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2023年駿河屋高槻店旧裏ジムバトルのあれこれ(前編)

こんにちは。
相変わらず旧裏を楽しんでいる自分ですが、最近とんとブログ記事を書かなくなってました。

特に負け越しした時は「次回以降改良を施してからデッキを公表しよう」と、実戦に備えてネタ晴らしをできるだけ控えておこうという意識でつぶやきすら最小限になりました。

散々負け越したのに、優勝した途端にずらずら長文を揃えた【ワニカメ】は顕著だなあと思いました。

今回はその影響で少なくなった「駿河屋高槻店対戦レポート」を振り返ろうと思います。

「高槻殿堂の全体的な振り返り」という切り口で…とも考えましたが、一個人からの俯瞰的な視点を語るよりも、「大会に参加してこんなこと話したよー」って記録の方が復元しやすくて思い出せることが多いので、これでやってみます。

ということで前置きすみませんでした。
れっつら旧裏。

1月

当月を語る上では、まず外せないのがマカロニさんの新規参入です。

タコトプスのコミュニティ由来の参入で、エキセントリックな人です。引っ提げたデッキも「突風4枚積み+トラッシュ交換+ポケモンの笛」というドンファンの割にアグレッシブなデッキ。

自分が相手した時は不幸にもドロソが引けないまま、こちらのグドラのだくりゅうがベイビィ判定を悉く突破したので押し切る形で勝ってしまいました。

その分テミルさんと対戦した際はテミルさん側のわるゴルのサイド落ちという不運を攫ってベロリンガと突風を押し付けて勝ったのだとか。 

結構刺激的な構築でしたが、この斬新さに一番ウケていたのがマカロニさん当人で、「自分のボケを擦り倒して延々と爆笑してる」というマカロニさんのキャラクターも露わになりました。

「わるいオーダイル+ヨルノズク」というアーキタイプを再構築したぷーさんとも当たりました。

こちらの初手がグドラライン一色+水エネ、ドロソ無しという最低限の引き運だったのですが、あろうことか相手のにせオーキドはかせの逆襲でウツギ博士を引き込めたので事故から抜け出してしまいました。

逆襲のコストで礼儀作法を捨ててしまったばっかりにぷーさん側がオーダイルラインを立てられず事故ってしまいました。
「なんでヨルノズク使ってる側が事故ってるんだよ!」というツッコミを入れつつグドララインの方が先に殴り始めてなんやかんやでこちらの引き運が強かったので勝ちました。

終わった後で、「ヨルノズクデッキで殿堂をハンデスカードに費やす」采配にテミルさんがツッコミ。
以前書いた考察記事とは違う方向性の殿堂の使い方だったので当人からは気になる様子。
この妥当性については人によって分かれるところがあるようで、マコマートさんも1月の高槻リモート大会で「ロケット団のおねーさん」を採用していた経緯があり、色々模索がある模様です。

なふだとテミルさんからの総ツッコミというぷーさんのメンタルをボコボコにしてしまう側面があったものの、実戦でねねしさんのタケキュウ構築を抑えたり等有利対面をしっかりモノにする一面もありました。

殿堂の使い先…というかにせオーキドの価値観を実践で洗い出しつつ、この構築は今後チューンアップされていくことになるのでした。

1月、そしてハンデスを語る上で必要不可欠な構築が今回優勝しました。

「ロケット団のワナ」をFIND+トラッシュ交換で使い回すデッキが優勝しました。なんで??
ギミックについては本人の記事参照。

公には語られませんでしたが、この構築の真髄が輝いた対面がスイカさんの大暴走軸鋼ラッキーとの対面でした。
タコトプスさんの先行からロケット団のワナが成功→手札のエリカと大暴走が都合よく抜かれる→スイカさんの手が止まりFINDも達成、と言う流れを経て対戦中9回のロケット団のワナがスイカさんを襲う!

という恐ろしい地獄絵図が観戦しにきた頃には繰り広げられていました。(コイン判定を挟んで5回くらいハンデスした模様)

さしもの鋼ラッキーということで、まるまる使用から粘っての巻き返しを図ろうとしますが、ヘルガーに悪エネが4枚ついてくろいキバの打点が期待値90点というエゲつない絵面に。

まるまると多少の鋼エネルギーでは耐えることができずまるまる失敗ターンでラッキー陥落、詰め切り性能までしっかり魅せた上でのタコトプスさんの勝利が劇的でした。

最後に参加者で晩ご飯を食べに行った際、連続でハンデスを受けていたスイカさんが「(ハンデスを連打されて)間違いなく、とてつもなく苦しいんだけど、その中でどこか楽しいと感じている自分がいた」(記憶の中の意訳)と語っており、このデッキに対するある種の賛辞が聞けました。

