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ロジックではなく、「野心」を根拠に目標設定をしよう(動画付き)

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はじめに

ある会社の顧問をしていた時のこと、こんなやりとりがありました。

(ある会議)
メンバー「現在の数値はXXXです」
マネージャー「ありがとう。目標に対してはどうでしょうか?」
メンバー「そうですね・・・目標に対してはXXX足りないようです」
マネージャー「ではどうしましょうか?」
メンバー「あっ、ちょっと待ってもらっていいですか?これ、目標自体がロジックないと思うのでそもそも、そこの議論からがっつりやりたいですね」
マネージャー「ああ、なるほど。了解です」
メンバー「今の状況がこうなので・・・こういう分析により・・・目標はこれがよいかと」
マネージャー「OK、そうしましょう」

(2週間後)
メンバー「現在の数値はXXXです」
マネージャー「ありがとう。目標に対してはどうでしょうか?」
メンバー「そうですね・・・乖離が大きいのですが、やはり目標の精度ががまだまだ低いようです。この2週間はそこをじっくりと考えていたのですが、やはりこの点を再度しっかり詰めたほうが良さそうですね」
マネージャー「う~ん、ま、了解。そうしましょう」
メンバー「ちょっと精緻にじっくり検討したいので、妥当な目標値については次回のmtgでお持ちします」

(2週間後)
メンバー「この2週間は精度の高い目標を出すための分析に工数を使ってましたので数値は特に伸びていません」
マネージャー「なるほど・・」
メンバー「では分析結果の発表です。XXXとXXXのロジックを組み合わせ、XXXという目標が妥当かとは思います。ただ、この目標の妥当性も正直100%ではありません。目標改善のための更なる分析が必要だと考えています」

このやりとりを見て、皆さんどう思いましたか?

1カ月程経っているのですが、精緻な目標にこだわりすぎるあまり
「目標達成に向けたアクション」が一度も行われていません。

でもそうはいっても、目標の精度も大事なんじゃないの?と思う方もいらっしゃると思います。

目標設定について、どう考えどう進めるのが正しかったのでしょうか。

「答えの無い問い」に向き合うのがベンチャー企業

ベンチャー企業が向き合うのは、答えの無い問いです。
新規性の高いことにチャレンジしている以上、分析・検討を通じて何かを予測できる範囲は限られます。
予測できる範囲が限られるのであれば、予測のための分析・検討が意味を成さない時点がどこかで必ず来ます。
そのラインを通り過ぎているにも関わらず、「まだ精度が100%ではない」など言っても、それ以上予測の精度が上がることはありません。あとは、やってみなければわからないのです。

目標設定は「野心」を根拠に

加えて、「目標」と「予測」は異なります。
目標は「目指したいこと」であり「根拠を元に予測された数値」ではありません。目標には何らかの「Will」が込められています

それは「野心」です。
こういうことを成し遂げて世の中を驚かせたい、業界でNo1になりたい、こんなチームになりたいという野心を根拠に目標設定をします。

目標設定のための分析・検討に時間を割きすぎることなく、ある程度検討すれば、あとは「野心を根拠に」目標設定します。

目標に覚える感触としては「手が届くギリギリのライン」というイメージが良いでしょう。このラインを超えて「到底達成イメージがつかないライン」で設定すると、チームはパニックになりますのでご注意ください。

野心的な目標こそが成長の源泉

「野心を根拠にと言いますが、そりゃ社長はそれでいいかも知れませんが、その目標達成度を以て評価されて給与が決められるこっちの立場にもなってくださいよ!」

という社員の皆さんのご意見もあると思います。
たしかに、予測可能な範囲で達成可能な目標を設定した方が達成確率は上がります。達成すれば評価が上がる可能性も高まります。よって、短期的には手堅い目標を設定して達成し続ける方が良いかもしれません。
ですが、このような目標設定をしていると、その人は達成はしているかも知れませんが、能力は上がっていません。

予測可能な範囲を超えるから、人はどう達成しようかと創意工夫します。
結果として、良いアイデアが生まれたり、今までの自分ではやってこなかったようなチャレンジをしてみたり、他者と協力したりします。
そういうことを通じて人も会社も成長します。

予測可能な範囲内で目標を毎回設定し達成している人は、短期的には評価されるかも知れませんが、中長期的には能力が伸びていないので重要な仕事は任されないでしょう。
逆に、予測可能な範囲を超える「手が届くギリギリのラインである野心的な目標」を掲げている人は、短期的には未達成が続いて評価が伸びないかもしれませんが、毎回チャレンジをしているので能力がどんどん伸び、中長期的には重要な仕事を任される会社のキーマンになるでしょう。

経営者の皆さんへお願い

ここまで「答えがない問いに向き合うベンチャー企業では野心的な目標を持ちましょう」と述べました。経営者の皆さんには「そうだそうだ」と思う方も多かったと思います。
でも、社員の皆さんの立場に立つと、やはり評価の方法も工夫してほしいところです。

ベンチャー企業では、成果だけに偏った評価をするのではなく、能力の向上も十分評価する仕組みにして欲しいというのが、経営者の皆さんへのお願いです。

ある人が野心的なチャレンジをしたならば、成果目標は届かなかったけど、能力の観点で見ればすごく成長しているはずです。
それをきちんと評価するような仕組みになっていれば、社員の皆さんは野心的なチャレンジをしやすいでしょう。

もちろん野心的なチャレンジをして成果目標を達成しました、というのがベストなのですが、全ての人がそうはいかないから「手が届くギリギリのライン」とも言えます。

保守的なチャレンジをして手堅く達成した人よりも、野心的なチャレンジをした結果残念ながら未達成だったけど能力がぐんと伸びた人を評価する。そういう風にすれば、その会社は自ずと社員の皆さんがチャレンジを重ねて大きな成果を残す、強いベンチャー企業になるのではないでしょうか。

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