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英語に関してはわたし若い頃からずうずうしかった、そして今思うとそれで良かったという話

日本語の「ずうずうしい」にピッタリくる英語ってどうもないっぽい。brazenとか、impudentいう単語を見たことがあるけど、実際に会話で使ってるのあんまり見たことない。押しつけがましい,押しが強いPushyとか?図太いねーみたいな感じでhave nerveとか。シンプルに失礼だね、rudeとかが近いニュアンスで会話では良く出てくる感じ。


ところで、わたし、英語に関しては若い頃からずうずうしかったなあ…と思う。今思うと冷や汗もののずうずうしさだった。

大学を卒業して最初に入った会社(もう25年前)は国内のメーカーだったんだけど、ある時、見本市みたいなのに会社がブースを出展した。海外からもバイヤーがやってくるやつ。

なんとなく、いつか私、海外に住むかもしれない、とおもって、営業の空き時間に、英語のコソ勉を続けていた、あてはなかったんだけど。

それで、他のスタッフが英語で話しかけられるシーンがあって、ちょっとマゴマゴっとした感じだったんだよね、そしたらすかさず「何かお困りですか」的な感じでスッと首を突っ込んだ、自分。
あんまりしゃべれなかったのに、ようやるわ、だ。
マゴマゴしてた先輩はシュっと私に後を任せて消えた。

だって。周りの人がしゃべれないなら、バレない。相対的に、私のほうがちょっとでもできるなら、堂々としてる分だけ「まるで英語できる人のテイ」になる。それで、次の日からは「外人さんがきたらあいつにまわせ」ということになった。

その後、人材紹介企業に営業職で転職した(22年前)。その会社も当時はドメスティックな会社だった。またしてもわたしは「英語ができる人のテイ」を決め込んだ。そして「わたし、外資系の企業を開拓しますー!!」と表明した。その当時の社内では外資系開拓を本腰入れてやってなかったのと、ちょうどスターバックスだとかアメリカのいろんなブランドが日本に進出をしてくる時期とが重なって、ちょっと面白そうだったのだ。そして、もしも開拓できなかったって、怒られやしない、だって、他の誰もやってない。わたしの英語のせいなのかなんなのかだって、分からんだろう。

今も覚えているけど、某リテール大手が日本進出する、ということで組織をゼロから立ち上げるというニュースが入ってきた。まだ社員ゼロ、フランス人の社長が一人っきりで、小さなレンタルオフィスを借りて日本にやっと着任したところ。その社長のところににアポイントを取ってプレゼンに出かけた。

その10年ほどのちに、30半ばになってから、その時使った自分のパワポを見返すことがあった。卒倒するかと思った、英語めっちゃくちゃすぎて。あんなに意気揚々と乗り込んでいったのに。

でも、その時のフランス人の社長にしてみれば、25のお姉ちゃんがとりあえずへたくそでもなんでも、オレになんか言いたいことがある!と言ってアポ取ってやってきて、オレの日本支社立ち上げを手伝いたいと言ってる、それが分かってもらえたらよかったし、それは実現したのだった。その会社にはずいぶん人材を送り込んだ。

その間も、私は、いつかわたしは海外に住むことになるような気がして、地味に、休みやすみでも英語の勉強を続けていた。

出来ないのに「できます!」と言い張った22歳とか25歳のころの自分。とにかく周りが、勘ちがいだろうが何だろうが、「あいつ英語できるっぽい」と(誤)認識されてでも言い切る図々しさと、辻褄合わせ力でなんとかしようとした。あの頃の自分がなかったら、きっといま私はアメリカに住んでないだろう。


たいがいの英語に関する恥もかいたし、失敗もしたし、言ってることわからない、ていうか言ってること通じない、一人だけ場から取り残されたみたい、ジョークが一つも笑えない、日本に帰りたい、そういう思いに駆られた日々を経て、48歳になった今日もいまだに毎日英単語を調べている。

アメリカ人の夫がいても英語が上手くなるわけではない。やっぱり自分で振舞ってる「英語ができる人のテイ」が、なんぼのもんかは一番自分が分かっている。だから、「本当の自分」をちょっとでもそっちに、昨日より一ミリでも近づけたい、そう思って、毎日いまでも英単語を検索しまくる。


これを読んでくれたあなたはきっと語学学習をしている人だと思う。
あなたが20代でも、40代でも、80代でも、最後まで読んでくれてありがとう。そして、みんないろんな環境にあると思う。もしかしたら、周りが英語できる人だらけで委縮するような環境とか、英語の間違いをねちねち指摘してくる上司とか。でも、いくつになっても図々しく、前に出ばってしゃべっていこうじゃないか。多少通じなくっても、誤解があっても、なんつっても私たちは日本語は完璧ネイティブなんだから、ひけめ感じるいわれはないんだもん。

語学学習は永遠に続くけど、頑張ろう!!



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