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カルチャー俳句通信

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担当している㈱カルチャー俳句講座の生徒さんへのコーナー☆講座感想や作句ポイントなど。
運営しているクリエイター

#詩

十七音の包容力と瑞々しさ:黒岩徳将句集『渦』

煌めきながら切ない、この十七音たちは、この感覚は何なのだろう。 本句集を読み終えての第一…

あんこ
7日前
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軽やかに、カラフルに:箱森裕美句集『鳥と刺繍』

雷鳥や刺繍の花のその軽さ 句集タイトルのイメージにもっとも近い作品を挙げるとすれば、上記…

あんこ
5か月前
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【自選俳句10句】2023「日日俳句」より

対岸柏柳明子 初がらす垂直に時止まりけり まなうらに四日の海を仕舞ひたる 対岸の翳りはじめ…

あんこ
5か月前
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愛とかなしみの背理法:土井探花句集『地球酔』

こんな日は仲間はづれの雉が好き この句の中に自分を見る人、あるいは共感する人は、「ここに…

あんこ
6か月前
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【日日俳句】2023年、一日一句の掲載・更新を続けてきて

はじめに「日日俳句(にちにち・はいく)」とは、2023年の元日から一日に一つの俳句(および短…

あんこ
6か月前
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連句誌『みしみし』11号の参加、そして連句の魅力

2023年春、連句誌『みしみし』(不定期刊行)の最新号(11号)が刊行されました。 編集人は「…

あんこ
1年前
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【俳句20句】第27回豆の木賞 受賞作

「豆の木」とは超結社俳句会。 幽霊部員のように末席に名を連ねております。 春以降に新しい号が出る予定で (というか、これから原稿を纏めねばならない(^^;)、 その号に第28回豆の木賞作品が掲載されます。 そこで、この機会に一年前の受賞作を noteで公開します。 ご笑覧願えれば幸いです。 ◆第27回(2021年)20句競作豆の木賞 調律師 柏柳明子 満月に盗られてしまふ鏡かな 帚木や音程の微妙にちがふ ホースから頼りなき水秋ざくら 鶺鴒来たり反論の次々と 堂々と逝

【俳句・私見】破調(字余り・字足らず)、句またがり

先般、「句またがりをやってみたい!」という生徒さんの声を受けて 「だったら、破調(字余り…

あんこ
1年前
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【2023年新年/俳句関係】「週刊俳句新年詠」、『炎環』35周年記念号・座談会

遅ればせながら、本年もよろしくお願いいたします🎍 2023年はじめの俳句関連ですが、本年も下…

あんこ
1年前
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【俳句】第26回炎環賞の結果を読んで

先日発行の俳句結社誌『炎環』11月号にて、 「第26回炎環賞」の選考結果が発表されました。 対…

あんこ
1年前
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俳句にも生かせる番組『言葉にできない、そんな夜。』

NHKのTV番組 『言葉にできない、そんな夜。』 今回、初めて観ました。第7回です。 小説家やミ…

あんこ
2年前
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個人的な最近の俳句③:自分の中にあるものこそが「表現」になる

先日、講師を務めた川崎市・俳句入門講座、第1回。 講座中にふと思いついて、下記の内容の言葉…

あんこ
2年前
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個人的な最近の俳句②:今いる場所を感じる、そして「つくる」

なかなか外に行って俳句を作ったり 句会に行くのが難しいこの頃です。 とくに題材や季語探し…

あんこ
2年前
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季語と本意:誰かと世界を分かち合うために

季語には「本意」がある、ということを 知ったのは、いつだろう。 気づいた時にはその言葉と、何となくの意味を知っていた。 多分、句会で覚えたのだと思う。 本意以外にも、文法や切れ、切れ字など、俳句の基本的なことは句会で経験して覚えた。 季語や本意に話を戻すと、私の場合、 季語の把握や表現方法において、 先生の言葉から受けた影響が一番大きい。 「先生が季語をどう捉えているか、  どう生かしているか」 「季語がその句でどういう役割を  果たしているか。  力を放っているのか」