ワニカメデッキ以外でのトラッシュ交換を活かしたデッキということでユミルテミルさんからの
「スイカさん、どう思いますか?」
「ワニカメが強いから点数がつくのは理解できるけど、トラッシュ交換にハレツーや杉並のような殿堂ポイントが付いていたら今回のデッキは生まれなかった。」
という問い掛けが含蓄があって印象的でした。

後は前日のハレツーでワニカメを持っていったなふだの体験を色々と話してたり。
トラッシュ交換2枚で足りるんかい!?→かろうじてぎりぎり間に合う!
いやー、高槻より規制がキツいはずのハレツーの方がワニカメが通りやすいなあ。やっぱり高槻で揉まれた経験が活きてますねーという感じの話をしていました。

2月

今回のテーマはカツラのキュウコンだ!とばかりに【わるクロタケキュウ】で勇んでやってきました。
Twitterスペース内で燧さんとemptyさんと「カツキュウ2エネ50という結構唯一無二の打点持ってるよね」みたいな話を昨年していたので実践してみた型。
そしてジャストさんのカツウィンわるクロの系譜でもあります。
初動に必要なカードはほぼ同じなので、カツラ、退化スプレーの枠をどこまで削って妥協するのか、大事なエネリソースにどこまで枠を割くのか、というのが議論のタネになりそうです。有識者よ意見求む。
原型と比べるとエネ11枚、パソ通採用など安定に寄せた形となります。

そんな初戦のお相手はダイスケさんという新規参入の方でした。
リザードン愛好家の方で、この人もタコトプスさんの友人です。新規参入者がどんどん増えて嬉しい気持ちと、タコトプス勢力のような何かに侵蝕されつつあるような複雑な心情が一緒にやってきます。

お相手のデッキはタコトプスさんの貸し出した【リザードンマルマイン】略して【ドンマイ】。
速攻でキュウコンで攻めたかったのですが、初動から事故って動けないままリザードのかえんほうしゃで全てを焼き払われて、かつて自分が作ったデッキに負けました。
事故ってドンマイ!

2回戦のお相手は魚見さん。
昨年からちょくちょくお越しになられた新規勢の方で、この頃デッキは【錯乱エンテイ】しか持ってないとのこと。
実践でも錯乱ジムをあてられ、なす術なくズバット達が落とされてゲームセット。
負け越してドンマイ!

3回戦のお相手はぷーさんのわるいオーダイルヨルノズク、前回の反省を提げ参上です。

ハンデスも水タイプもこちらのデッキの弱点なので勝てるわけないだろ!!と思ってたらマリガンドロー&先攻の暴力で控えのワニノコを連続で倒し尽くしたので何故か勝てちゃいました。

わるクロデッキの強いところと弱いところが出た対戦結果になりました。

ドロソ18枚&サーチ6枚なのに今回事故が多かったぷーさんは残念でしたね。
不利対面なのに勝ててしまった要因になったので、「メインアタッカーになるワニノコが3枚は少なくない?」→「でもワニノコスタートしたくないし」→「ワニノコスタートが裏目かどうかは様々な対面次第じゃないかなぁ」みたいなやりとりをしていました。

先月の分で言及忘れがありましたが、1月に改訂が行われた結果、

ニューラ(neo1)7→5
ダウジングマシーン4→3
ブビィ(neo1)2→1

という規制緩和がありました。

記録を残していたユミルテミルさんに感謝。

ハレツーとの差別化点が薄れていくこと、ダウジングマシーン3点化の文脈(超リム・錯乱ジムとの兼ね合い)が引き継がれないままなんとなく緩和されている事に疑念の一声がありました。

とはいえ、環境に大きな影響を与えるものでもなかったため反対意見が出る、と言うほどでもなくじわじわと受け入れられている様子です。
この緩和が悪用されていないという現時点での評価ということになりますが、とりあえず無事!

