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長野市SDGsフォーラム まとめ②

2022年10月16日(日)長野市芸術館アクトスペースにて
長野市SDGsフォーラムが開催されました。

脳科学者の茂木健一郎さん、モデルのトラウデン直美さんをゲストに迎え、
荻原市長と長野市在住のZ世代の若者がトークディスカッションを行いました。

まとめ①

まとめ①に続き、どんなトークが繰り広げられたのか、ぜひご覧ください!

「循環」というキーワード

茂木
古着屋が増えていくとアパレル業界の売上は下がるよね。
トラウデンさんはファッション業界をどう考えていますか?
トラウデン
モデルの仕事を始めた13歳の頃は何も考えていませんでしたが、高校で環境問題の授業を受けたときからずっと自分の中で矛盾を感じていました。一方で、ファッションは経済を豊かにしてくれるものでもあると思うので、自然淘汰されて残るものは残るし、人々のマインドが変わっていけばそういった産業が残っていくと思います。
青木
昔の服は長く着ることを前提に作られていて、大切に着ていたものが多いです。良いものは残っていくと思います。

トラウデン
全て「循環」というキーワードがあると思います。市長は地域の方々と長野市をどのように作り上げていこうと思っていますか?
市長
長野市は自然も豊かで木もたくさんあるので、これからの公共施設は長野市産の材木を使ったものや自然環境にやさしいものを増やしていきたいと考えています。篠田さんはどうお考えですか?
篠田
森林の循環を考え、規模感を捉えながら木材を活用できたら良いと思います。一方で人口減少で建物が余り空き地も増えているので、そこをどう活かすかに感心があります。
市長
門前町の建物がなくなると長野らしさが失われてしまうので、大事にしたいです。
篠田
学生がまちの中で何かやろうとしても所有地が分割されているので、介入できる余地が少ないと思います。フックとなる場所があると、学生や若者の活動が広がると思います。
トラウデン
若い人が入り込む余地があるのは、長生きするまちに必要だと思います。地域の方や年配の方とのコミュニケーションはどのくらい重視していますか?
青木
服を寄付していただく方のほとんどが50代以上で、孫みたいに迎え入れてくれて、若者への期待も感じます。若者がまちを変えていかなくちゃいけないという感覚になります。
茂木
長野市としては、君たちみたいに県外から来た学生が、市内に定着してくれたらうれしいと思います。
菊地
私は外への興味があるので、もっと他を見てみたいと思っています。
一方で長野市の面白い方々とのコミュニティが広がっていて、そのコミュニティを手放すもったいなさも感じています。
市長
こういう若い人たちにまちが見放されないように、これからの社会を背負って立つ人たちが仕事をしやすい、暮らしやすいまちを作っていく必要があると思います。
篠田
僕は松本市に就職が決まりそうです。「まち畑プロジェクト」は学生間の活動で終わっているので、私が理事になり、NPO化しようと思っています。

若者が担う“これから”

トラウデン
これからやってみたいこと、伝えたいことはありますか?
青木
長野市はもっと面白くなれるポテンシャルがあると思います。メインは古着屋ですが、いろんな職業に軸足を置くのも多様的でSDGsでもあるなと思っています。
菊地
一つのコミュニティに縛られずに、長野市とかの場所も関係なく、やりたいことがあればそこに行って活動するというスタンスを続けていきたいです。
市長
若い方々がSDGsを含めて社会課題や地域の課題に対して貢献したり、アクションを起こして、それぞれがカタチにしているのがすごいなと思います。
茂木
トラウデンさんは、どういう景色が人生に見えているんですか?
トラウデン
今の仕事はいろいろな方に出会えて、お話が聞けて好きなのですが、どういう人生設計をしていくかは、大学を卒業してやっと実感してきました。
自分たちで切り開いている3人のお話を聞いて、勇気をたくさんもらえた気がします。市長から、若い方たちに向けて何かありますか?
市長
若い方々にSNSを駆使していただいて、長野市にはこんないいところがあるよとか、若い方たちと一緒になって元気なまちづくりをしているよというのを発信していただきたいと思います。
茂木
信州大学は全国的に有名で僕の尊敬する先生もたくさんいらっしゃるし、長野市には長野県立大学があって、こんないい大学なんだということもぜひアピールして欲しいと思いますね。

まとめ

トラウデン
最後にお一人ずつまとめをお願いします。
菊地
今日、皆さんにお伝えしたいことは「一番最初に始めなくても良い」ということです。私は誰かの後ろをついていくという立ち位置で、いろんなところに関わっていくスタイルに悩みや迷いがありましたが、そういう活動の仕方もアリだなと感じました。
篠田
若者が社会で何かをやりたいと思った時、遠い先のことを目指したり、大きいことを言ってしまいますが、目の前のことや身近な人のことを大切に思って輪を広げていくことが大事なので、今ある輪を大事にしつつ、大きいことに向かっていけたらと思います。
青木
SDGsは遠い世界の話ではなく、自分たちの生活のことだと思うので、自分の周りの生活や自分の心の動きをしっかりと捉えながらやっていけばいいと改めて認識できました。
トラウデン
トークセッションでいろんな方とSDGsの話をしますが、身近なことをSDGsと言わずに生活の話としてするのが一番SDGsなことだと思っています。
自分自身が心地よくいられるかどうか?後ろめたい部分を持たずに居られるかどうか?それがSDGsには大事だと思えるトークセッションでした。自分が大切だと思えることを続けられるような人生を送れたらと感じました。
茂木
SDGsっていうのは多様性のことだと思うんです。だから、今日は本当に3人の個性あふれる方々にお目にかかれてうれしかったですし、個性が響きあう多様性というのが一番大事なんだと再認識しました。相手の個性に対し、勝手に決めつけないで、お互いに相手のことを尊重することが大事だと思います。
市長
冒頭の挨拶で長野オリンピックのレガシーを受け継いでSDGs未来都市に選定されたというお話をさせていただきましたが、オリンピックの招致活動もオリンピックの成功も、やはり市民の皆様にあったチャレンジ精神の結果だと思います。その舞台に世界のチャレンジャーがメダル獲得を目指して集まったわけです。あのチャレンジ精神は、長野オリンピックのレガシーの一つで、それをまちづくりにどう反映していくかという時に、まさにこの3人の方々がそれぞれのチャレンジ精神を紹介してくれました。
行政も若い人たちの気持ちをしっかりと受け止めて、一緒に元気なまちを作っていく取り組みをしないと、まちに持続可能性がなくなってしまうと思っています。
とても参考になりました。皆さんありがとうございました。

Z世代登壇者の紹介記事を下記よりご覧いただけます。

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