見出し画像

【童貞率97%】キスを知らない灘高生のリアル恋愛事情

「竹敷、童貞じゃないらしい」 


4月、灘高1年生の内部組に激震が走った。その言葉が初めて発されてから、全員の耳に届くまで時間はかからなかった。

灘では、中学受験組が180人おり、高校から新たに「新高」のメンバーが40人追加される。

灘中は世の中から隔離されており、いわば江戸時代のような鎖国状態になっているので、外の情報はあまり入ってこない。
もちろん「女」に関する情報なんて、もってのほか。
母親と妹と小学校の先生以外、「女」は存在しないと主張する生徒もいた。

しかし、彼らは確かに15.16の思春期真っ盛りの男である。

家庭科の50歳手前の教師をオカズにして、授業中自らを慰めるものが出るくらいには、欲望に素直であった。


そんな中、「共学の中学」で3年間戦い、卒業してきた猛者ども達が、高1の4月のタイミングで一気に入ってくる。

高校の入学式は、パニック状態だ。


もちろん全員が、イケイケなやつらではない。灘高校を受験するとあって、40人のうち30人は見るからに「芋」である。
しかし特別な10人は、明らかに自分たちとは違うオーラを放っていた。

僕たちを驚かせたのは、「竹敷」がその10人ではなかったと言うことだ。
いや、むしろ30人のグループの中でも、芋ランキングで言うと上位に食い込んでくるポテンシャルを持っていた。

そんな竹敷だからこそ、前述の情報にはとてつもない爆発力があった。
竹敷が童貞でないことによって、他29人にも平等に、童貞でないポテンシャルが与えられているいうことに他ならないことを、灘高生は瞬時に悟っていた。

僕たちは慄いた。
劣等感、羨望、希望、自己嫌悪…

簡単には言葉には表せない、思春期の灘高生独特の、あの時にしか持つことができない感情を、確かに持っていた。

そして皆、休み時間になると竹敷の机に交代交代行っては、手を合わせ、パワーと何かをもらっていた。

竹敷は、ペリーのごとく灘高校を開国させたのだ。


そこから、内部組の灘高生180人のタイプは、大きく以下の3つに分かれた。

①狼 出現率:2%
文化祭でナンパしまくるタイプ。
何かに憑依されたように、狂ったようにナンパする。

②純愛思春期 出現率:5%
塾で恋をするタイプ。
この中で実際に卒業する馬力を備えているものは、5人に1人である。

③生粋の童貞 出現率:93%
①と②の恋愛話を聞いて、家で辞意するタイプ。
1日に最高27回やったやつもいるというから、驚きだ。


そんな感じで、灘高校は大半が、まともに恋愛に関与することなく、東京大学へと進学していく。
大学に進学してからはあら意外、普通に彼女を作るものと、一生童貞宣言をしているものに綺麗に二分される。

しかし灘五郎としては、後者の一生童貞宣言野郎たちも、高校のときになにかのきっかけがあれば、違う未来が待っていたんじゃないかと、悔しい気持ちになる。


もしあのとき、塾の女の子に話しかける勇気があれば…
もしあのとき、学校の授業で恋愛についてちょっとでも勉強していれば…
もしあのとき、27回で性欲を使い果たしていなければ…


「男子校」と「恋愛」の関係は、非常に難しい。簡単に議論される問題でないことは、重々承知している。
ただ、中学高校の恋愛経験が、その後の人生に大きな影響をもたらすことは言うまでもない。
灘高生の童貞率が是正され、少しでも少子高齢化に歯止めを利かせられることを、切に願う毎日である。

(文責:灘五郎)


え、ホント!いいの?ダイスキ!