そうして緩和されたニューラで挑んだのが今回のおすしさんでした。

トレーナーロック&ニューラという結構恐ろしい組み合わせ。オーキド博士3枚、そしてエリカ、ナツメの眼に重点を置いたようなドロソ構成も注目です。

対戦の記録は少なめですが、事故気味のヨルノズクデッキに対してみやぶるより先に攻撃を開始できるニューラとゴーストの軽量さ、単体での要求値の少なさがうまく作用して勝ち切ったところでしょうか。

また昨年11月より定まった時間制限の60分。プレイングの確認、時間制限の影響を見せる意味で印象的なチョイスでした。

自分が観戦した時の対戦相手はマカロニさんでした。

退化スプレー新旧ガン積みという振り切り構築。新規参入者にも関わらずマカロニさんの構築の方向性が固まっていきます。

わるクロ対面というキツそうな対面であることに加えて、自分が観戦した時は手札がリサイクルくらいしかない&場は満身創痍なカビゴンのみ、相手の場にわるクロライン複数、みたいな大ピンチの盤面が見えました。

これもうダメだろ……と思って他の卓の観戦に行っている間に事故から回復してピィを縛ることで辛勝をもぎとったみたいです。おそろしいね!

マカロニさんは教訓にしたのかトラウマなのかこの後の構築にはポケモン回収が入るようになりました。旧裏って死に覚えゲーなんですね。


後語りしていた際に浮かんだのが5枚目のリサイクルなるボロのつりざお。「アンノーン等のリカバリーに使う等のトレーナーが回収されてもポケモンが回収されてもどっちでも機能するデッキだと強いですね」「手札に直接加わるのもリサイクルと比べて便利だよね」みたいな感想を共有しつつプチ発見がありました。

時間制限に間に合いしっかり勝ち越ししたUDONデッキでしたが、何故か唐突に現れたリザードンデッキに負けてしまったようです。
ピンポイントな不利対面ドンマイ!

ということで、新規参加のダイスケさんがよもやよもやの決勝卓に上がるということで3勝同士のカードはVSマコマートさん。

マコマートさんといえばリザードンに対してすこぶる苦手意識をお持ちのようで、去年はタコトプスさんのよくばリザードンに負けた他、新規参加者のリザードンデッキにも負けてしまったようです。
リザードンにきずぐすり使われるの強かった……」とぼやいてたのが印象的でいい思い出はあまりない様子。

新規参入者のジャイアントキルが達成なるか!?と目されていた決勝戦の結果は……

過去の自分を乗り越えたマコマートさんの勝利でした。
やっぱバリヤードつえーわ」というマコマート節をもって2月の大会は〆られました。

くいしんぼカビゴンもつえーし、フーディンもつえーし、忘れていた頃に暴れるヤツらがもっていきました。
決して使用者は多くないですが、ハレツーのように無色2個が自由に使えなくてもくいカビは強いんだなあという再認識が生まれたのでした。

大会直後は直近の大会がBIGMAGICなんば店で開かれる初のオリジナル殿堂、うずまき殿堂がお披露目されてたことで話題のタネに。

他のブログでも語られていましたが、
「この殿堂ランク、スイカさん絡んでる?」
「関与してないでしょ」
「ワニカメ不当に軽くない?」
「殿堂は各地のいいとこどりしつつ高槻に近めですね」
「制限時間来たらサイド差見込まずにじゃんけんで決着というのは感覚が違う、TODどっかしらで狙われるんじゃ」
「比較的軽めのポリゴンは、当時の環境に多かったグドラやハガネール、わるマタなどに強かったけど、最近の環境だとポリゴンに2エネ貼るヒマがない対面も多く昔ほどの活躍は難しそうですね」
といったあれやこれやが語られていました。
いろいろな懸念を巻き込んで、どんなデッキが現れるんでしょうね?

3月

うずまきで話題となったワニカメをここに持ってきました。さんはい!

ということで今月はワニカメ回でした。

初戦の相手はマコマートさん、初手は拡張イワークのみ。「うーん、大丈夫かなぁ?」と悩みつつゼニガメのみを置いて先攻大暴走でエンド。

次ターン、息つく間もなくカスミのニョロモ展開→ぎゃくしめい→カスミ&プラスパワーのあわあわによる後攻ワンキルが決まりました。この間試合が開始しておよそ2分。

こんなことがないようにHP100のたねを2体、ベイビィも2体入れたのに……!

