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【雑感】川崎市生涯学習財団「俳句入門・秋編」を担当して

川崎市生涯学習財団で年三回(春・秋・冬)開催の「キラリ文化教室」。
その講座の一つに「俳句入門」が加わって、今年で三年目になります。

以前も担当時の雑感を記事としてnoteに書きましたが、今回、久しぶりにまた書いてみようと思います。

一緒に前進、生徒さんも講師も

この三年で、毎回参加される方(レギュラーさん)が随分増えました。
本当にありがたく嬉しく思っております😊

同時に、初参加の方々も毎回結構おられるので、俳句入門というテーマと目的に合った基礎知識・内容を伝えることを第一に心がけています。
特に初回は座学の講義なので、その点に力を入れています。

ですので、どうしても基礎知識・内容は毎回似たようなものになってしまいます。季語や文法等の俳句実作や句会等で役立つような知識や強調したいポイントは絞られてくるから。

「レギュラーさんのために、少しでも新しい視点や情報を入れてなんとかマンネリ化を防ぎたい。アップデートしたい」
正直、初回の座学は毎回うーんうーんと悩みます💦

でも、レギュラーさんが増えたことで少し話題を広げられるようになりつつあります。
たとえば、最初の頃は親しみやすい俳句の話として「プレバト」を挙げることが多かったのですが、最近はそれ以外に「NHK俳句」や「文芸選評」を視聴したり俳句総合誌を読む方がレギュラーさんの中に出てきました。
なので、そういった少し専門的な俳句の話題を出しても(無言ながら表情で)反応を示して下さる方が増えてきていて、そこから講師自身の経験談や作品の話につなげることができるようになり、ずいぶん助かっています。

授業が惰性による同じことの繰り返しにならないよう気をつけながら、生徒さんを置いてけぼりにせず、一緒に「俳句を作る楽しみ」を追いかけて前進できるようにこれからも努めたいと思います。

自主性の高まり

二回目と三回目が俳句実作のクラスなのですが、三年前に比べると皆さん(特にレギュラーさん)の俳句に対する「自主性」が高まってきたことを実感します。
前述の俳句番組の視聴や総合誌に触れることもそうですが、実作面でも季語の使い方、文法や切れ字の習熟度、十七音の生かし方に上達が見られたり、前回とは違うアプローチで俳句を作ってきていたり。
特にこの一年ほどは「結社の句会に出しても通用するなあ」という作品が増えてきていて、驚きと共に嬉しさを感じます。

また、たまに私が開催する句会への参加者も増えており、「自分の作品が他人に選ばれ評価される」という経験をしている方は、その後の講座で発表した作品の表情や出来栄えがグン! と変わってくる方もいます。
そういった明らかに成長が見える瞬間や作品と出会えると、過去の自分の追体験(「炎環」の会員時代)をしているような感覚に少しなり、「いいぞ、いいぞお。その調子で😊」と心の中でひそかにエールを送っております。

入賞・入選者の俳句作品の紹介:次の段階へ

今回の秋講座では、三回目の資料として過去に本講座へ参加して下さった大山和水さん、香田ちりさんの俳句大会での入賞・入選作を紹介しました(事前にお二方の許可はいただいております)。

入賞・入選作の紹介は初めての試みです。
本講座が三年目に入ったこと、そしてレギュラー参加者が増えたことにより「講座に参加するだけでなく、次の段階を目指したい人もそろそろいるかもしれない。その人たちの励みときっかけになれば」と思ったからです。
お二方のご協力に感謝します💕

和水さん、ちりさんは本講座にいらっしゃる前から既に基礎力も十分で作品発表にも慣れていらっしゃいました。本講座とは一瞬のご縁でしたが、参加後にそれぞれ着実に結果を残され、現在も俳句に真摯に向き合っていらっしゃる姿をいつも嬉しく思っていました。
なので、「皆さんのお仲間の中にこういう素敵な作品を作って、今も自分の俳句表現を探して続けている方がいるんですよ」ということを知ってほしかったのです。

また、このときネットの投句サイトも紹介しました。
既に知っていたりトライしている生徒さんもいるのかもしれませんが、「そういうサイトの存在を知らなかった」「無料で俳号OKならやってみようかな」という方もいたようで、新しい俳句経験のスタートになればよいな、と思っています。
また、いきなりリアルの句会は敷居が💦 という方や時間が無くて句会参加は無理、という方でも、ネットの投句なら手軽でいつでもできますしね。
それぞれのペースで無理なく俳句参加ができる、いい時代になったなあと思います。リアルしか参加手段の無かった時代に始めた私には、夢のようです。そして、ホントにデジタルと俳句って親和性が高いんだなあ、と思います。

句集の盛り上がり、そしてドキドキの「おためし席題句会」

残念なことに、一般の書店で句集を目にする機会はまだまだ少ないのが現状です。
だから、折に触れて講座で句集を展示するようにしていますが、今回は特に盛り上がった印象を持ちました。
いわゆるオーソドックスな句集から、現代詩のような(無季も含んだ)句集を展示したこともあったからかな?
「Amazonで買えますか~?」「おススメはどれ?」などの声も上がり、作り手の一人として楽しく嬉しい瞬間でした☆

来月は本講座の参加者を中心に講師の自主企画(財団とは無関係)の「おためし席題句会」を実施予定です。
フツウの句会は既に何回かやっていましたが、席題の作成と句会は初めての試み。
「時間制限があるし、尻込みして応募する人は少ないのでは…」との予想に反して、お申し込みが続き即日満席! 嬉しい誤算でした。

持参の俳句よりも席題の作成の方が調子がよい方がいたり(私がそう)、席題だと自分でも知らなかった自分の一面が反映された俳句を引っ張り出されるように作ることができるので、意外に伸びる人が多かったりします。
初心者は冒険の機会、三年目の方はそろそろそういうチャレンジの機会があってもよいかな? と思っています。
私も当日をドキドキ楽しみしております😊

あっという間の三年間。
参加者の皆様とスタッフの方に支えられて、続けてくることができた「俳句入門」。
本当にありがとうございます。
これからも頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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