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ゲーム依存のレッテル、不登校の背後にある子どもの真実

こんにちは、心理士のなべたです。

この記事では、「ゲーム障害再考」という本に掲載されている、精神科医のゲーム依存と不登校に関する記事を読んで、私が感じたことをまとめました。


親の視点と子どもの視点

「子どもがゲームばかりして学校を休むようになった」は、よくある親の主訴ですが、子どもの意見は違うこともある。「たしかにゲームはすごくしているけど、本当は親が思っているほど好きじゃない」と言う子どももいる。

精神科医 宮脇大(一部改変)

親の視点に立つと「子どもはゲームは好きじゃないと言っているけど、ゲームをする時間をコントロールできずに、学校を休んでいるし、生活上の支障が生じている」とみなして、ゲーム依存と診断するかもしれません。

一方で、子どもの視点に立つと「子どもはまだ自分の状態をうまく言葉にできていないが、葛藤があり登校が難しくなっていたのだろう。今、ゲーム仲間との関係が居場所となっており、ゲームは対処行動とみなせる」と考えて、ゲーム依存との診断を保留するかもしれません。

このように、ゲーム依存という病気の診断は、子どものゲームを依存、あるいは、対処行動のどちらに焦点づけて解釈するか、とても難しいのです。

親の不安と支援者の役割

ゲームのやりすぎについて、大人が子どものゲーム行動をコントロールしようとしてもうまくいかない。子ども自らが行動を変えるように粘り強く援助するしかない。効果のあるクスリはない。

精神科医 宮脇大(一部改変)

ゲームに没頭する子どもの姿は、親にとっては気になるものですよね。
それは、ゲームが学業の妨げになる、子どもを暴力的にする、そして子どもの未来を閉ざすというネガティブな情報が多く流れているからです。

このような情報が親の心を揺さぶり、子供への愛情や責任感が不安へと変わってしまいます。
そして、それが親子間の関係を緊張させてしまいます。

その結果、子どもの「やり過ぎはいけないと思う、でもついやってしまう」という葛藤は、はからずしも無視されてしまい、変化へのきっかけを奪うことになってしまいます。

だからこそ、僕ら支援者が求められるのは、子どもの未来を心配し過ぎてしまう親へのサポートです。

予後が悪くないことを保証しつつ、親が焦りすぎず、関係性を悪化させることなく、子どもの自立をうまく促進できるように支援することが重要なのです。


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