見出し画像

早朝の中学校への侵入事件

一般男性教員です。

この事件、学校職員としての実情を含めて考えてみます。

千葉・流山市の中学校に14日朝、女が侵入し、教師に襲いかかる事件があった。女は、午前11時45分すぎ現在も逃走している。午前7時ごろ、流山市立常磐松中学校で、男性教師がうずくまった女を見つけ声をかけると、女が刃物のようなものを振り回して襲ってきたという。当時、登校中の生徒もいたが、けが人はいなかった。

防犯上の問題

この記事には、午前7時とされていますが、初期報道は午前6時45分です。

侵入した時間帯を考えると、①夜中侵入していた、②早朝、職員の開錠後、侵入したの2点です。

①の場合、職員の施錠、週番(校舎内の確認)の施錠に問題があったことが考えられます。ただし、校内はセキュリティがかかるはずですので、侵入した段階で、通報が入ります。

その点、②の可能性が高いです。
しかし、午前6時45分から、化学室にいく必要があるというのが、多忙であるという学校の実情を表していますね。

生徒の保護について

侵入事件、しかも刃物のようなものを所持していたということですが、生徒は無事だったのでしょうか。

実は、登校中だった生徒もいたようで、危害が加えられなかったことに安堵しています。

また、午後の部活動を休止して、集団下校をしたとのことでした。

今後、学校の対応として

今回の事件をきっかけとして、日本にある公立学校には、通達があることが予想されます。

週番による施錠、校内巡視の強化
学校安全(防犯の部分を重点として)マニュアルの徹底

おかしな点

1、授業準備の時間が早すぎる
2、週番という制度
3、防犯教育

まず、午前6時45分に授業準備をしている点です。

この時間に準備をする理由として、事前実験…ただ、早すぎます。これは、登校中の生徒もいたという点からも、朝練があるために、この時間に準備しなくてはいけなかったのです。

ちなみに、学校職員の勤務の開始時間は、大体8時〜8時20分くらいの間です。

これが、学校の実情です。最近、朝練をなくす取り組みが進んでいますが、未だに取り組んでいるところもあるみたいですね。

次に、週番の強化です。

週番という制度の下、校内巡視や施錠をすることになっています。

これについても、外部の防犯会社にお願いしたり、地域スタッフなどの協力をいただいたりすることができないだろうか、と考えています。

ただし、週番以外の先生でも、自分の範囲や職員室に戻るまでに確認をしてくださる方と、全く問題にしない方と2種類います。

こういった部分でも、心の余裕というか、業務の余裕というか、心遣いというか、差があることが分かります。

最後に、防犯教育についてです。

防災の避難訓練として、地震や火災について取り組む学校が多い中、防犯についての避難訓練や学習を進める学校の存在もあります。

ただ、通常の業務にプラスすることになると考えると、賛成できない先生もいらっしゃる気がします。

もちろん、消防や警察などと連携を取ることができるように、訓練を実施しておくことに越したことはありません。

今回の事件から、学校の実情がみえます

そして、学校に侵入者がいたのにもかかわらず、当日の授業を取り行ったことに、危機感のなさを感じます。

当日は臨時休校として、警察に協力し、現場検証や二度と同じことが起こらないようにする確認をすべきです。

何より、子どもたちの命を預かっていることを考えると、安易に通常授業を進めてしまったのはいただけません。

逆に、通常授業を進めるために、職員が安全点検を、朝から行ったことは想像に難くありません。さらに、生徒下校後に、緊急の学校安全に対する会議も行われたのでしょう。

学校としてどのような対応をするか、教育委員会とも相談したのだと思いますし、中学校ということで進路を考えると、簡単に休校ができないのも分かります。

しかし、それでも休校という選択をしなかったことに、大いに疑問が残ります。

※この件に関して、学校への通達を拝見したわけではないので、実際は分かりません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?