まあうずまきで運が良かったからぶり返しが来たよね。と気を取り直してユミルテミルさんとの2回戦が始まりました。

テミルさんの使用デッキは【カツリザノズク】。
ワニカメデッキを使ってきてノズク対面を経験したことがないので、この機会にちゃんと勉強しようと臨みました。

相手はマンキースタートでやや不安なスタートを見せるもののしっかり盤面を展開してヨルノズクも序盤からしっかりと複数立てる。

こちらはなるべくマサキやエリカを使わず素引きした大暴走のみを使って体制を整えたい。無闇にマサキ等をトラッシュにおくとみやぶるをされた後に山札を引きにいく手段がどんどん減ってしまう。

都合よく4枚の大暴走を手札に抱えることはできないので引き込むためのドロソは使わざるを得ず、「このマサキは使っていいんだろうか…?」と一々逡巡しながらドロソを切っていたので最終的な残り時間がカツカツでした。

相手の盤面も順調だったものの、大暴走を複数ドローすることに成功しつつタケシのイワークが壁として心強い粘りを見せました。かえんひこう→炎2枚トラッシュのファイヤーブレスを受けてサイド1枚の損失に抑え込む活躍。リザードンのエネが少なくなったタイミングでワニノコ、ゼニガメを展開したので進化を妨害されることもありませんでした。

「(エリカがあまり使用されてないのを悟り)山札が濃いな…」というテミルさんの形容が印象的でした。

みやぶるを連打されてなかなかキツい手札事情ではあったものの、なんとか使用枚数を温存したエリカ達を連続で引き込むことに成功して山札の堀り切りに成功。

うっかりナツメの眼を無駄撃ちするプレミを挟み、温存したドロソをまた無駄遣いしつつリザードンを撃破。

サイド不利の状況で時間もサイド6枚取るにはそこまで余裕がない状況。
「このまま逃げ切りもありえますねー」とぶっちゃけてみたものの、テミルさん側はそういう事態にならないようある程度焦ってプレイしてくれていたのでフェアだなあと感じました。

依然としてみやぶるがつらいものの、後続にエネを確保しておくことができないカツラのリザードンの惜しい点が突かれてオーダイルがトレーナーカードの助力を最小限ながらもサイドを取っていく。

トレーナーカードを枯らされて打点が出せないことが確定している状態でカツラのリザードが飛び出て殴ってきました。

水エネだけはやたらあるので、ラッキーに逃げてうたうらの眠りが運良く成功。思っていたタイミングより早く出てきたリザードを次のターンデッキトップトラッシュ交換から討ち取ったのが決め手になってその後ホーホーも倒してサイド残り1枚からのギリギリ勝利。

試合を通じて体感20回以上はみやぶるを喰らって手札がズタズタだったので、正直、手札事故を粘って乗り越えたら解決するミニスカート系のトレーナーハンデスよりも継続して襲い掛かるみやぶるが辛いと実感しました。

今回勝てたのはみやぶるで戻しきれない量の大暴走を固めて確保、イワークやラッキーの奮闘あってのことだったので運が良かったとしか言いようがないです。

3回戦の相手はぷーさん。フォレ研三連戦やんけ!

うずまきで仕掛けられたワニカメメタの錯乱ジムが巡り巡って、高槻で邂逅して、見事に事故らされてゲームセット。お見それしやした!

ラッキースタジアムを引ければワンチャン…!とは思ってたものの引くためのドロソが悉く裏を出してジリ貧エンド。

結果は先月と同じく1勝2敗。
ワニカメ使って負け越すヤツいるゥ〜?
俺さ!

その後はぷーさんとフリー対戦。件のわるいオーダイルノズクのデッキを試運転される模様。
有利対面のはずのリザードンデッキに負けたり、ワニカメを苦しめながら逆転負けを許したり(お互いにプレイガバったので勉強会じみたところある)、過去にヨルノズクと相性がそこそこいいポケモンとしてわるいオーダイルを挙げたテミルさんからは「ヨルノズクと2進化デッキの競合はデッキスロット不足でやや厳しいのか…?」と言わしめる形に。

「ハンデスしながらの詰め方・オーダイルそのものの継戦能力」様々な葛藤に悩む運びではありましたが、こちらがヨルノズクのハンデスの回答としてサーチしたピィを「いあつ」でふせがれるという意識していなかったシナジーが垣間見えました。

ベイビィには頼れなかったのでタケシのイワークでうなりごえをひたすら叫んでおりました。
うおおおおおおおおおお!!!!

ドロソを使わずドローを重ねる大切さ!


ギミックの強度にやきもきする一方で、わるいオーダイルとヨルノズクの特殊能力の補完性が証明される趣がありました。わるいオーダイルの明日はどっちだ!?

