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ギョーム・ブラック監督『リンダとイリナ』にしか伴わない感情と大いなる疑問について
仕事以外の時間はすべて一歳育児から放射状にひろがる家庭生活に注ぐ毎日、もはや仕事以外では映画館へ行くこともままならない身だが、そんな折ひさびさに降ってきたしばしの自由時間、私は迷うことなくユーロスペースへと向かった。そう、世界にはまだ、ロードショーを逃すと次いつ見られるのかわからない映画というものがある。
世の中の父親の平均的行動からすれば、ほとんど変態と思しき行為かもしれない。何を好きこのんで
舞台「ふくすけ2024 -歌舞伎町黙示録- 」所感
作・演出:松尾スズキ
こんな禍々しい戯曲を当時20代で (若さゆえにこそ) 書ききった松尾スズキその人がまさしく異形の人であり、それ自体がひとつの偉業だ。
あえて断じてしまうと、やってることは結局「こんなセックスは嫌だ」的なありえないセックスと破滅的シチュエーションの大喜利なのだけど、それってダイレクトに人間の欲望の多形、多様性、そこに渦巻く深いカルマを描くことになるので、根っこは実は超王道の人