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ジャズ記念日: 12月21日、1989年@ニューヨーク

Dec. 21, 1989 “Question and Answer” by Pat Metheny, Dave Holland & Roy Haynes at Power Station NYC for Geffin (Question and Answer)

一般的にはフュージョン系に位置付けられるギタリスト、パットメセニーが、クリスマス休暇にふらっと一晩、NYのスタジオにトリオで籠って、純ジャズを録音したアルバムからのタイトル曲。

その後、パットが折に触れて演奏、代表曲となってジャズスタンダード化していく。何をするにも、こだわりのあるメセニーの人選は、マイルスデイビスのバンドで一躍有名となった新感覚で硬派なベースのデイブホランドと、当時64歳の年齢やスタイルを感じさせない、モダンジャズの一線級を長年に渡って走り続けた超人ドラマー、ロイ ヘインズ。

メセニーによると、この二人の演奏歴は少ないものの、自由度の高いトリオ演奏における音楽的な考え方に共通項があるという、組み合わせが功を奏して同アルバムの一曲がグラミー賞を受賞している。この曲は、三者のインタープレイが聴きどころで、特に捉え所の無い変幻自在なリズムを展開 して、単調になりがちな流れに対して終始刺激的なアクセントをタイトに加えるロイヘインズが特に素晴らしい。

リハーサルなく8時間演奏した内容から選定された楽曲からアルバムが構成されているそうで、60歳を超えて8時間も演奏が出来る、その尽きることのない創造性とスタミナにも驚かされる。

メセニーは、デビューアルバムも、2000年以降も同じ構成のトリオでの録音があり、このフォーマットがお気に入りのようだ。

1:21のメセニーによる「ポーン」というハーモニクス二連発の二つ目の音が何処まで伸びるのか、でオーディオの特性が判断出来そう。そしてらそれに触発されたかのように、1:33から続くハイハットがヘインズの真骨頂。

2:48からは手癖のメセニーフレーズが登場するが、このウニョウニョメロディーを耳にすると、後にデュオを組んでアルバムを世に送り出す、ジャズギターの大御所ながら先進的なジムホールの愛弟子ということが理解出来る。

本作のプロデューサーに名を連ねているのは、そのデュオ作品もプロデュースした、以下演奏でも登場しているギルゴールドスタイン。

演奏に話を戻すと、マイルスのバンド出身のイギリス人ベーシスト、デイブホランドが芯のある硬派な音色のベースと独特のベースラインでメセニーとヘインズの間を取り持つようなアプローチは取らずに、その中をブレずに突き進みながら主張してバランスを取るという、なかなか難しい芸当をしているのも面白い。この大物二人を相手に音色と同じスタンスで媚びないのだ。

そんな演奏が、ぎっしり詰まった本アルバム、ニューヨークの名門スタジオパワーステーションで録音されている。メセニーの同スタジオでの名作にご興味がある方は、以下のグループによる、本作から約8年前のグラミー賞を受賞した演奏を是非お楽しみください。

容赦無く攻めまくるジャズも緊張感があってピリッとして良いですね。では最後に、本作から約二十年前、同じように攻めるロイヘインズを含むチックコリアのピアノトリオでの名演をどうぞ。

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