敗北卓付近の現場をお伝えしたところで、今回優勝に輝いたのは関東から遠征されてきたNicolasさんでした。

この日は先ほど話したうずまきカップの翌日ということもあり、大盛り上がりかな〜と思ってたら、うずまきから流れてきた人は然程いなかったです。

そんな中連日でいらしたNicolasさんがしっかりと勝ち星を攫って行ったので関東勢は鼻が高いでしょうね。
Nicolasさんは去年の夏に発足したハレツーの大会から旧裏に参入された方で、旧裏歴は比較的浅いものの遊戯王を結構プレイされてたそうで実力は折り紙つきです。

いくらかフリーを重ねましたが、終盤における残リソースの確認・相手の観察力に秀でているところがあり、狙い所、リソースの要点を的確に潰しに来られたり時にはバトル場を縛って勝つなど、戦術が柔軟で「工夫しているなあ」と感じさせられる立ち回りを見せてくれます。

プレイが終わった後で「残りサイド、山札のリソースからこういう作戦をとって〜」といったプレイ方針の解像度が高いことや、「自分のプレイのどこがまずかったですか?」という確認をとるような意識の高さ、等からいろんな方から一目置かれているプレイヤーの一人です。

今回使われたデッキは今後いろんなプレイヤーから使われることになるであろう「カツウィンわるクロ」ということで、ジャストさんが使われた構築から派生してきた第一波になりました。

原型のジャストさんの構築との差異はなんでしょうか?


参考文献


時代背景(逆指名の点数増加)からぎゃくしめいの採用がなくなり突風になっていることがまず一つ、でしょうか。
突風採用になることで状態異常耐性は若干落としつつも後続のガーディをタイミングを気にせず確保しておける安定性を身につけました(呼び出し札そのものの枚数も減少してよりその傾向あり)。

残りの殿堂でダウジングマシーン+おうごんのみとなった辺りはちゃっかり高槻の緩和の波に乗っかってますね。ダウジングマシーンはコストが重いものの再利用したいトレーナーカードの種類が多いこのデッキでは豊富な選択肢が取れます。

加えてカツラ・退化スプレーの枚数減少、ディフェンダー+おうごんのみの採用から様々な調整の意図が見えてきます。
わるクロの打点よりウィンディのヒートタックルの継続火力を優先する形に。炎エネルギーも増え、序盤の初動の安定性は原型より増しているように見えます。

山札に戻すカードがナツメの眼1枚、ポケモン交換おじさん3枚と少なく、オーキド博士の使用を躊躇う可能性は高そうに見えますが、ダウジングマシーン等手札消費の激しいこのデッキの選択の一つということでしょうか。

ヒートタックルをまず継続するようにするだけであれば要求値は少ないのでわるクロの展開は前のめりである必要はないのかもしれません。

筆者が敗北卓付近にいて優勝争いに全く関わらなかったため、取ってつけたような分析しかできませんでした。
カツウィンわるクロというアーキタイプはこの後も様々な改良が今後いろんなプレイヤーで研究されていくと思うので、他プレイヤーの意図の発露、影響の及ぼし合いが楽しみになるカテゴリになるでしょうか。

4月

ということで、これを書いている11月時点での最新改訂がこの4月に行われました。

わるいクロバット→⭐︎1へ増加
ゴースト(ポルターガイスト)→⭐︎1へ増加

となりました。他殿堂でも点数が付きつつあるわるいクロバットが高槻でも⭐︎1へ。⭐︎1があろうとちょくちょく優勝の実績を残しているので宜なるかなという結果に。
クロバットそのものに⭐︎1が課された影響の中で代表的なものは突風ぎゃくしめいの採用枚数の減少、つまり苦手な置物のプテラやベトベトンを対処する殿堂カードの採用枚数が薄くなるということです。

プテラについてはププリンがフリーでおおよそ対処可能。ハレツーにおいてはベトベトンが⭐︎7で重いといった材料により採用率が伸びず、結果的にあまり抑止に繋がっていません。

ベトンの殿堂が5点と比較的実践的な高槻ではどうか?
弱点をついてくるゴーストの規制も追い風ということで今回はベトベトンを握ってみました。相方はライチュウ。

そして拡張ゴーストに⭐︎1という珍しい方向での殿堂が課されました。
ゲンガーラインの優秀さを担う軽量アタッカーであり、環境で悪さをしているとまでは言わないものの、少ない要求値にそぐわないダメージ量を単体でまかなってくれるので様々なカードと組み合わせられる形でそこそこの分布をみせていました。

汎用性が高すぎたということでの規制。わるラフポルターを組めなくなりましたが、使用者は近年では殆ど居なかったため、これ目的ではないようです。

どちらの規制も大暴走型の構築を助長する傾向があったため、「ワニカメ大丈夫?」という懸念が囁かれてはいたものの、ゴーストの規制は他殿堂にはない要素であったため、高槻独自の味を出してほしいということで賛同する声もちらほらありました。

