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ノーベル文学賞作家「ガルシアマルケス」の家に行った話。📕🏠

先日、メキシコシティにある
ノーベル文学賞作家「ガルシア・マルケス」の家へ訪れたので、彼の孫に質問した話のまとめ、訪れた感想を記録として簡潔に記します。

ガルシア・マルケスとは❓(簡潔に)

ガブリエル・ガルシア・マルケスは1927年3月6日生まれのコロンビア出身の作家。
祖父母によって、引き取られ育てられた。この時に、祖父母から聞いた話が彼の魔術的リアリズム(物語の中に非現実的な要素や奇妙な出来事を取り入れることで、リアリティとファンタジーを融合する手法)の礎となる。
1947年にボゴタの国立大学に入学したが、中退し文学のために新聞の記者として働く。
1955年に、ガルシア・マルケスは最初の小説『落葉』を発表した。
その後、彼の代表作でもある『百年の孤独』(1967年)、『コレラの時代の愛』(1985年)など、多数の短編小説や長編小説を発表した。
彼は政治活動家でもあり、フィデル・カストロやチェ・ゲバラとも親交があった。
1982年にはノーベル文学賞を受賞し、2014年に亡くなるが彼の文学は今なお世界中多くの文学ファンから愛されている。


家の所在地🏠

メキシコシティ内には、ガルシア・マルケスの家が二つ存在する。

①百年の孤独を執筆した家🏠

ガルシア・マルケスが富を得る以前に住んでいたアパート。この家で、
(原題)『Cien años de soledad』
(和訳) 『百年の孤独』
を執筆。
現在は、作家が滞在して執筆をするための施設になっているらしく、入れるかどうかは分からない。(交渉してみようと思っている。)

[所在地]


②約50年間住んだ家🏠

百年の孤独を別の家で描いた後に、売れて買った家。高級住宅街にあり、百年の孤独以降の作品は全てこの家で書いていて、2014年に亡くなるまで約50年近くこの家に住んでいた。そして、今回訪れたのがこの家。
(公式インスタアカウントから、dmにて予約可能。料金💰:一般500ペソ 学生350ペソ)

[所在地]


孫から聞いた話のまとめ

今回ツアーを行ってくれたのは、ガルシア・マルケスの実の孫で、彼についての質問をいくつかした。

新作が発表された背景📕

飾られていた、新作

2024年3/6のガルシアマルケスの誕生日に出版された、最後の作品
(原題)『En agosto nos vemos』
(和訳)「出会いはいつも八月」
が出版された背景を聞いた。

ガルシア・マルケスがこの作品を書き始めたのは、2003年から2004年頃で、アルツハイマー症候群や癌を発症しながらも執筆していた。
日本では、この作品は未完とされているが、実はガルシアマルケスは亡くなる前に作品をほぼ完成させており、事実確認等の校正作業を終える前に亡くなった。

ガルシアマルケスの死後、ガルシアマルケスが執筆した作品やパソコンなどの貴重品は保全の為に、アメリカのオースティン大学にあるランサム・センターに移された。(メキシコ国内には、資料保全のための温度調整などの設備が整った資料保管体制がない為)

その後、「出会いはいつも八月」の原稿もランサム・センターにて保存されている状態で、日の出を浴びない状態に。さらに、何者かが違法で原稿をインターネットにリークすることもあった。
一部の人のみにしか情報が公開されていない、不平等性に疑問を持ったガルシア・マルケスの親族は、「出会いはいつも八月」を出版することを決定し、3/6のガルシア・マルケスの誕生日に発売されたそうだ。


ガルシアマルケスの日常と最後☀️

朝起きたら、本を執筆し朝食を取る。
その後、12時までは執筆をし、12時以降から14時半までは校正作業。それ以降の時間帯は仕事をしなかった。
(執筆作業は、最初期はタイプライター、パソコンが登場してからはパソコンで行っていたらしく、アップル製品しか使わなかったと言う。🍎)

初期のマッキントッシュ

孫の方の記憶によると、午後からは、カフェへ行ったり、本屋へ行ったりしていた。そして、最後にはアイスクリームを食べて帰るのが日課だった。
ノーベル文学賞作家から掛け離れた、日常的な可愛らしい、お爺ちゃん像が思い浮かぶ。

週末はフィエスタを愛し、友人を自宅に招いては食事会を開いていた。
飲んでいたお酒は、テキーラ、ワイン、ウイスキー。仕事中には、飲まなかった。
食事中にテキーラかワインを少し嗜み、仕事の後にはウイスキーを飲んでいた。
音楽も嗜んでいたようで、よく聞いていたのはクラシックミュージックか故郷コロンビアの音楽
お酒同様に、仕事中には音楽をかけなかった。
公私を分けるタイプの人だったように感じる

コロンビアの物が、あちこちにあった。

ガルシアマルケスは晩年まで、アルツハイマー症候群を発症していたが、音楽だけは忘れなかった。
最後の日まで、音楽を嗜んでいて、頭の中から音楽は消えなかったと言う。
そして、晩年までペットとしてインコを飼っており、カリートス(カルロス)という名前を付けていた。


他の情報

※作品を執筆する部屋と作品を校正する部屋を分けていた模様。

執筆する作業場
校正する作業場


※キューバ革命で著名なフィデル・カストロやチェ・ゲバラとも親交があり、書斎にはチェ・ゲバラの写真が飾られていた。

校正作業机の側に飾られていたゲバラの写真

※書斎には、さまざまな言語の本があり、頂き物や本人が買ったもの様々な本がある。

様々な言語に翻訳されたガルシアマルケスの本

感想🤔

一般的な博物館と違って、1番の魅力は家に訪れるという唯一無二の体験が出来ること。家に訪れるということで、ガルシア•マルケスが実際に触れた物に触れて、作品を構成した空間に滞在することで彼自身をより深く知れた気分になれる。
一番心に響いた瞬間は、彼が実際に座っていた書斎の椅子に座ることができたこと。
彼が執筆していた瞬間を少しでも感じられた気になったから。😓

『百年の孤独』と共に

さらに、彼が飾っていた物を見ることで、彼のユーモアのある人間性が少しずつ伝わってくるような気がした。

彼の人形


以上のように、値段は約3000円と少し高い気もするが、ガルシア•マルケスが実際に触れた物に触れることができ、実の孫に質問をできるという体験は、今回訪れた所でしか出来ない唯一無二の一生モノの体験であった。

なので、メキシコシティに長期間居る人で、文学に少しでも興味を持っている人には強くお勧めする所であった。


気に入った写真たち

元南アフリカ大統領、ネルソン•マンデラとの写真
彼が奥さんとご飯を食べていたサンハウス
2階に寝室があり、ここで亡くなった
彼の図書室
ノーベル文学賞を受賞した時の写真
彼と奥さんの像

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