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18歳大学生,はじめての対話型鑑賞に挑む#2022.10.10

おはようございます,長濱由成です.

今日は夜中から友達と電話で恋バナしてて,気づいたら朝になってて今絶賛焦ってる次第です.
#やっちまった.笑

さて,今日は「対話型鑑賞をやってみた」というテーマで,実際に自分がファシリテーター(進行役)をやってみて感じたことを素直に記してみようと思います.今後の自分の成長を測るためにも,これから初めてファシリテーターをする人のためにも参考になるかなと思い,この記事を使います.なお,僕がお世話になっているYCAMスタッフさんの記事は下から!

■その記事はこちら▼

1.そもそも対話型鑑賞とは

そもそも対話型鑑賞って何でしょうか.まずは,その意味合いの確認から始めていこうと思います.現代美術用語辞典によれば次のように書かれています.

対話型鑑賞では、美術作品を専門家による研究対象としてのみ捉えることを否定し、作品の解釈や知識を鑑賞者に一方的に提供するような解説を行なうことをしない。 鑑賞者が作品を観た時の感想を重視し、想像力を喚起しながら他者とのコミュニケーションがなされることで、組織化された対話や交流が可能となる

現代美術用語辞典ver2.0

簡単にまとめると,「作品の解説よりも,感性やその場の意見を大事にして作品を鑑賞するスタイル」のことです(もちろんもっと深い狙いはありますが,今はご容赦w).

例えば,私がYCAMで挑戦している対話型鑑賞はギャラリーツアーという名称で,作品に対して一人ずつ意見を話したり,ファシリテーターからの質問に考えてみて作品への考えを深めるということをやっています.
■ギャラリーツアー紹介はこちら▼

お客さんは特に,思い思いの感性や考えを話すことを初めは勿論ためらいます.けれど,ファシリテーターの運営や思いやりによってその緊張をほぐすことも対話型鑑賞の大事な構成要素です.

対話型鑑賞についてなんとなく理解したうえで,いよいよ本題に入ります.(対話型鑑賞についてより知りたい方は「対話型鑑賞,例」などでググってみてください!)

2.予定は大体ズレる

まずは,形式的な話から.例えば,作品の鑑賞予定やタイムテーブルについて.結論から話すと,「想定通りにいくことはまずない」です.体内時計が結構正確だと思っている私でも,本番はどうしても焦ったり悩んだりしてるので時間を忘れます.ていうか,対話型鑑賞においてはお客さんの話を第一に聞いてその内容に全集中しているので時間なんか二の次です

なので,こうなると時間がズレることを見越してタイムテーブルをデザインする必要があります.時間デザインって奥が深いな~と思うのは,その時々のお客さんと作品が主人公であるため,毎回の様子が想定しづらいというハラハラ感があることです.大学の講義やビジネスでの会議では時間調整やタイムキープは簡単にできますが,主体が自分たちでないとその難易度は劇的に変化します.

このハラハラ感とアドリブ性をどう作品鑑賞に活かすかはまさに自分の腕次第.難しいですが,これに関しては練習あるのみって感じがします.

3.作品と感覚をリンクさせる

次は,対話を進める中での作品の立ち位置についてです.対話型鑑賞において作品は重要なものです.ファシリテーターとお客さんをきちんと繋いでくれる立派な存在であり,鑑賞対象としての役割もきちんと担っています.

しかし,今回僕がやっていた司会はこの作品をしっかり活用することができませんでした.会話に質問を重ねていく中で,「作品のどの点からそれを感じましたか?」と聞けばいいものを,「どういうことですか?」と抽象的な概念を大きく質問してしまう.これは大きな反省点と言えます.もっと言うと,抽象度が高く掴みどころの無い話をみんなですることになってしまい,哲学カフェと変わりません.

#俺は小川先生じゃねぇ笑

また,せっかくの対話型鑑賞ですから作品を通してどう感じるかという「通して」の部分が非常に大切だと学びました.実際に,別日の鑑賞を見に行きましたが,やはり「作品を通じて」というキーワードをひとつ添えるだけでグッと内容の質は上がるのかなと感じています.作品を殺さない,まさしくファシリテーターの技量が試されるといえるでしょう.

神秘的

4.気配りと思いやり

最後に,ファシリテーターが持つべき「お客さんに対しての思いやり」について記します.一回の鑑賞において何名かお客様がいるとひとりひとりに最適なタイミングで話してもらうことは至難の業です.むしろ,そんなことをできる進行役が何人いるのかという話で.ってことは,必然的に我々は「気配りと思いやり」を持つことを意識する必要が出てきます.しかも,その気配りは話し始めるタイミングを調整するだけでなく,話せていない人への個人的なアプローチや時間外でのコミュニケーションなど様々です.全体を俯瞰してみることと同時に,ひとりひとりの微細な仕草を捕らえることも大きな仕事.

ここまで文面を書いていると「ファシリテーターの仕事多すぎやろっ!w」って思うかもしれませんが,実際これくらい考えなきゃいけないことはたくさんあります.だからこそ,ファシリテーターの育成や強化は重要であり難解なのだと素人目線ですが感じています.

5.対話型鑑賞のゴールとは

では,話をすこし未来に目を向けて展望を考えていきます.そもそも対話型鑑賞のゴールとは何でしょうか?また,そもそも対話型鑑賞にゴールはあるのでしょうか.前者に対するひとつの解答は時間制限ですね.僕が担当しているYCAMのギャラリーツアーでは時間が1時間とはっきり決まっているのでゴールとしての目標は設定しやすいです.

しかし,これが「ゴールの時間がなかった時のこと」を考えるとどうでしょうか.作品について人に話せるようになるのがゴールなのか,それとも作品から自分を内省することができればゴールなのか.作品を見つめる集中力がなくなればゴールなのか.考えられるルートはたくさんありますが,どれも微妙に確信が持てません.このような,対話型鑑賞のゴールデザインを考えていくのは今後の僕の中の大きな課題となりそうです.

6.最後に

さて,そろそろまとめです.対話型鑑賞におけるファシリテーターは作品,お客さん,スケジュールなどあらゆる場面に気を配らなければなりません.一方で,自分が知識を提供すること自体は決して主の仕事ではありません.もちろん,どの点を重視するかは各自のファシリテーターに一任されますが,その型の無さが難易度を上げている大きな要因なのかもしれません.今後のギャラリーツアーの成功のために僕は今日も走り回ります.^^
■ギャラリーツアー紹介はこちら▼

7.お知らせ

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今日は山口県と対話型鑑賞からお送りしました~また明日!
長濱由成(Yoshinari Nagahama)

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