1回戦のお相手はおすしさん。
おすしさんは去年から参入してくれたプレイヤーで、現行も嗜まれながら旧裏の大会も毎度参加するバイタリティの塊のような方です。

現行と全く違う旧裏のリソース感覚に戸惑いつつも実力を身につけていき、昨年10月の大会ではスイカさんを下して優勝まで成し遂げました。

既存のレシピを参考にすることも多いプレイヤーですが、最近は使いたいカードを軸に自らデッキを組み上げる挑戦も多く、いろんな意味で旧裏の可能性を広げてくれる方です。

新規の方が自分で考えて模索して、しっかり結果も残すというのは何か浮き立つものがありますからね。

持ってこられたのはカツリザ幼稚園!

これまでの殿堂変更のくだりとは全く関係のない、カツラのリザードンがやってきました。
高槻環境はフリーダム。
というかベトン全く刺さってないじゃねえか!!

試合自体はほぼライチュウとカツラのリザードンの一騎討ちのような構図になりました。らいげきとファイヤーブレスの性能も似通っているところがあり、お互いにリソースを吐きながらの一進一退の攻防でした。

大事なところででんきショックで表が出る、カツラが辛うじて使われなかったのでライチュウが生き残る…などの要因で継続的に殴り続けることができたこちらがギリギリ勝ちました。

こちらの攻めのリソースがバトル場のライチュウに集中しがちなため、突風を使うタイミングが難しかったようです。というやや助けられた面もありました。

終わって観戦したところぷーさんとはんしんこーそくさんのマッチアップが長引いておりました。


鋼要塞系vsわるゲン……そりゃ長引くね?
そして規制強化されたタイミングで何故かいるゴースト。

眠りを解除する手段がある程度限られていること、ハガネール側の打点がテールクラッシュだと中打点に留まるところがあり、ぷーさんがサイド微有利で動いていました。

テミルさんと後ろから覗いていて、「これは時間切れからのサイド差でぷーさんが勝つかな?」等とこっそり展開予想をして時間を潰していました。

時間切れ間際のぷーさんのラストターン、1枚差のサイドを死守すればぷーさんの勝利という場面で、相手のバトル場にはふかいねむり状態のハガネールがいました。

次のターンゴーストが倒されなければ勝利という場面で、ぷーさんはポルターガイストを宣言。これにより、テールクラッシュでは倒されないはずのゴーストが、プテラのげんしのきおく経由のいかりで倒されて引き分けに持ち込まれる可能性が生まれました。

「はんしんこーそくさん後攻?ワンチャンあるんじゃないか…?」
という野次を(もちろん当人に聞こえないところで)好き勝手飛ばしてました。
結果的に眠り判定は失敗ということでぷーさんの勝利。

後の語り草にはなりましたが、外野で好き勝手言いすぎやろみたいな一幕でした。

2回戦の相手はマカロニさんでした。

殿堂規制強化されたゴーストがまたまた登場です。
なんで??

お相手はエリカ、転送装置を駆使してデッキを回すものの盤面展開は芳しくない。
例によってベトンが全く刺さってない相手であったものの、相手の支払った殿堂によるトレーナーロックも、じゅうでん、でんきショックを使えるピカチュウラインにとっては痛手ではなく対等に戦えました。

サイド落ちの影響でわるゲンラインが立つことはなく、ゴーストラインとの一騎打ちの展開へ。ベトン構築は相手に刺さる刺さらない関係なくメインポケモンの一騎打ちになりがちなんですけどね。

ディフェンダー、おうごんのみが確定数ずらしに貢献、学習装置、エネスタでエネの安定供給、何よりこれらを採用することで手札のトレーナーの枚数を最小限にすることができたのでポルターガイストの打点を縮小することに成功。

終盤は化石ライチュウのギガスパークを逆指名連ねて折り重ねたベンチ打点でサイドを3枚取りして決着。
試行回数をしっかり稼げる対面であればギガスパークは詰めとして優秀な技であると実感しました。


インド象もビックリ

3回戦のお相手はタコトプスさん。

あばれんぼう全振りパーティでした。ヨシ!これでベトンが活躍できるな!!

前日に自分がハレツーでワニカメを使っていたこともあり、謎のシンパシーが生まれました。そのオーダイル昨日使ってたんやけど…

完全にLOに振り切った構築で、テミルさんのタケキュウドンファンを打ち破っての決勝入りということで見た目以上に凶悪なデッキでした。

ただ、事前の長期戦が観戦されてベトンも非常に刺さるデッキだったので、ベトンとライチュウを揃える最低限のドローを行ってその後はカードを全く使用せずひたすらギガスパークを打ち込み続ける徹底的な対策プレイに勤しむことができました。

デッキ残り30枚くらいで耐性が整いましたが、タケシのイワークのうなりごえで時間を稼がれデッキ枚数を地道に削られます。


なんでコイツが2ヶ月連続出場してるんだ?

