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南アフリカにとってのスポーツを超越したラグビーの存在

ラグビーW杯2023、南アフリカの大会連覇!!
決勝に相応しいロースコアで緊張感のある展開で超絶ハイレベルな展開ですごいもの見たなぁという充実感のある試合だった。

前回大会のラグビーワールドカップ2019の日本大会が4年前。その時に自分はアフリカ関係の仕事をしてたので南アフリカ人の現地の同僚や顧客を呼んでアテンドしてた。その中でめっちゃ印象的で忘れられない出来事があったのでnoteに残そうと思う。

まず南アフリカにおけるラグビーの位置付けは単なるスポーツを超えた人種差別の壁をぶっ壊した象徴でもある。
以下の記事に詳細が分かりやすくまとまっていたので詳細は割愛するものの、アパルトヘイト体制下の南アフリカにおける初代の黒人大統領のネルソン・マンデラと、1995年のラグビーW杯において、スプリングボックスは初出場で初優勝のストーリーは名作映画で知られる「インビクタス」でも再現されているので是非みてほしい。


ネルソン・マンデラ役を演じたモーガン・フリーマンがハマりすぎててヤバかった

話を戻して、2019年のラグビーワールドカップ。
当時アフリカの仕事をしていて現地の南アフリカのスタッフとも日頃からリモートや現地のヨハネスブルクで仕事をしていたが、日本資本の会社で日本開催のワールドカップがあると言うことで、「絶対に日本に行きたい」とのことで、お客さんをメインで呼びつつ社員も招待していた。(中には私費で来てたり滞在延長しているスタッフもいた)

南アフリカは順当に予選を通過して、日本とウェールズを倒して決勝に進んだ。
南アフリカ人のパーソナリティはとにかくラテン的で陽気。どの社員に聞いても人生の大切にしているものとして、家族と趣味が第一、超えられない壁があり、仕事という優先度。金曜の午後は大体仕事せず会社でBBQをするという感じ。一番飲む曜日は木曜と口をそろえて言う。(金曜は土日のために深酒しない)

こんなパーソナリティなのでラグビーワールドカップで日本に来た南アフリカスタッフは大会中大盛り上がり。とにかく試合前・試合中・試合後ずっと飲んでて常時酔っぱらい、10秒見ないなと思うとどっか行ってるし、日本人のファンと友達になってるし、TVのインタビュー受けてるし、スタジアムの通路でこぼしたビールの上をヘッドスライディングしてたりでてんやわんやだった。
日本戦の後なんかは終わった後のホテルのラウンジで大宴会をかまして、高くて強い酒ばかり飲んでお会計が見たことない金額になったりもしてた。笑

そんな中で南アフリカと決勝のイングランド戦。下馬評では名将エディ・ジョーンズ率いる統率の取れたイングランドが優位という見方が多かった。
準決勝まで大宴会騒ぎの南アフリカ人スタッフもこの日はお酒は飲んでいるものの、神妙な面持ちで試合を鑑賞。
結果的に統率力の取れたチームでの決め事や複雑な戦術が強みのイングランドに対して、それぞれの個人力でノってきた時に誰も止められないようなゾーンに入った南アフリカが下馬評を覆して、見事に南アフリカが勝利した。

またしても大宴会が始まるのかと思いきや、優勝決定した瞬間の南アフリカの人たちが揃ってみんな突っ立ったまま数分間ポロポロと涙を流していた。
その反応が信じられないくらいの決勝までの盛り上がりようだったので、とても異様であり不思議な光景だった。映画で観たインビクタスでラグビーがいかに南アフリカにとって特別な存在かを知ってたつもりだったけど、目の当たりにして息を呑んだ。

その時の映像に近いなと思う今大会の動画を貼っておく。本当に思い出すだけでうるっときてしまうようなそんな感じだった。

今回も南アフリカ現地での盛り上がりとかがSNSやニュースでも取り上げられてて、見ていてとてもほっこりする。
南アフリカはとても課題の多い国で、最大都市のヨハネスブルグは治安も最悪。自分も何回か行ったことがあるが、治安が悪すぎて信号を待ってはいけない(待つと襲われるから)というレベル。
また、まだまだ人種差別が残っているような一面もある。例えば人種によって言語が違うため、会社で白人だけで会議を行ない黒人社員を呼ばないなどは日常的に起きてしまう。
そんな感じで課題は多いが、もちろん個々の南アフリカの友人たちはとてもフレンドリーでいい人たちだし、国も自然豊かで経済的にもポテンシャルがとてもある国。
今回のW杯二連覇でスポーツを超えて社会的な影響は間違いなくとても大きなインパクトだと思うので、今回をきっかけにまた国が一丸となってそんな課題を乗り越えていけるような機会になるんだと思う。

最後に、南アフリカの黒人初のキャプテンのシヤ・コリシ。幼い頃はとても貧しくて、授業料の350円が払えなかったくらい。そこから這い上がって歴史的な二連覇のキャプテン。もうめっちゃ大好き。


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