ギョーム・ブラック監督『リンダとイリナ』にしか伴わない感情と大いなる疑問について
仕事以外の時間はすべて一歳育児から放射状にひろがる家庭生活に注ぐ毎日、もはや仕事以外では映画館へ行くこともままならない身だが、そんな折ひさびさに降ってきたしばしの自由時間、私は迷うことなくユーロスペースへと向かった。そう、世界にはまだ、ロードショーを逃すと次いつ見られるのかわからない映画というものがある。
世の中の父親の平均的行動からすれば、ほとんど変態と思しき行為かもしれない。何を好きこのんで、ようやく手に入れた束の間の休み時間に、海外の無名役者 (でさえないかもしれない