ケンちゃんとひざ小僧 ③
するとひざ小僧が
『あっ、大人にはおいらの事見えねぇから、大人の前では話しかけない方がいいぜ』
と言いました。
「え~そうなんだぁ。ゆき先生のビックリするお顔みたかったのに~!ねっ、ケンちゃん?」
ケンちゃんは「う、うん」と返事をしたけれど…
ももちゃんが普通に、おしゃべりしているのに困り顔です。
「ゆき先生。やっぱりひざ小僧ちゃんの事、見えなかったね。」と、ももちゃんが残念そうに言うと
『まぁ、そうゆうもんだからな。』と
ひざ小僧。
「ねぇ、ケンちゃん全然おしゃべりしないね
?」
そう言われたケンちゃんは
「そんな事ないよ…」と小さな声で言いました
。
『まぁ、なれるまではこうゆうもんよ。ケンの態度が普通だぞ。ももが変わってんだ。』
「え~、もも変わってないもん!」と、ほっぺを膨らませてももちゃんは言います。
そして
「あっ、ママだ!ひざ小僧ちゃん、ケンちゃん、また明日ね!バイバ~イ!!」と
手を振ってからママと帰って行きました。
少しして
「ケンちゃーん♪」と呼ぶ声が聞こえます。
「ママ!」ケンちゃんのママがお迎えに来ました。
「ママ、ぼくのおひざ…」
「あら、すりむいてるわね。大丈夫?お友達とたくさん遊んだのかな?元気いっぱいね♪」とママはニコニコして言う。
ケンちゃんは「う、うん」と返事をしただけで…
結局、ひざ小僧の事は言えなかったのです…
つづく。
りんご姫🍎
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