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エンジニア視点でみる「人事データの整理」について

こんにちわ。「なーねこ」です。

こちらは、労務 Advent Calendar 2019 23日目 の記事となります。

はじめに

ベンチャー企業界隈、情シス界隈では最近活動をはじめたため、顔見知りの方も少々増えてまいりました。
人事・労務界隈では初めましての方が多いと思います。
自己紹介はこちらの記事にありますので、お時間がある時にでもみて頂けますと幸いです。

約20年のサラリーマン生活で、システムエンジニアとして仕事をしてきました。その中で、人事に関わった業務が2年間ほどあり、現在も「コーポレートエンジニア」兼「人事」という役割で働かせて頂いております。

経験としては短いのですが、エンジニアベースでの人事業務という中で、人事・労務に関わる社内システムを見る事も多かったため、過去の経験から困った点など、「人事・労務の方が意識しておいて欲しい、人事データの整理について」お話させて頂きます。

人事データではこんな点に気をつけて欲しい!!!!

(1)再入社の人を考慮する
 人事データを分析する時に、「従業員を一意」に識別するため、何かしらのIDが必要となります。だいたいは社員番号です。

ここで問題になるのが、「再入社」を考慮しているかどうか。
何も考えずに社員番号を採番していると、再入社があった際、過去の経歴からデータを分析する場合に、データ整理に時間がかかります。
・社員番号とは別に、「人に対してユニークなIDを振っておく」
・再入社の際は同じ社員番号を利用させる

など、未来を意識しておきましょう。

(2)「苗字」「名前」を分けておく
 実務ですと、人事マスタをエクセルなどでローカルに持っている方も多いのではないでしょうか。そこから、色々なシステムへ登録したりと。。。
この際、「苗字」「名前」を分けて、データ作成しておく事をおすすめします。
苗字と名前の間に「半角空白」を入れて扱いたいときや、「空白を入れたくないとき」など、利用するシステムによって扱いが違うため、元データは加工しやすくしておくのがベストです。
自分は、マスタデータで「苗字」「名前」が一緒のものを扱った事があるため、これは一人ずつ調べて分離するという余計な作業が発生し、大変な思いをしました。

(3)メールアドレスを苗字だけにしない
こちらは、「メールアドレスのIDをどうするか」の話で、情シスのコミュニティでも盛り上がった経験があります。会社さんによってさまざまでした。
「苗字@ドメイン」だけのメールアドレスですと、簡単に想像がつくと思いますが、同姓の方が入社した段階で、詰んでしまいます。
会社が初期の段階から、このあたりの設計も大事です。

だいたいの場合、「苗字.名前」や「苗字_名前」で作成し、同姓同名の場合は通し番号をつける「苗字_名前2」などの対応がありました。

(4)ビジネスネーム、ミドルネームを考慮する
会社の成長とともに、従業員も多様化していくのが一般的かと思います。
従業員が増えると、「結婚して苗字が変わった」「日本人以外の方が入社した」などのイベントが発生してきます。
最近のシステムでは「苗字が変わる事」については対応できるものも増えてきたようです。
しかし、「ミドルネーム」を意識して使えるシステムは、まだ少ない印象です。
自分がとった回避策としては、ミドルネームを苗字と同じ欄に入力し、しのぐという事でした。

(5)データにはユニークなIDを振っておく
人事・労務業務を行っていると、人事マスタ、有給の残数確認、評価、面談結果、健康診断、研修・・・・などなど、人にまつわるデータを管理する事が増えていきます。
それぞれのデータがバラバラのエクセルや、システムで管理されている場合、人の情報と繋ぐための「ユニークなID」となるものは何か、意識してデータを作る事をおすすめします。
しかし、そのユニークなIDが「名前」の場合は注意してください。
同姓同名や、再入社の場合などに、データの整合性がとれなくなってしまいます。(特にエクセルでVLOOKUPしたときなど・・・・)
「半角英数字」で表せる何か(社員番号など)で、ユニークIDをそれぞれのデータに必ず入れるようにしましょう。

(6)セルの結合は使わない
エクセルを利用していると、ついついやってしまうのが、同じ記載(部署名など)を「セルの結合でひとくくり」にする事です。
・見せるデータなのか
・情報として扱うデータなのか

で変わってくるのですが、色々な情報として扱う場合は
セルの結合は一切つかってはいけません(という持論ですが)
同じ値でも、一つずつのセルにきちんと入力しましょう。
データベースへ入れる際や集計をとる際に、結合セルですと困ってしまいますので。

人事・労務関係まわりのシステムについて思う事

少し話題がそれるのですが、最近は人事・労務関係サービスが増えてきました。HRTechが騒がれてから数年。人材管理、人事マスタ、タレント管理、または会計、労務など、様々な領域で立ち上がったサービスが、事業の枠を広げるため、横展開していっているのが現状です。

ここで、自分が1点気にしている事があります。

「情報をエクスポートさせない、サービス利用企業を自社サービスだけに取り込もうとしているサービスが多い印象」

サービス提供側からすると、利用者を取り込むのは当たり前と思うかもしれません。しかし、現場からすと、「この機能はこちらのサービスが優れているが、これはあのサービスを使いたい」という事が、往々にしてあります。

多様化が求められる時代なので、システムの利用も柔軟に、色々と選べる、連携できる、そんな流れが業界に起こるといいなと思っております。

スピード感がとても大事な時代にもかかわらず、他社サービスと自由に連携できるように、APIを公開しているサービスが非常に少なく、自社展開しているサービスでしか情報のやりとりが出来ないという残念なシステムが多い。そんな状況が変わる事を願っております。

最後に

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
人事に関わってきたからこそ、悩んだ点という事を、エンジニア視点で書かせていただきました。
他にも、皆さまが人事労務周りのデータで困った点がありましたら、ぜひ伺いたいです。ツイッターのDMや、こちらの記事のコメント、どこでも構いませんので、ご連絡頂ければ幸いです。

お知らせ

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下記の記事末に参加のリンクがあるため、お知り合いに情シスの方、コーポレートエンジニアの方がいましたら、ぜひ共有頂ければ幸いです。
よろしくお願い致します。




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