ギガスパークのみの連打で着実にダメカンは重なるもののポケモン回収などもあり残りデッキ17枚に。
念のためウツギを使って25枚くらいに回復したものの相手の牙城が堅牢でフィニッシュまでなかなか漕ぎ着けない。

それでもギガスパークの刻みがベンチのワニノコラインを限界まで追い詰めていきます。意を決したタコトプスさんは
くすぐりにせオーキド×2を叩き込むべく、ダウジングマシーン・リサイクル表も駆使してコイン5連続表を叩き出し、こちらのデッキを15枚削りに来ました。更に回収したくすぐりが成功すればタコトプスさんの勝ちというまさかの逆転負けが見えたところで最後のコインが裏。

こちらは完全に有利対面だと過信して、油断せずにデッキの消費を抑えたのに細い勝ち筋を捉えていたタコトプスさんが印象的でした。

5月

この月もハレツーの次の日に開催されたということもあり、先月同様にハシゴしてました。

「れんさしんか」空撃ちで山札確認するぜ!というギミックを仕込んでおり、高槻でタコトプスさんに「クイズワニカメをここまで育ててくれて嬉しい」と褒めてもらったり、ぷーさんから「来るところまで来たな…」と怪訝なリアクションされたりしてました。

ハレツー環境はワニカメを想定している人が少ないけど、高槻だとある程度意識されているだろうと自分が今回持ち出したのはカブトプス&ベトベトンという組み合わせでした。先月に続いてベトンに味を占めていく。

自分の組むデッキがことごとくわるクロと相性が悪いという事情があったので、ベトンの研究をしてみたいという感心もありました。

そんなこんなで1回戦当たったのはテミルさんでした。テミルさんにはたぶんベトンが効くぞ!(偏見)

テミルさんが持ち込んできたのはカメックスフリーザーでした。ゼニガメライン、フリーザーと来てアンノーンE、ホーホー、エリカのマダツボミといった出張ポケモンが並んだので、「欲張りすぎやろ!」ってツッコミ入れたりしてました。

こちらは相手にエリカを使ってもらったにも関わらず、交換おじさん、たまごの化石等サーチカードばかりが手札に嵩張り、カブトを用意できたもののクルミも不発し、ドロソはおろか追加のエネルギーも確保できない。カブトプス+2エネが揃えばハイドロカッターのワンチャンを狙えるはずなのにきりさくしか打てずにフリーザーに一方的に落とされる。

ベトベトンもサイド落ちしていることで、雑にベトベターを用意してもエリウツから狩られるだけという悪循環を断ち切れず、ベトベトで立ち向かうもフリーザーに敵うことなくボロ負け。

エリカを使われたのに事故負けという頭が痛くなるスタートを切りました。

ベトンが出なかったことはともかく、【カメックスフリーザー】という古典的なアーキタイプを独自の構築に落とし込んだユミルテミルさんは今回準優勝という好成績を納めました。

エネルギーカードの必要枚数の根拠、出張ポケモン、独特なマリガンカードの採用など、中々考えさせられるものがあったので今月のターニングポイントのように思えました。
別の月でも不利対面のドンベトンに勝つなど、カメックスの速効性を活かした勝ちを拾うなどそれなりに好感触を得たようです。

2回戦の不戦勝を経て3回戦の相手ははんしんこーそくさん。今年初参戦ということでお久しぶり!という感じでした。
デッキは1回戦のスピーディな負けから観戦する時間を得られたため、ある程度観察できました。
カスミのジュゴンとハガネールで相性補完をしながら鋼で固めるデッキの模様。

ベトベトンが全く刺さっておらず、ハガネールvsカブトプスのガチンコ勝負になると予想されます。
回復カードの採用が厚く、鋼4枚に加えておうごんのみ×2、モーモーミルク×2という要塞感があったので、流石に不利かなーってテミルさんとぼやいてました。

そんなこんなで実践に至った結果、デッキはしっかり回り、ハイドロカッターのコイン3回表を連続で叩き出すという豪運ではんしんこーそくさんが項垂れる展開に。

コイン運のゴリ押しで勝ちという結果になりました。
ハイドロカッターは下振れる印象にまみれていたんですけど、上振れた時は鋼フル投入、おうごんのみ採用のハガネールを貫通するほどの爆発力があったんだなあと気づかされました。

