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台湾都市間交通の比較

 こんにちはあるいはこんばんは。

 今日は台湾の都市間移動方法について比較してみたいと思います。都市間移動において競争力のある手段は「高鐵」「台鐵(自強号)」「高速バス」「高速道路(自分で運転)」の4つと思います。台湾高鐵の開通までは航空便もあったようですが、現在では国内線は東部便と離島便のみですので、今回は除外します。

1.台湾高鐵

 外国人にとっては最もメジャーな手段と言えるでしょう。日本の高速鉄道を輸出した初めてのケースとして有名です。開通から13年が経過し、車両の老朽化が目立ってきており、更新の動きがあります。また北側終点の南港から宜蘭方面、南側終点の左営から高雄・屏東方面への延伸についても議論されています。

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 メリットはなんといっても速さ・定時性です。台北→台中で45~60分、遅延はほぼないと言っていいでしょう。本数も確保されており(現在は新型コロナの影響で本数が減っていますが)、よほどの繁忙期でなければ行ってすぐ乗れるのも良点です。

 デメリットは運賃が最も高いです。台北→台中で指定席片道700元(約2,500円)となります。とはいえ、日本の新幹線よりはまだ安いです。日本で台北→台中の距離に相当するのは東京→静岡で、料金は6,470円ですから、半分以下と考えれば積極的に利用できる程度です。

 また、もう一つのデメリットとして駅が市街地から遠い点が挙げられます。日本の新幹線の主要駅は市街地にありますが、台湾高鐵は台北を除けば市街地を外して建設されたので、降りてからの移動が手間となります。

2.台鐵(自強号)

 日本で言う在来線に当たるのが台湾鐵路です。自強号はその中でも特急列車に相当し、都市間輸送の性格が強いです。高鐵ができるまでは最速の手段でした。宜蘭や花蓮といった東部方面への輸送では主力を担っています。

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 メリットは速さと運賃のコスパでしょう。台北→台中は最速の普悠瑪号で100分程度です。高鐵と違って台鐵の駅は市の中心部ですので、高鐵駅まで行く時間と手間を考えれば競争力はあります。それでいて料金は375元(約1,350円)と高鐵のほぼ半額です。彰化や豊原など高鐵の駅がない地域からはむしろ優位性をもっています。

 デメリットは先述の普悠瑪号のチケットが取れないことです。西側の大都市を結ぶ普悠瑪号は1日4往復しかありません。あくまでメインは東部都市への輸送なので仕方ないところはあります。普通の自強号もあるのですが、こちらは平均で2時間20分程度かかり、それで同じ運賃です。本数は1時間に1本程度あるのですが、どうしても損してる感があります…

3.高速バス

 あまり知られてないかもしれませんが、台湾は各都市を結ぶ高速バスが頻繁に走っています。それも一社ではなく複数社が料金やサービスでしのぎを削っています。

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 メリットは運賃の安さ。台北→台中で300元(1,250円)前後となります。台鐵と同様市街地発着であるほか、道中で途中下車が可能な便もあるので利便性は更に高いです。また本数もかなり多く、都市間の競合路線では10分に1本以上の頻度で運行されている時間帯もあるほか、一部便は24h運行されています。桃園空港に深夜に着く便でも家に帰ることができます。

 デメリットは交通状況に左右されてしまう定時性のなさ。台北→台中は2時間半程度のこともあれば4時間近くかかることもあります。高速を降りてから渋滞にはまるケースも多々あります。桃園空港に向かうバスなどは余裕を持った便を選ぶことが大切です。

4.高速道路(自分で運転)

 台湾の高速道路は2種類あり、國道(高速公路)と省道(快速公路)があります。國道は全部で10路線あり、奇数番が南北方向、偶数番が東西方向に振られており、距離の長い奇数番は有料のところが多いです。短い偶数番の國道と省道は無料となります。

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 台湾の高速ではe-Tagというシールを自動車に貼付することで料金収受します。インターチェンジ間の道路にetcが設置されており、そこを通過することで後から料金請求が来ます。よってインターチェンジ出口に料金所がありません。このシステムはぜひ日本も見習ってほしい…

 高速料金は日本と比較するとかなり安いです。台北→台中間152kmで158元(570円)。日本では東京→清水の147kmでETC割引で2,810円。高い…

 日本からの旅行者にはハードルが高いかもしれませんが、JAFで免許証の中文翻訳を入手すると台湾で運転することができます。空港や主要駅ではレンタカーを借りることが可能です。私は借りたことがなかったので相場を調べるとiRentで普通のコンパクトで2,200元/日(約8,000円)で借りられるようです。ただレンタカー+高速+ガソリン代となると高鐵より高いです。複数人かつ山間部など公共交通機関で行きづらいところが目的ならば検討の余地はありそうです。

 車を借りる必要のない現地人にとっては、車移動のネックは疲労と駐車のめんどくささですね。

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 あと、日本でいうオービスが結構あるので注意が必要です。↑は私が以前撮られたときの罰金通知です。免停システムはなくて、軽微な交通違反は全て罰金となります。とはいえ、これで3,000元取られましたので結構重い…

まとめ

まとめると…

速さ:高鐵>>台鐵>>バス

定時性:高鐵>台鐵>>>>バス

運賃:バス>台鐵>>>>高鐵

利便性:バス>台鐵>>>>高鐵

快適さ:高鐵>>台鐵>>バス

こんな感じです。台湾旅行で台北から南へ足を伸ばしてみようとお考えの方、参考になれば幸いです。

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