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【エッセイ】月替わりの小さな幸せ

ここ数年、部屋にカレンダーを飾らなくなった。
昔は毎年飾っていたカレンダー。
年末に近づく11月頃、お店に並び出すと気に入ったデザインのものを探して「来年はどれにしようかな?」とワクワク探していたけれど、ある年、お気に入りに出会えず、ずるずる月が過ぎていき結局飾らずに過ごした1年があった。
それから、「まあ無くても困らないな…」と思うようになり、ここ数年飾らずにいた。

ところが、今年は久しぶりに飾っている。
モデルなどをされている大好きな雅姫さんのパーソナルマガジンを買ったら付録についていたのだ。
インスタでいつもナチュラルアンティークなインテリア写真も楽しませてもらっている雅姫さん。カレンダーの写真も毎月の暮らしの風景が切り取られていてとっても素敵。

好きな感じで、久しぶりに「飾ろう!」と思い、部屋のどこに掛けようか悩んだ結果、今キッチンの流しの前に飾っている。
私の理想ではキッチンには窓があって、そこからお庭の木々や花が眺められたら最高!と思っているので、カレンダーに切り取られたオシャレな暮らしのワンシーンを眺めてウキウキ妄想しながら洗いものをしている。

毎月1枚で構成されているカレンダー。
3月はすてきな木のトレーに桜茶が3つ淹れてある上からの俯瞰の写真だった。
1ヶ月間この写真を見ながら過ごして、4月1日の朝、新しい月にめくった。

4月は、あかるい日差しが降り注ぐテーブルに大きめの透明なティーポット。中にハーブの葉やお花が入っている。その後ろには真っ赤なお花が活けられている。


めくってしばらく写真を眺める。
「すてき・・・」
写真から春を感じる。
気持ちもフレッシュに切り替わる感じ。高揚感。

「あっそうだった、この感じ・・・」

カレンダーを飾らずにいたときは、月が変わるとき、数字が並んだだけのマンスリー手帳を一枚めくるだけだった。
そこには高揚感は特別なく、なんだったら
「あ~~もう〇月!」
とあっという間に過ぎてゆくひと月に焦りのような気持ちも感じていたけれど、お気に入りのカレンダーがあると月の切り替わりがこんなに新鮮でウキウキしていたんだと思い出す。

月替わりの焦りからウキウキへ。

ひと月ひと月の季節を感じるカレンダー。
暮らしにふっと一呼吸、季節を噛みしめる瞬間に出会える。

次の月をめくる。
月初め、今年久しぶりに思い出した私のときめく瞬間だ。






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