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程久保高校マネージャー・みなみが取り入れたドラッガーの「マネジメント」

 こんちには!元中小企業弁理士のnabです。本日は『程久保高校マネージャー・みなみが取り入れたドラッガーの「マネジメント」』が、テーマです。ベストセラー書籍「もしも、野球部のマネージャーがドラッガーのマネジメントを読んだら」で採用されたドラッガーの「マネジメント語録」を取り上げていきます。

 本著は、通称『もしドラ』として、2009年に発売され、300万部以上を売り上げる大ヒットとなりました。著者は、岩崎 夏海さん。岩崎さんは、放送作家でダウンタウンのごっつええ感じ、とんねるずのみなさんのおかげですなどの制作にも参加していたそうです。

 このもしドラは、普通の都立高校・程高の高校野球マネージャーみなみがマネージャーの仕事を覚えるために、20世紀を代表する経営学者、ピーター・ドラッガーの経営書「マネジメント」を、間違えて書店で購入してしまいます。

 しかし、みなみは、真摯に、経営書「マネジメント」のエッセンスを取り入れて、普通の都立高校を甲子園出場に導いていくという知的エンターテイメント小説です。

 本記事では、みなみが、程高に取り入れた経営書・「マネジメント」のエッセンスを紹介していきたいと思います。

エッセンス① 真摯さ

 人を管理する能力、議長役や面接の能力を学ぶことはできる。管理体制、昇進制度、報奨金制度を通じて人材開発に有効な方策を講ずることもできる。だがそれだけでは十分ではない。根本的な資質が必要である。真摯さである。

「マネジメント」130ページより抜粋

エッセンス② 企業の目的

 企業の目的と定義するとき、出発点はひとつしかない。顧客である。顧客によって事業は定義される。事業は、社名や定款や設立趣意書によってではなく、顧客が財やサービスを購入することにより満足させようとする欲求によって定義される。顧客を満足させることこそ、企業の使命であり目的である。したがって、「われわれの事業は何か?」との問いは、企業を外部すなわち顧客と市場の観点から見て、初めて答えることができる。

「マネジメント」23ページより抜粋

 みなみは、程高野球部を、『野球を競技する組織』ではなく、『顧客に感動を与える組織』と定義します。

エッセンス③ 企業の持つ基本的な機能

 企業の目的は顧客の創造である。したがって、企業は二つの、そして二つだけの基本的な機能を持つ。それが、マーケティングとイノベーションである。マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす。

「マネジメント」16ページより抜粋

 みなみは、高校野球関係者たちに感動を与えるため、程高の野球部員に対して一人づつマーケティング(聞き取り)を行います。

エッセンス④ イノベーション

 イノベーションとは、科学や技術そのものではなく価値である。組織の中ではなく、組織の外にもたらす変化である。イノベーションの尺度は、外の世界への影響である。

 イノベーションの戦略の第一歩は、古いもの、死につつあるもの、陳腐化したものを計画的かつ体系的に捨てることである。イノベーションを行う組織は、昨日を守るために時間と資源を使わない。

「マネジメント」266、267、269ページより抜粋

 程高野球部は、高校野球のセオリーともいえる送りバントの禁止、投球術としてボール球を投げることを禁止するという、これまでの高校野球の常識を覆す作戦を打ち立て、見事、甲子園出場を果たします。

まとめ

 高校野球にピータードラッガーの経営書「マネジメント」を取り入れるというこの小説の発想自体が、まさにイノベーションであったように思います。

 本著は、私たちに馴染み深い高校部活に沿いながら、ピーター・ドラッガーの経営書である「マネジメント」の初級知識を解説しているため、非常に取りつきやすいです。ちなみに私は、この後、みなみさんが誤って購入したピーター・ドラッガーの「マネジメント」を購入致しました。

 余談ですが、著者の岩崎さんは軟式野球部の出身らしく、野球の心理描写や、高校野球の雑学もかなり詳細に描かれています。このあたりも、ベストセラーの要因だったのかも知れませんね。

 最後まで、お付き合いいただきましてありがとうございました。

 



 



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