普段は下振れ前提でカードを評価しているので、過信するのは危険だけど、上振れ要素を適切に評価するもいうのも大局観として大事な要素なのかもしれないなと思いました。

今回優勝を飾ったのはラブラブアタックニドクインをタケキュウで実現するデッキでした。
一見ファンデッキ寄りの構築に見えるものの、サーチカードが7枚と厚く、ラブラブアタック80点を実戦で出すなどパワーと安定性を兼ね備えていたこともあり、序盤事故った相手をしっかり叩ける性能を遺憾なく発揮できたようです。

こういったデッキが頭角を表すというのも、デッキの回転、当たり運などに左右される要素の多い旧裏のある種の醍醐味というか、何が起こるか参加者全員が分からないというブラックボックスのような混沌の環境が今後も予想されていきます。

6月

わるクロに屈しないデッキを作るぞキャンペーンの一環で今回はヤドラン+グドラなる【グドラン】を組んできました。
テミルさんと雑談しながら組んだデッキで、フリーの戦績も好感触なので実践。

ポケモンセンターを最大限に活かしてがんばるぞ!

1回戦の相手はわるいユンゲラー採用の【ワニマイン】を携えたタコトプスさんでした。

ポケモンセンター閉業のお知らせ。
ぐわああああ!!!

ワンパン対策のバリヤードはベトベトガスで対策され、なす術が…ないこともない!
諦めずバリヤードを立て直してトラッシュ交換のネタ切れを待つんだ!

という意気込みを一笑するかのようなリサイクル4投構築であったため、お祈りは通じずボコボコにされましたとさ。

2回戦のお相手は今回久々に参戦しただだちよさん。予想していなかった相手から繰り出されたのは【わるクロランターン】でした。

相手にサイドを先制されながらなんとか苦心してグドラを立てていきます。クルミで戻しきれないポケモンセンターを2枚切ってオーキド博士を使うことになりました。

それでもヤドランと残りのポケセンでごまかし、だくりゅうを連打、コイン表が多く、ランターンを3体ほど倒せましたが、サイドはギリギリの状況。

だだちよさんがラストターンに打ったポケモンの笛で、タッツーを起点にわるゴルからのプラスイオンで最後のサイドを取る形で幕を閉じました。

詰めのポケモンの笛が想定になく、未熟な敗北でした。

道中クルミで廃品回収を優先して戻していたこともあり、ポケモンセンターの数が勝敗を分けたと思います。

「どうせ相手はシードラタッツーの時点でワンパンを狙ってくるから4枚抱えても満足に使えないな」と判断したのが命取りでした。

カラカラ+グドラを改良してバリヤードヤドランを投入したつもりでしたが、カラカラ抜いた途端に雷にあたるのはカードゲームあるあるですね。

3回戦のお相手はエンテイ+やまやきファイヤーを使うマカロニさん。

タイプ相性もさることながら、ピィの存在で山札を簡単にリカバリできるのが大きく、LOのネタも知れていたので山札はキープして一方的にだくりゅうを打って勝ち。

妙に対マカロニさんの戦績が上がる一方、今回は負け越しエンド。それなりに自信があった構築である一方、ピィもバリヤードもわるクロ相手には制限されるため、当初のわるクロ対策の目的からするとそぐわない一面もあった構築だったと思い知らされました。

今回はだだちよさんがデッキ分布を残してくれました。

バラバラで環境考察もへったくれもねえ!って毎回言ってる気がします。草が今回いなかったという点でタコトプスさんの使ったオーダイルは環境上有利に見えましたが……

優勝はマルマインバレットfeat.ひかライを使ったおすしさんでした。
決勝戦はタコトプスさんのワニマインとのことでしたが、サンダースコールのベンチ打点形成が速く、オーダイルが立つ前に蹂躙してしまったみたいです。
ある意味、序盤無防備な大暴走構築の天敵のようなひかるライチュウの性能が、この高槻の殿堂2点であっても輝いた瞬間だったと思います。
バレットとは言いつつひかライ無双だったようで、なかなか普段意識できないエースの優勝が、高槻では散見されます。

23年上半期、ここまでで優勝を飾ったのは
タコトプスさん
マコマートさん
Nicolasさん
なふだ
ねねしさん
おすしさん

と6名が1勝ずつと、最多優勝者を巡る競い合いも混戦の模様を呈したところ。
何が起こるかよくわからん高槻下半期のレポート、できる限り尽力して書いていこうと思います。

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