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メンタルの病院に行ってみて感じたことのあれこれ

前回の記事で「医者に行け」と連呼した。
でも、病院って行きたくないよね、できれば。
すごい待つし、お金かかるし、薬出されたら飲むのめんどくさい。
私は薬剤師だけども、(今はやってないけども)病院に行くのは嫌いだし、薬もできれば飲みたくない。
特にメンタルの病院って、なんだかとても勇気がいる。

なので、今までに4件の病院を渡り歩いて私が個人的に思ったことを書いていこうと思う。

1. 受診の前に
早速だが、残念なお知らせを。
精神科・心療内科を掲げている病院やクリニックを受診しようと思った場合、そのほとんどで初診の日が限定されている。
「今、めちゃくちゃ苦しいから、受診したい」
そう思っても大抵断られる。
電話で予約をしようとすると
「初診の方は木曜日のみになります」
なんて言われる。
「(今すぐ死にそうなんだけど、何言ってんの? は?)……じゃあ、いいです」
となるのだ。
でも、これには理由がある。
診療科の性質上、初診の時にはかなりの情報収集が必要だからだ。
普通の問診の他に、家族構成、学歴、職歴、パートナーの有無、今困っていること(夜眠れているか、食欲はあるか)や思い当たる原因など、事細かに記載する。
その後、いわゆる『心理テスト』のようなものも行う。
診察前にそこまで記入して(15~20分)、診察が始まるのだがこれも長い。
初診は大体30分くらいを目安に診察の枠がとってある。
なので、混み合っている再診の合間に初診の人をねじ込むのは不可能に近いのだ。
「今受診したい」が叶わない診療科だからこそ、早めに受診の検討をして欲しい。

2. 初診の時に
最初は緊張するし、行き帰りの安全のためにも、付き添いの人がいたら心強い。
もちろん一人で行っても大丈夫だけど、その場合は少し自分のメンタルが安定している時間帯に、症状についてメモしておくといい。
診察の時に「ツラい」しか言えなくて、伝わらないと勿体無いので。
付き添いの人は家族でも友人でも恋人でもいいし、診察室に一緒に入ることもできると思う。(ダメな病院もあるかもしれないけど)
ただ、親のことで悩んでいるのに親と一緒に診察を受ける、というのはおすすめしない。
自分の正直な気持ちを話しにくくなるし、付き添いの人が「私のせいじゃないのに、私のせいにして!」なんて怒り出したりしないとも言い切れない。
診察が進むにつれて「双方にカウンセリングの必要がある」と判断された場合は、その時に改めて医師から伝えてもらった方が角が立たない。
とりあえず初診の時は、思っていることを素直に話せる状態で診察室に入って欲しい。
それから、絶対にお薬手帳を持って行って欲しい。(←これ大事)
お医者さんも、何の薬飲んでるかわからない人に処方出すの、怖いと思ってるはず。

3. お薬を出されたら
最近は院外処方が増えてきたので、病院で処方箋をもらって調剤薬局に持って行く流れになる。
「保険調剤」と書いてあるところであれば全国どこの薬局に持って行っても受け付けてもらえるのだが、もちろん薬局にも”在庫”というものがあるわけで……
基本的には近くの病院からよく出される薬をメインに在庫している薬局が多い。
だから処方箋をもらった病院の目の前にある薬局(いわゆる門前薬局)であれば、薬を取り揃えるのにそう時間はかからないはずだ。
では、薬のない薬局に出したらどうなるのか?
(普通に断ってくる薬局も中にはあるのだけど)そういう時のために薬局間で薬の売買ができるシステムがある。
なので、「かかりつけの信頼できる薬剤師がいてそこからもらいたい」「他の病気でかかっている病院の近くの大きな薬局で薬歴も一緒に管理して欲しい」という方はそちらに行っても問題ない。
病院によっては処方箋をFAXしてくれるところもあって、待ち時間の短縮になるから、処方箋を受け取る時に受付の人に確認してみるとスムーズだと思う。
私ですか? 私は門前でもらっちゃいます。(「かかりつけ薬剤師を持とう!」って、薬剤師会とかは言ってた気がするけどね)

4. ちゃんと飲む
メンタル系のお薬で難しいなと思うのが「効果を感じられるまでに時間がかかるものが多い」ということだ。
入眠剤や抗不安剤は比較的効果を実感しやすいけど、抗うつ剤とかは2週間くらいしてじんわり効き始める感覚なのだ。
この間に「飲んでも意味ないやん」と服用をやめてしまう人が多い。
飲んで。ちょっとだけ、我慢して飲んで。

