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【旧裏単体考察】ヨルノズク

去年1年間使ってきた「カツリザノズク」(カツラのリザードン+ヨルノズク)デッキが自分のデッキのなかでかなりの勝率をあげていることもあり、この2枚の相性が結構良かったんだろうとなんとなく感じていました。もしそうなら、似た性能のアタッカーで組んだら同じように強いのでは?という考えが浮かび、改めてヨルノズクの特徴を整理し、それを活かすデッキ構成、及びアタッカーに求められる条件を考えました。


【ヨルノズクの特徴】

【特殊能力】みやぶる
この力は、自分の番ごとに1回使える。コインを投げて「おもて」なら、相手の手札をみる。その中に「トレーナーカード」があれば、1枚を選び、それを山札にもどして、よく切る。このカードが「ねむり・まひ・こんらん」状態のとき、この力は使えない。

コイン判定とはいえ、殿堂ランクの消費なしで相手に干渉できる効果を毎ターン使える。基本的に複数体並べられ、相手のドロソ等の展開札を戻し続けて満足な盤面を作らせないのが一番の強みです。

・展開札そのものを戻すだけでなく、その他のトレーナーカードもデッキに戻すことでトップドローで解決できるカードを引かれる確率が下がります。このことから、使うタイミングを選び、盤面を展開するのに影響しないトレーナーカードを多く採用したデッキほど動きが止まりやすいです。プラスパワー、ディフェンダー、ポケモンセンター、退化スプレー、ポケモンぎゃくしめい、夜の廃品回収、等がこれにあたり、
退化スプレー、ポケモンぎゃくしめいを多く採用する上、トップドローからの解決札にはならない進化カードの多いわるいクロバットデッキに対しては特に強いといえます。

・一方、「みやぶる」は盤面には触れません。1進化ポケモンであるため、「みやぶる」が使えるようになるまでに先攻であれば1ターン、後攻なら2ターンは相手に自由に動かれることになり、この間の相手の動きに対応するための策が必要となります。

逃げるコストが0であるため、バトル場に呼ばれて立ち往生しません。2ターン目にバトル場で進化して即逃げられるので、初手ホーホーで開始しながら2エネ貼ったアタッカーで攻め始めることができますし、ポケモンぎゃくしめいが採用しやすい等、利点は多くあります。

進化前のたねポケモンであるホーホーは2種類ありますが、neo1の方が優先されます。

ホーホーにエネを貼る=メインポケモンが出せていない=引けるまで時間を稼ぎたい
はずなので、足止めできる「さいみんじゅつ」のほうがいいです。
また、コダック(化石)やゴース(拡張シート)のトレーナーロックを50%で止められ抵抗できるため、多少の耐性があり初手に出すポケモンとしては十分な性能です。

【ヨルノズクを活かすためのデッキ構成】

長期戦になるほど相手にチャンスを与えることになるので、今回は2ターン目からヨルノズクを複数体たてつつメインアタッカーでマウントを取り、そのまま押し切る構成で考えます。

・メインアタッカーの被弾を避けるため、初手のバトル場はホーホーにして、ベンチにも並べつつメインアタッカーにエネを貼ります。そのためヨルノズクラインは厚く4-3か4-4、ドロソは多目にして初動の安定をはかります。

・「みやぶる」が使えない1ターン目の相手の動きへの対応策が欲しいですが、この策としてロケット団のおねーさんは採用してはいけません
まず、欲しいタイミングが、引けるかどうかもわからない1ターン目にしかないうえ、2ターン目以降は「みやぶる」があるので無駄になります。また相手のポケモンが育ってしまった場合、ヨルノズク同様盤面に干渉できず、状況を改善できないためこのデッキでは役に立つ場面があまりありません。

ここはエネルギーリムーブが無難です。相手の攻撃を1ターン遅らせられるので、ヨルノズクが揃うまでの遅延としては十分。また、「エネエネ」で先手を取ってきたり、妨害をすり抜けて展開してきた場合の対策にもなります。後攻1ターン目に使うことを想定すると、超エネルギーリムーブよりもエネルギーリムーブ2枚の方が良さそうです。

