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カルチャー俳句通信

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担当している㈱カルチャー俳句講座の生徒さんへのコーナー☆講座感想や作句ポイントなど。
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記事一覧

明日のある日常:折島光江句集『助手席の犬』

「できるだけ普段着の言葉で、普段着の景色を季語とともに俳句として詠みたい」 自分の心と身…

あんこ
2週間前
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【俳句掲載】『全国・俳枕の旅62選』

俳人・広渡敬雄さんが『全国・俳枕の旅62選』を上梓なさいました(出版社:東京四季出版)。 …

あんこ
3週間前
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軽やかに、カラフルに:箱森裕美句集『鳥と刺繍』

雷鳥や刺繍の花のその軽さ 句集タイトルのイメージにもっとも近い作品を挙げるとすれば、上記…

あんこ
3か月前
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【自選俳句10句】2023「日日俳句」より

対岸柏柳明子 初がらす垂直に時止まりけり まなうらに四日の海を仕舞ひたる 対岸の翳りはじめ…

あんこ
4か月前
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愛とかなしみの背理法:土井探花句集『地球酔』

こんな日は仲間はづれの雉が好き この句の中に自分を見る人、あるいは共感する人は、「ここに…

あんこ
4か月前
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【日日俳句】2023年、一日一句の掲載・更新を続けてきて

はじめに「日日俳句(にちにち・はいく)」とは、2023年の元日から一日に一つの俳句(および短…

あんこ
5か月前
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独自の詩の森の世界へ:しなだしん句集『魚の栖む森』

死角の無い句集である。 どこから読んでも、どの句を読んでも面白い。 溜息が出るほどだ。 全11章より感銘句を各章より1句ずつ。 喝采のやうな風鈴市をゆく 騙し絵のやうな嫗が毛糸編む わが影へ膝折りたたむ汐干狩 穀象の眼いたいけとも見ゆる 鶴渡るふつくら赤き燐寸の火 軍港を白く濡らして日雷 サーファーの鼠小僧のやうに立つ 梟の身に軸のありこちら向く 貌つつこんで花虻の尻の縞 夜に満ちて葬儀のやうな白つつじ 臘梅のひらきて未完なる形 季語の使い方の巧みさはもちろんだが、切れ字

【雑感】川崎市生涯学習財団「俳句入門・秋編」を担当して

川崎市生涯学習財団で年三回(春・秋・冬)開催の「キラリ文化教室」。 その講座の一つに「俳…

あんこ
5か月前
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句集の鑑賞文を寄稿しました【BLOG俳句新空間・第214号】

BLOG俳句新空間・第214号での企画、【渡部有紀子句集『山羊の乳』を読みたい】に鑑賞文(下記…

あんこ
5か月前
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月を仰ぐことを忘れない人:杉山久子句集『栞』

句会でも思うけど、俳句作品がまとまって掲載された句集を読むたびに思うことがある。 「どう…

あんこ
6か月前
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やりきれない存在と今であっても:福本啓介句集『保健室登校』

いろいろと句集をお贈りいただいているのに、全然触れることができず申し訳ない思いばかり。大…

あんこ
6か月前
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秋、カルチャースクール俳句講座に思うこと

俳句と書いておきつつ、のっけから通っているフラメンコ教室の話題で恐縮だが、来月からクラス…

あんこ
6か月前
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「今」を真空パックする:俳句甲子園2023のある俳句を読んで

少し前の話になるが、NHKによるドキュメンタリー番組を観た。 内容は俳句甲子園2023。 そこで…

あんこ
7か月前
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俳句を紹介・鑑賞いただきました☆2

ありがたいことに前回の記事に続き、角川『俳句』7月号に掲載された12句作品のうち、下記の数句について写真の俳句結社3誌でご紹介いただきました。 感謝申し上げます😊 ◆『響焰』10月号(主宰・米田規子氏、執筆者・秋山ひろ子氏) まだ眠り足りぬ木香薔薇の家 ◆『森』10月号(主宰・森野稔氏、執筆者・古澤桃氏) 甘藍を嘘の見つかるまで剝がす  まだ眠り足りぬ木香薔薇の家 ◆『繪硝子』10月号(主宰・和田順子氏、執筆者・山口冨美子氏) 制服に着られてゐる子ひめぢよをん 瑠