2020年9月の記事一覧
掌編小説:未来が視える私には見えない明日【5895文字】
それが初めて見えたのは、5歳のときだった。
祖母の家にいた。お盆で親戚が集まっていた。賑やかな夕飯のあと、縁側で涼みながらスイカを食べていた私のところに祖母がきた。
「うめえかえ?」
「うん!」
返事をしながら振り返った私はおかしなものを見た。祖母の頭の上に、白く光る輪が浮いているのだ。
「おばあちゃん、頭に何かついてるよ、何それ?」
「んにゃ? 何かついてるかえ?」
「うん。きれい
それが初めて見えたのは、5歳のときだった。
祖母の家にいた。お盆で親戚が集まっていた。賑やかな夕飯のあと、縁側で涼みながらスイカを食べていた私のところに祖母がきた。
「うめえかえ?」
「うん!」
返事をしながら振り返った私はおかしなものを見た。祖母の頭の上に、白く光る輪が浮いているのだ。
「おばあちゃん、頭に何かついてるよ、何それ?」
「んにゃ? 何かついてるかえ?」
「うん。きれい