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「ダメ。ゼッタイ。」は前時代的

こんにちは、心理士のなべたです。

この記事では、「ゲーム障害再考」という本に掲載されている、児童専門医のゲーム依存に関する記事を読んで、私が感じたことをまとめました。


期待のズレ

「大人がどのくらい勉強させたいのか」と「子どもがどのくらい勉強したいのか」が大きくずれている状況で「勉強をしないのはゲームのせいだ」というちょっと単純すぎる見方がされている。子どもが将来に向けて勉強をどう生かしていきたいのか共有がされていないと問題がこじれていく。

児童専門医 吉川徹(一部改変)

人間関係において、我々はしばしば相手に対する期待を持つものだと思う。
「これくらいは自分でやってほしい」という具体的な行動から、「たまには褒めてほしい」という精神的な支持まで多岐にわたります。
しかし、期待と現実が一致せず、ズレが生じると、問題が複雑化します。

ゲーム依存の子どもたちと話していると、ゲームに費やす時間についてほとんど正直に語りません。
これは、大人に対して正直に話しても状況が好転することが少ないという経験が根底にあると思います。
このことからわかるのは、問題解決への道は、まず心を開いてのコミュニケーションから始まるということです。

「ダメ。ゼッタイ。」は前時代的

「ダメ。ゼッタイ。」をスローガンにした薬物依存の防止キャンペーンや、薬物に対するマスメディアの厳しすぎる視線のなかに古い考え方が残っている。このような依存の考え方をゲーム依存にも広げていくと、子どもを孤立した状況に追い込んでしまう。

児童専門医 吉川徹(一部改変)

現代の子どもたちは、ネットやゲームをただの楽しみとしてだけでなく、毎日を元気に過ごすための大切なエネルギー源として利用しています。

ゲーム好きの子どもからゲームを取り去るというのは、「夜空から星を奪うようなこと」です。
子どもはゲームを非常に楽しんでいて、それが彼らの喜びであり、それを取り除くことは大きな影響があります。星が夜空を美しく彩るように、ゲームは子どもの生活に楽しさと刺激を与えてくれます。

その星を奪うと、夜空は暗く、寂しくなるでしょう。同様に、ゲームを奪われた子どもも喜びを失い、何か大切なものを失った感じがするのだと思います。


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