【求めるメインアタッカーの性能】

・相手の動きが鈍っている間に、速やかにサイドを取り切ることが求められます。そのため、たねポケモンをワンパンできる3エネ50打点、少なくともベイビィを倒せる2エネ30打点を目安とします。

・ヨルノズクで妨害することで相手は壁を出してベンチを育ててくるか、少ないエネコストの攻撃で少しずつ削りにきます。
ベンチを育てさせないために、できればメインアタッカーにベンチに干渉して育成を咎める手段があると望ましいです。ポケモンぎゃくしめいで呼び出すことでも対処可能なので、なければポケモンぎゃくしめいを多目に入れることでなんとかします。

少しずつ削られるのに対しては、細かいダメージの蓄積に耐えつつ攻めきれるだけの耐久を持つか、倒されてもすぐに後続のアタッカーを準備しておくことで攻めきります。後者の場合はポケモンぎゃくしめいが使いにくくならないこと、軽めのエネコストで動けることが望ましいです。

整理すると、
①3エネ50打点以上(2エネ30打点があるとなお良し)
②ベンチを育成するのへの干渉手段
③低打点を数発耐える耐久(とりあえずHP80とします)

ここで一度カツラのリザードンをみてみると、

・カツラのリザードン
①:◎ 「ファイヤーブレス」で 2エネ40、3エネ60をカツラによるエネ加速で使い分けられる。4エネ80で進化ポケモンもワンパン可能。リザードも2エネ30でる。
②:◎ 「かえんひこう」でコインとはいえベンチ攻撃としては高い40打点。
③:◎ HP100
その他:カツラのヒトカゲの「メラメラ」で、エネルギーリムーブ同様盤面のエネにも干渉できる。カツラでエネ加速可能。

と各条件を満たす他、ヨルノズクの干渉できない範囲を補うエネルギーリムーブ効果まで持っており、相性が良いことがわかります。

ということで、他にも上記の条件を満たすか、その他特筆する点がある相性がいいアタッカーを探してみました。

打点を悪エネルギー、耐久をロケット団のアジトで強化できるわるいポケモンは全体的に相性が良さそうで、ここでは強化した数値で考えます。

相性のいいアタッカー候補

・わるいモココ/わるいデンリュウ
①:◎ 雷悪「スタンウェーブ」で40、雷悪悪「ショックボルト」で70。
②:○ 「かんでん」で、エネを貼って育てようとしたポケモンにダメージ。
③:○ HP70+20(アジト)
その他:わるいモココの「こうしゅうは」で「みやぶる」で抜き切れなかったトレーナーを次のターンまでロック可能。

・ブラッキー
①:○ 悪エネルギー込み「だましうち」で50。悪込み「かみつく」で2エネ30可能。
②:◎ 「だましうち」でベンチに確定30。
③:○ HP80
その他:たねのイーブイが逃げ0なので、ポケモンぎゃくしめいの邪魔をせず後続を出せる。別進化先を採用可能。

・エリカのウツボット
①:○ 「はっぱカッター」で3エネ50。
②:○ 「かおりのわな」でコインで呼び出し。
③:○ HP80
その他:エリカのウツドンの「さそってとかす」でも呼び出し可能。

キングドラ(neo1)/キングドラ(neo3)
①:○ シードラの「だくりゅう」で2エネ30。キングドラは両方4エネ50。
②:○ 「だくりゅう」でベンチに10。キングドラ(neo1)の「りゅうのたつまき」で、前を殴りつつベンチ呼び出し可能。
③:◎ HP90
その他:(neo1)の方は「こうそくいどう」で被ダメージを抑えられ、耐久力が高い。(neo3)は1エネ30の他「たつまき」のエネ破壊で育ってしまった相手に対処可能。

・わるいオクタン
①:○ 「スミでっぽう」で水悪で40、水悪悪で最大60。
②:△テッポウオの「ねらいうち」で一応可能。
③:△HP60+20(アジト)
その他:たねのテッポウオが逃げ0なので、ポケモンぎゃくしめいの邪魔をせず後続を出せる。

