「GE帝国盛衰史」を読む39 ー怪しい会計処理で利益を生み出すー【数値だけが評価基準の企業で昇進するために】

「第44章攻撃的会計処理」
イメルトは何がなんでもシェアをとろうとした。長期的利益がでないほどの価格でも。手段は問わなかった。いずれガスの時代が来るのだから。

しかし時代は再生可能エネルギーに向かっていた。古いエネルギー経済ではなく。発電機の不振と再生可能エネルギーの追い上げに対して、GEパワーは本隊を安く売り(赤字)メンテナンスや修理契約で利益を得る方法を採用した。

そして2050年までといった長期契約をも利用して帳簿上の利益を確保した。長期であればあるほどちょっとした操作で今の利益を動かせる。

こうした努力でウォール街との約束を果たしたがそれは実際のキャッシュとは違う利益だった。そしてそのキャッシュの穴埋めはGEキャピタルへ請求書の販売で確保した。一回しか販売できないが。しかしこれはやがて司法省の捜査官の目に止まることになる。

内部でもこれを心配するようになってきた。チームメンバーがボルツとサービス契約の責任者にこれは現実を反映した売上と利益ではないと訴えた。

しかしサービス契約の責任者は握りつぶした。ある会議で言った。ボルツは次のCEOだ。そうなればGEパワーの部下たちも昇進する。それからでいい。みんなでバスに乗るんだ。今は数字を作らねばならない。

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