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ジャズとオーディオをこよなく愛する東京都北区在住のサラリーマンです。ジャズの名盤を、そ…

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ジャズとオーディオをこよなく愛する東京都北区在住のサラリーマンです。ジャズの名盤を、その背景にある、録音場所と録音技師、季節、居合わせた聴衆といった要素を読み解き、自己流の考察を交えて紹介することで、ジャズの奥深い醍醐味を伝えていきます。

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【プレイリスト】8月に聴く8月録音のジャズ

「August 葉月」オリジナル解説書(CD一枚分) ※1日単位「今日のジャズ/ジャズ記念日」の元ネタですが、録音年月日順で、記載内容も異なります ※選曲後記が最後にあります ※音楽を聴いてから解説を読む事をお勧めします  ※録音日、曲名、演奏者、収録場所、レーベル、アルバム名の順で曲の情報が記載されています 17, 1956 “Get Me To The Church On Time” by Shelly Manne and Friends (Andre Previn,

    • 今日のジャズ: 夏の暑い日に

      異様な暑さですね。暑い時には、風鈴か打ち水などで気を紛らわすのも良いですが、涼しげな、寒い、冷たい雰囲気を纏った音楽で気晴らしでも如何でしょうか。 今日は、純氷でキンキンに冷たくしたサイダー、頭がツーンと痛くなる程に冷えたかき氷か、シャリシャリになりそうな氷点下間近のビールといった、即効清涼剤のような、主に冬から春にかけて収録されたジャズアルバムを、これまで取り上げた曲を交えて紹介していきます。 真っ先に思い付くのは、現在のジャズギターを代表するパットメセニーのリーダーデ

      • 今日のジャズ: 8月4日、2024年@ブルーノート東京

        KURT ELLING & CHARLIE HUNTER "SuperBlue" (2nd Stage on Aug. 4th) Kurt Elling(vo) Charlie Hunter(g) Kenny Banks Jr.(key) Corey Fonville(ds) チャーリーハンターが好きだ。独特の8弦ギターを駆使してロックやファンクを消化して融合した現在進行形のユニークなジャズを創造し続けているから。ハンターは、セロニアスモンク、ジェームスブラウン、ローラン

        • 今日のジャズ: 7月28日、2024年@コットンクラブ東京

          KURT ROSENWINKEL's THE NEXT STEP BAND REUNION at COTTON CLUB, Tokyo (2nd Stage on July 28) Kurt Rosenwinkel (g) Mark Turner (sax) Ben Street (b) Jeff Ballard (ds) 現在ジャズの主流を行く辣腕揃いのバンドを率いて、ジャズギターの最前線で活躍するカートローゼンウィンケルが来日するというので、久しぶりにJR東京駅丸の

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        【プレイリスト】8月に聴く8月録音のジャズ

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        • November 霜月
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          17本
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          19本
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          14本

        記事

          ケルンコンサートのキースの胸のうち

          ジャズ屈指の全編ソロピアノ即興ライブアルバム、キース・ジャレットによる”The Koln Concert”(1975年1月24日収録)から50周年を迎えるにあたって同アルバムに関する幾つかのプロジェクトが進行している。 先ず、撮影が完了して近日中に公開予定とされている本作に纏わる、当時17歳の女性興行主、ベラブランデスを主役とするドキュメンタリー映画、”The Girl From Köln”の制作がドイツで進行中。 次に、本作において重要な役割を果たした、あの状態の悪いピ

          ケルンコンサートのキースの胸のうち

          今日の音楽@上野のBar

          先日、とあるイベントの帰りに普段は通らない道を上野駅に歩いて向かっていると、駅の入口のすぐ手前に、アメリカレトロ風の雰囲気の良さそうなお洒落なバーを発見。ドアが開放されている入口の空間を通して店内を覗くと、ドナルドフェイゲンの名盤”The Nightfly”のレコードジャケットがインテリア的に飾ってある。 その他、八十年代の邦洋楽を中心としたレコードが壁にかけられていて、レコードが聴けるであろうところに心をくすぐられて立ち寄ってみることにした。 開店直後でお客は他に誰も居

          今日の音楽@上野のBar

          今日のジャズ: 6月14日、1997年@イリジウムNYC

          Jun. 14, 1997 “Alive” by Jacky Terrasson, Ugonna Okegwo & Leon Parker at Iridium, NYC for Blue Note 90年代に躍進したフランス系混血ピアニスト、ジャッキーテラソンがデビュー時の勝手知ったるメンバーと共にマンハッタンのど真ん中に位置する1994年に開店した比較的新しいジャズクラブ、イリジウムで1997年の6月に収録したライブアルバム。 生命の息吹が感じられる六月のマンハッタン

          今日のジャズ: 6月14日、1997年@イリジウムNYC

          今日のジャズ(祝50周年): 5月21-22日、1974年@コペンハーゲン

          May 21-22, 1974 “All Blues” by Kenny Drew, Niels-Henning Orsted Pedersen & Albert Heath at Copenhagen for SteepleChase (Dark Beauty) 欧州に移住した米国黒人ジャズピアニスト、ケニードリュー(当時45歳)とドラマーのアルバート"Tootie"ヒース(同38歳)、欧州の技巧派白人ベーシスト、ニールス=ヘニング・エルステッド・ペデルセン(同27歳)を

