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【30歳までに読むべき本】確率思考の戦略論

おすすめ読者

・経営に関わりたい
・マーケティングの本質を理解したい
・データを活用し論理的な戦略を設計したい

誰が書いているのか?

森岡 毅・今西 聖貴

森岡 毅
日本ヴィダルサスーンのブランドマネージャー、北米パンテーンのブランドマネージャー、ウエラジャパン副代表などを歴任。
2010年にユー・エス・ジェイ入社。V字回復させる。
12年より同社CMO、執行役員、マーケティング本部長。

今西 聖貴
P&G世界本社似て有効な需要予測モデルの開発、世界中の市場分析・売上予測をリードし、量的調査における屈指のスペシャリストとして長年にわたり世界の第一線で活躍

ハードカバーで重厚、且つ森岡さんのこれまでの著書と比べるとタイトルも硬いので、手に取りづらい方もいると思いますが、文章自体は優しく、文字も大きいので、実は読みやすいです。

何を書いているのか?

筆者の森岡さんは

「ビジネス戦略とは確率論である」
「成功確率はある程度操作できる」
「需要予測はそのための有用な道具である」

と言っており、大きく下記構成になってます。

前半:
「選ばれるブランド」になる成功確率を高めるための「ビジネス・市場競争・戦略の本質」を、森岡さん自身が経験した事例を通じて学べます。

後半:
"前半部分の戦略を成立させるために必要な市場分析・需要予測"に使える「数学ツール」の説明です。

後半部分は好き嫌いがあると思いますが、必読は前半です。いかにシンプルに、重要なことにリソースを寄せるか、その思考フローを浸透させましょう。

要点(前半部分のみを対象としてます)

<ビジネスはシンプル>

下記3つで成功確立を劇的に高めることができる
・戦略の確立を事前に知る
・コントロールしやすい領域とできない領域を見分ける
・経営資源をコントロールできる領域に集中させる

<市場競争とは>

・市場競争とは、一人ひとりの購入意思決定の奪い合いであり、その確信はプレファレンスである
・市場の売上
 =延べ購入回数 × 1購入あたりの平均購入回数 × 平均単価

<戦略の焦点は3つ>

・自社ブランドへのプレファレンスを高める
認知率を高める
配荷を高める

<認知と配荷はあげられる余地があるのか>

◼️まずは認知を高めることが大事

 事例)
・USJでハリーポッターを成功させるために、200万人の追加集客が必要。
 そのためには認知率が日本全国で90%が必要。

・まずはメディアの人に興味を持ってもらうことに焦点を合わせた
 →書籍出版(いけてる企業・注目企業としてのブランディング)

・「インバウンド・観光強化」の政治・社会的要素も後押し
 例:オバマ大統領が大阪に!

◼️次に配荷率の改善に目を向ける

 事例)
・コカコーラのフランチャイズ戦略
・サントリーがジムビーム買収(ブランドだけでなく、全世界への販売ノウハウ・チャネルを得た)

<プレファレンス>
◼️プレファレンスの伸ばし方には2つ

・垂直方向=質の向上(単価)
・水平方向=新規顧客の増加

・「ターゲティング」の勘違い

ターゲティングとは 
= Mを増やすため(市場全体における魅力度を拡大するための手段) 
≠  自社ブランドのMを狭めるため

事例)
・USJの「映画好きのためテーマパーク」
 →「最高のエンターテイメントを集めたセレクトショップ」
 →「映画のテーマパークだから」ではなく
  「好きな映画のコンテンツがあるから」
  「自分の好きなコンテンツがあるから」来ている

■プレファレンスを形成するもの

・ブランドエクイティ(事例:TSUBAKI「日本の女性は美しい」)
・価格
・製品パフォーマンス


この本は読むたびに新たな発見につながります。
業務を通じて学んだことも「あ、実はこの本に書かれてるじゃん」ということが多いです。是非、読んでください!


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