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母子寮って母子を守ってくれるんだと思ってた

荷物おいた。
はさみ、S字フック、ひも、着替え。

色々思うところはあるけど年末年始を棒に振り一ヶ月以上引きこもった(子供館のような新しい清潔な建物で三食おやつ付き)

ラグビー部員のような野菜豊富な副菜たっぷりメニュー(^∇^)子供2人に食べさせつつ自分も食べる(30分以内)他に子はいないので食堂に響き渡るガキンチョの声。食べた気がしないけど食べるしかない。こっそり部屋に持ち帰る味付き海苔とみかんが戦友。


翌日。職員が車を出してくれてイオンへ。周りに何もない。布団を買って職員は「今日食べるものだけ買いなさい。終わったら公衆電話から掛けてくれたら迎えに来るから」と帰っていき、男児2人連れて食料買い出しなどはかどる筈がない。イヤな予感がするので簡単に食べられるものだけではなく無洗米5キロも買った。抱っこ紐が重い。

目についた必要そうなものを買って肝心なものは何も用意できず。結局夕飯はコンビニの半額弁当を買って済まして、何年も使っているiPhoneをいじりながらその日は寝た。布団とはいいものだ。


翌朝。大雨。

ドアノック職員

「これじゃ買い物は行くのは無理ねー」

そうくると思った。お米を買っておいてよかった。

「そう、今日は雨だからみんな部屋にいるだろうけど、他の部屋の人たちと話さないでー」

「えっ」

「…から」

ーーーなんぞ?

警告を残して職員は去っていった。へそくり30万円持ってきたのに、この母子寮に入るために自宅に置いてきた家電や衣類を買い直して半分以上使って訳がわからない。今までの価値観が崩壊する。初期費用に回してアパートに入りたいのに。というかおうちに帰りたい。ここで金を使ったらここから出られなくなる。

同じフロアに部屋は7つ。別のフロアもあるし、一体ここにはどんな人達がいるの?しかもみんな親子…

せめて何人いるか知っておきたい。iPhoneは持っているけどなんとなく電源を切った。


「おかーあさーーん」




次の話につづく



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