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晴れの日も雨の日も#212 【創作会話】心のヒダヒダとか一体感とか

飲み屋で二人のオッサンが話をしている。

「心のヒダヒダってあるやろ」
「ん?なにそれ?」
「なんちゅうか、単純にスパッと
 割り切れへんやつ」
「真っ白とか真っ黒とかじゃなくて、光の
 加減で色合いが変わるような感じとか?」
「そうそう。
 心にはそういうものすごくビミョーなとこが
 あるやん」
「たとえば、ちょっとしっくりせんけど
 拒否するほどでもなくって、やむなしと
 思ってるんやけどスカッとしない感じとか?」

「そういうのどうしてる?」
「どうしてるって、どうしようもないことは
 どうしようもないやん」
「そういうところを共有できる人と
 一緒にいたいよなあ」
「そりゃそうや。たとえばヨメさんとか?」
「深くピッタリと、みたいな感じって
 いいよなあ」
「おまえ、結婚する時、そういう風に
 なりたいって言うてたやん」
「言うた言うた。
 割れ鍋に綴じ蓋でもなんでもいいから、
 心の底からの一体感みたいなやつ、
 理想やったなあ。」

「それってたぶん毎日を丁寧に生きることが
 必要なんやろな」
「日常のひとつひとつをピッタリ収まるように
 丁寧に生きる、っちゅうことな」
「結構大変なんだよな、それ」
「そう。
 別に荒っぽくやってても生きていけるし」
「でも、荒っぽい生き方をしてると、
 相手のビミョーなところの扱いも粗く
 なるんやろな」
「で、結局、夢に描いた深いピッタリとした
 一体感、というのとは遠くかけ離れたことに
 なってしまう。。」
「なんや。ヨメハンとうまくいってないんか?」
「いやそんなことないで。
 喧嘩もせんと老夫婦二人でちゃんと
 暮らしてるで」

「そういうのって別に夫婦だけやないよな」
「もちろんそう」
「一緒に遊びに行くとかいうのとも
 少し違うしな」
「一緒に何かをするというのは、
 共有していく上でとっても大事なことやけど、
 さっき言うてたビミョーなところをどう扱うか
 というのは、ちょっとまた違う気がする」
「そういう一体感を「かけがえのない」
 と言うんやろな」

「美味しいとか楽しいっていわばシンプルな
 感情やん。人間の心の中にあるのは
 そんな一言で言えるもんばっかりと違うやん」
「うまく口に出して説明できへんようなやつな」
「そうそう」
「下手したらそういうもんがあるということすら
 ピンと来てないヤツもおるからなあ」

「それはサイアクやけど、
 さっきの夫婦とか男女に話を戻したら、
 イチャイチャラブラブもええけど、
 それ以外の形はあかん、ということでも
 ないからな。
 そういう深いもんがあったらそれはそれで
 とってもステキな夫婦やと思うで」
「自分とこがイチャラブと違うからって
 負け惜しみ言うなや」
「うるさい。ほっとけ」

平和なオッサンたち。本日もご安全に😂

庭のミニバラ。春も秋も咲いてくれる。ありがとう。

今日も最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました♬ 長井 克之

コーチングのご相談などご連絡等はこちらに→nagaib61s83@gmail.com
本メルアドは皆様の「心のゴミ箱」でもあります。グチ、やり場のない思いやイライラ、悩みなどもどうぞお気軽にお寄せ下さい。しっかり受け止めます。「心のオアシス」を感じて頂ければ誠に幸甚です

<予定(但し、臨時差し替え頻発😂)>
#213 しかない思考癖・ねばならない症候群・べき人間
#214 【創作SSタケおじシリーズvol.5】初恋
#215 先憂後楽とは言うけれど

(つづく)


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