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俳句、短詩

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自分の俳句作品や、鑑賞、思いなど気ままにまとめています。また、短歌などの短詩形作品などについても触れています。
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2022年5月の記事一覧

淋しさと懐かしさ:西川火尖句集『サーチライト』

淋しさと懐かしさ:西川火尖句集『サーチライト』

なぜ、私たちは俳句を詠む(あるいは書く)のだろう?
こんなに短い十七音にこんなに苦しんで、傷ついて。
作品ができるたびに淋しくなっていくのはなぜだろう?

上記の感慨は別に俳句に限ったことではなく、
すべての表現行為に共通して付随する思いではないか。

そして、同時にまたこうも思うのだ。
どうしようもない、ずっと続く淋しさ。
それを埋めるように俳句(作品)を作る。
その繰り返しの刹那にしか
自分は

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約束の無き世界でも:赤野四羽句集『ホフリ』

約束の無き世界でも:赤野四羽句集『ホフリ』

虹やもういいかいと誰に問うべき

掲句ではじまる本句集は、赤野四羽氏の第三句集。
美しいものを仰ぎ見つつ、心に浮かぶ虚無感と不安。
やがては消える虹に、当てにならぬ希望や明日、
そして世界を透かし見ているかのような。

三章構成の章ごとに感銘句。
めだか思わず生きていて快晴
やあ君安全か互いの時雨に問う

百人の姉と伊勢参りの嵐
霧箱を運んで一人はぐれけり

花畑 透明な棺の輪切り
夕時雨よく光る

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「俳句を作れないときはどうしていますか?」

「俳句を作れないときはどうしていますか?」

俳句を作れないとき、どうしたらよいのでしょうか?

たまにそんな質問をいただきます。
私も聞きたいです~、特に句会が重なったり賞の応募前はキツイですよね(-_-;)

私の対処法は二つ。すごい単純です。
1)準備体操程度にしておいて、しばらく集中して「作らない」
2)踊りの練習をする(=動く)

両方とも「作る(考える)ことから離れる」ということなのですが、
1)は以前もここに書いたので繰り返しに

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