉井の守備タスクをLWBと分担し、攻撃では長所を生かしたLSBに配置できる。ただ、水谷ありきなシステムであり、今季も同じシステムにすることは考えづらい。この辺りを考慮した上で、彼の活躍ポジションに注目していきたい。
 もちろん、Enjoy Football大使としてのシャナナリーダーもお願いしたい。そのためにも試合出場に期待がかかる。

敷田 唯 Yui Shikida

  • 背番号:20

  • ポジション:DF

  • 生年月日:1999/7/9

  • 身長:178cm

  • 利き足:右

 東京23FCへの期限付移籍が発表された。

金 珉浩 Kim Minho

 2023シーズン、在籍3年目となる最長身GK。成長に期待がかかるGKであり、プロ経験はGK陣の中で最も厚い選手である。
 特徴は、長い手足でのハイボール処理とディストリビューションの判断。今季は佐古の加入により、チーム最長身ではなくなってしまったが、192cmのサイズは魅力的。ゴールを守ることに関して、物理的にボールに触りやすいことは言うまでもないが、相手FWに与える威圧感も、身長に比例して大きくなる。
 昨季は、矢田貝の怪我もあり、早々に出番が回ってきたが、キム本人も負傷により戦線離脱となってしまう。その後、大内が加入し、矢田貝とともに第2GK争いの立場に追いやられた。横山体制下では、GKからの配球(ディストリビューション)判断の速さが際立っていたが、精度と判断ともに大内の座を脅かすには至らなかったと言える。
 今季は、既に御殿場キャンプでの負傷離脱がクラブから発表されている。2年連続でシーズン序盤に離脱してしまうのは不運だが、サイズという圧倒的な武器でスタメンGK争いを激化させてほしい。また、積極的にDFライン裏のケアを行う矢田貝とは対照的に、背後へのボールの対応が遅くなる場面も散見される。より攻撃的にリスク管理を徹底するのであれば、この辺りの癖を改善する必要はあるだろう。

木原 励 Rei Kihara

 2023シーズン、浦和から育成型期限付移籍で加入した新進気鋭のストライカー。高校卒業と同時に浦和に入団した逸材である。
 特徴は、裏への抜け出しと両足のシュートテクニック。しなやかな身のこなしで相手DFラインの背後へ抜け出し、左右両足から放つ正確なシュートでゴールを狙うプレースタイルだ。身長は180cmと長野のFW登録選手としては最長身。しかし、まだ身体の線は細く、ポストプレータスクを負わせるスタイルはやや苦手としている印象。
 昨季は、高卒ルーキーイヤーだったが、Jリーグデビューを飾ることはできなかった。この結果に関しては本人の力不足というよりも、強大なライバルの存在が挙げられる。高卒ルーキーが、ユンカーやリンセンといった欧州ストライカー、明本・松尾・江坂といった実力者と競うにはあまりにも早すぎた。しかし、トレーニングなどで彼らから盗める良いプレーは多かったのではないだろうか。
 今季は、まずJリーグデビューを飾り、得点というわかりやすい指標で自身の素質をアピールしてほしい。正直、レンタル受け入れ側としては、レンタルバックされるほどの活躍をされると膝の震えが止まらなくなる。しかし、それほどに活躍してもらわなくては困る。個人的に2トップの一角として、ポストプレーが可能なFWと組ませると磨きがかかるのではないかと感じている。

高窪 健人 Kento Takakubo

 2023シーズン、FC徳島での武者修行から帰還し、長野に活躍の場を戻したストライカー。四国リーグでの経験値をJの舞台でも活かせるか期待がかかる。
 特徴は、恵まれた体格によるポストプレーと推進力。長野でのプレーを多くみられたわけではないが、大卒ルーキーイヤーでは、開幕スタメンの座を掴み取って見せた。筆者のウエストほどの太さはあろう太腿で踏ん張り、前線の起点を作る能力は、昨季主力となった宮本にも引けを取らないものがあると感じている。
 昨季は、長野からFC徳島への期限付移籍を経験した。ストライカーにとっての1番の劇薬は得点を取ること。試合経験を積み、得点感覚を戻すことは非常に重要な要素である。実際に、四国リーグでは半期の参戦ながらも得点ランキング2位に名を連ね、チームのリーグ優勝に大きく貢献した。
 今季は、試合勘と得点感覚を取り戻したストライカーの奮闘に期待したい。宮本や佐野が契約終了となる中、クラブが彼を呼び戻したということは、それだけの期待がかかっているということである。昨季同様に"9番ポジション"が1つであれば、進・木原・山本らとのポジション争いを勝ち抜かなければならない。決して簡単なことではないが、J2昇格&J3優勝にはチーム全体の突き上げが不可欠だ。

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