・わるいヘルガー/ヘルガー(neo3)
①:◎ 「じごくのほのお」で2エネ60と30打ち分け可能。
②:×
③:△HP60+20(アジト)/HP70
その他:2エネでの打点の高さが魅力。序盤のわるいヘルガーの悪エネトラッシュをヘルガー(neo3)でカバー。

・わるいゴルダック
①:△ 超超悪「ちょうねんりき」で60。2エネ技はなし。
②:×
③:△HP60+20(アジト)
その他:コダックの「ずつう」で、ヨルノズクの「みやぶる」が使えない1ターン目の相手の動きへの対策。ただし、ホーホーが逃げ1なので、バトル場に出すためにぎゃくしめい1枚消費しそう。「ずつう」しているコダックを進化してアタッカーにするのはダメージ蓄積がきついため、ベンチに別のをだすか、きのみ等の回復が欲しい。

・やさしいカイリキー
①:○ 「せいけんづき」で3エネ50、「やさしいキック」で2エネ40。
②:×
③:◎ HP100
その他:わるクロに抵抗力を持たれるが、「せいけんづき」のコイン次第でワンパン可能。「たすけだす」で、ぎゃくしめいからバトル場に戻ったり、回復したり。ヨルノズクの弱点である雷に対して弱点をつける。

・わるいオーダイル
①:○「はかいのいちげき」で3エネ50+エネ破壊。アリゲイツが2エネ20。
②:×
③:◎ HP80+20(アジト)
その他:「いあつ」でピチューの「パチパチ」を止めヨルノズクを守れる。技のエネ要求がきつく、悪エネルギーが入れにくいのが難点。

・わるいハッサム
①:△「きりさく」で3エネ30+α。
②:×
③:◎ HP70+20(アジト)+鋼
その他:悪エネルギー、鋼エネルギーを集中させ単機で戦う戦術はデッキに合う。「おどす」を使う可能性も無くはない。鋼エネルギーとその他の殿堂をどうするかのバランスが難しい。

サブポケモン

・ヤミカラス
ぎゃくしめいを邪魔しない逃げ0。ロックして入れ換え札を引かれない間にベンチの主力を叩ける。ベトベトン対策。わるいポケモンメインの場合は悪エネルギーを共有できるので入れ得。

・マンキー
ぎゃくしめいを邪魔しない逃げ0。「スパイ」で相手のデッキトップをみて、「みやぶる」の手札確認と合わせて相手の次のターンの動きを把握して動ける様になる。

サンプルデッキ

・わるいデンリュウ+ヨルノズク(新殿堂ランク準拠)

・パソコン通信で初動の安定、エネルギーリムーブやポケモンぎゃくしめいを必要なタイミングで引いてくることを重視。
・わるいデンリュウは高火力が必要な時や、「かんでん」で控えにエネを貯められる際に削っておくために使い、基本はわるいモココで40~50ダメージで攻撃します。

第6回パソコン通信杯で使用。参加者12人のトーナメントで、仮想敵のわるクロにも勝利し、4勝して優勝しました。

追記:22/02高槻殿堂版「カツリザノズク」
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【まとめ】

何故攻撃しない、サポートポケモンであるヨルノズクからデッキ構築を始めるか。それは、環境上位におり使用率の高いわるクロをカモるためです。(少なくとも私は今のところ10戦ぐらいやって負け無しです。)

2エネ30や3エネ50出せるポケモンは上に挙げた以外にもいくらでもいますし、良い相方はまだいるかもしれません。皆さんもヨルノズクを使ってわるクロを滅ぼしましょう。

使いたいカードからデッキを組み立てるのもいいですが、やりたいことに対して必要な条件を考え、それを満たすカードを探す、というデッキの組み方も新たな発見があるので試してみてください。

ちなみに、ヨルノズクに関する記事は他にもあぷーさんのブログ(Q卜部:ヨルノズクをあじわう①~④)にあるので、そちらも見てみると違った考え方も知れておもしろいと思います。

以上、自分のヨルノズクについての考えをまとめた記事でした。お読み頂きありがとうございました。

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