5. 病院に行って良かったこと
・第三者に話を聞いてもらえる。
・自分の症状について客観的に見られるようになる。(病気だから治そうと思える)
・身体的症状が改善できる。(寝ないときつい)
・病名がついてホッとする。
・診断書がもらえるので、傷病手当をもらいつつ仕事を休める。

逆に、行かなきゃ良かったなと思うのは、病院の帰りにクレープを食べたくなるのでそれを我慢するのが大変なことくらい。(なんか受診のあとはホッとして、いつもお腹が空くんです)

6. こんな病院は嫌だ!
・予約制じゃない(めちゃくちゃ待たされるし、待ってる人の視線を感じながら診察室に入ると、うまく話せない)
・待合室が狭い(症状によってはじっとしているのが難しい患者さんもいるので、患者さん同士が近い状態で待たされるとすごく気を使う)
・初診なのに5分で終わった(ないと思うけど、多分他に行った方がいい)
・なんとなく威圧的(無理)
・処置室、採血室がない(定期的に血中濃度の測定が必要な薬も割とあって、そういうのは採血するんだけど……しないのかな? それともそんな薬は処方しないってことかな?)

7. こんな病院にかかりたい!
・予約は10分の枠に1人までで、それ以上詰め込まない(10分話していいんだ、ってなる)
・プライバシーに配慮されている(他の患者さんとあまり顔を合わせないように、仰々しくない程度のパーテーションがある待合室って最高)
・治療の目標を一緒に考えてくれる(かつ定期的に見直してくれるとなおいい)
・どうやって治療するかの選択肢をくれる(「絶対に薬飲まないマン」の方もご安心ください)
・門前の薬剤師がちゃんと説明してくれる(メンタル系のお薬はあまり深入りしないで渡すだけ、という薬剤師が多いしそれでいい部分もあるのだけど、副作用のリスクとか飲み合わせとかしっかり説明してもらえた方が安心するっていう当たり前の話)

8. 病院にかかってみて意外だったこと
・診察とカウンセリングは別もの(紹介はしてくれるし併設のところもある)
・患者さんは普通の感じの人が多い(「初診の時は待合室でギャン泣き」という私みたいな人もいるが)
・自立支援を使うと医療費が安くなる(医師からの書類が必要)
・病名がつくまでに結構時間がかかる(ひどい時はあれこれ症状が出すぎて、実態が掴めないらしい。私は半年くらい)


こんなところだろうか。
ちなみに再診の時に話すことは、睡眠時間、食欲、日常生活での変化、前回からの処方変更があればそれによって何か変わったか、最近の楽しみは何か、みたいな感じだ。

4つの病院に行ったけれど、今通っているところが自分には一番合っていると思う。
個人のクリニックだけども大学病院との連携があるのでいざという時には入院も紹介してくれるし、時間も空間もゆったりしていて落ち着く。
他の3件は、個人クリニック(狭い)、個人クリニック(予約なし)、割と大きい病院(入院設備あり)だったけど、治療方針に納得できなかったり、時間をとってもらえなかったりした。

一つだけ、後悔していることがある。
それは服薬と並行してカウンセリングを受けてこなかったことだ。
「マジで今すぐ死ぬかも」という状態を(安定剤とかなんやらで)脱して、少し症状が見えてきてさあ治療ですよという時に、「あれがツラい、これがキツい」と言いすぎて、受診するたびに薬が増えてしまった。
カウンセリングとか面倒くさい、という気持ちもあり、薬飲むだけで楽になってそのうち治ればいいなと思っていた。
ある時、医師に「これ以上は増やせない」と言われてしまった。
「嘘だろ……」と思った。
まだ全然、体も気持ちも回復してなんかいないのに、この状態から良くならないってことなのか?
と焦った。
結果からいうと、医師と相談してめちゃくちゃ緩やかに薬を減らし、生活習慣を変えることになって、最終的に今はお薬なしでなんとか生きている。(定期受診はしているよ)
あの時、薬がマックスまで増える前に少しづつでもカウンセリングを受けていたら、そんなに大量に飲まなくても良かったのかもしれないと、今は思う。
結果論なので、結局飲むことになってたかもしれないけどね。

最後に、受診を迷っている人へ。
迷う段階で、行く価値はある。
行ってみて、どうもなければ、それでもいいし。

思ったことをつらつらと書いてしまったのでまとまりがないのだけど、「これってどうなの?」と思うことがあればコメントください。
お答えできるものであれば追記します。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!