          今日のジャズ(祝50周年): 5月21-22日、1974年@コペンハーゲン

          今日のジャズ: 4月24日、2024年@ブルーノート東京

          Apr. 24, 2024 "CHILDREN OF THE LIGHT" By DANILO PÉREZ, JOHN PATITUCCI & BRIAN BLADE at Blue Note Tokyo ジャズジャイアントのテナーサックス奏者、ウェインショーター晩年のリズムセクション三人の名手が集うというので、ブルーノート東京に足を運んだ。大好きなドラマーのブライアンブレイドは複数回、ベースのジョンパティトゥッチは一回、観に行った事があったが、今回リーダーとなるピアノのダ

          今日のジャズ: 4月24日、2024年@ブルーノート東京

          ジャズ記念日: 4月22日、1997年@シャンゼリゼ

          Apr. 22, 1997 “Medley of my Favorite Songs” by Michel Petrucciani at Théâtre des Champs-Elysées for Dreyfus (Au Théâtre des Champs-Elysées) 四十分近くにわたって休み無く繰り広げられるジャズのソロピアノ、演奏者側からすると一人で弾き続ける創造力の引き出しの多さを始めとする力量・技量・体力が試されるが、それを最後まで聴き続けられるかという聴

          ジャズ記念日: 4月22日、1997年@シャンゼリゼ

          今日のジャズ: 4月6-8日、1997年@ニューヨーク

          “Fingerpaintings” (The Music Of Herbie Hancock) by Christian McBride, Nicholas Payton & Mark Whitfield on April 6-8, 1997 at Effanel Sound, New York for Verve 個人的にかなり聴き込んでいる一枚。リリース当時、ヴァーヴレーベルと契約していた新鋭という形でデビュー間も無いトランペット、ギターとベースを操る若手のホープが現在

          今日のジャズ: 4月6-8日、1997年@ニューヨーク

          最も過小評価されているドラマー

          早朝にNoteを書くために音楽系の動画をYoutubeで眺めていたら、ふと目の中に入った奇妙なサムネイル画像。何となく惹き込まれて見始めたところ思わず吹き出してしまったのが、こちらの映像。何を今更と、ご存知の方も大勢いらっしゃるかも知れませんが、アンパンマンのマーチが、凄いことになっている。 ぬいぐるみを着た制約がある中で、正確無比なリズムを繰り出し、只者では無いテクニックもさる事ながら、極端に大きなドラム捌きや間合いのアクションの中に、コミカルなエンタテイメント要素が散り

          最も過小評価されているドラマー

          【続: 完結版】易経由来のジャズとロックの名曲

          この記事は、中国の古典『易経』に触発されて作曲されたジャズとロックの名曲について記述した以下記事の続編、完結版になります。先ずは、以下をお目通しの上で、本記事をお読みになることをお勧めします。 先の記事では、チックコリアによるピアノトリオジャズ屈指の名盤で56年前の今日、3月14日に収録された”Now He Sings, Now He Sobs”と、ビートルズのジョージハリスンによる名曲、エリッククラプトンが登場する”While My Guitar Gently Weeps

          【続: 完結版】易経由来のジャズとロックの名曲

          今日のジャズ: 1月27日、2024年@ブルーノート東京

          昨年大晦日のジョンメイヤー公演に続いて、1月も27日にブルーノート東京に足を運んだ。ジャズベーシストの重鎮ロンカーター(86歳)が、現役ジャズギタリスト最高峰のパットメセニー(69歳)と若手ドラマーのジョーダイソン(34歳)でトリオ演奏するという組み合わせが非常に気になったから。個人的にカーターを一度は生で観ておきたいという思いと、何度か観ている変幻自在なメセニーが、カーターにどう対峙するのか、その組み合わせに興味を抱いたという経緯。 公演はセカンドセットの定刻通り19:3

          今日のジャズ: 1月27日、2024年@ブルーノート東京

          “JAZZ is POP!!” 2024年

          マガジンハウスの雑誌、BRUTUSの最新号(2024年2月15日発売)が昨年に引き続きジャズ特集「2024年、あなたが聴くべきジャズ250」だったので目を通してみたら、これまで紹介してきた曲を含むアルバムが多数登場していたため、掲載記事を参照しつつ、改めてその文脈で取り上げてみます。盛り沢山で読み応えのある雑誌の概要はこちらからご覧ください。 記事では、新たなジャズの潮流を紹介しつつ、以下のような形で著名人イチオシの名盤が掲載されていますので、大変参考になります。ジャズにご

          “JAZZ is POP!!” 2024年

          名盤『ザ・ケルン・コンサート』の写真の謎を探ってみた

          天才ジャズピアニスト、キースジャレットの代表作であり、400万枚超とピアノソロアルバムとしてはジャンルを問わず最高の売上を誇ると言われている”The Köln Concert”、思わずジャケ買いしてしまう程に目を惹く、何処かでいつしか目にした事がある、その芸術的なジャケット(ジャレット)写真に興味を持った。 それは、ピアノに没頭して鍵盤に吸い込まれる程に上半身を前屈したジャレットを象徴的に捉えた表面の偶像的な写真のみならず、その服装から表面と同じセッションで撮影されたと推測

          名盤『ザ・ケルン・コンサート』の写真の謎を探ってみた