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微分的幸福、積分的幸福

久しぶりにタイトルのインパクトで買った本。

絶対悲観主義。

タイトルにある絶対悲観主義とはざっくり言えば、何かに取り組む前には結果に期待しないでおくという考え方で、あらかじめ悲観的に考えておけば、がっかりもしないし、傷つかないだろうということだ。
そもそも思った通りにうまくいくことなんてあんまりないわけだし、もしも逆にうまくいったら物凄くうれしいよね、というある種、脱力系の考え方だ。

本の中でもっとも印象に残っているのは幸せに対する考え方だった。

著者曰く、人間は微分的に幸福を感じるタイプと積分的に幸福を感じるタイプの二つに分けられるとのこと。

微分的な人とは直前と現在の変化の大きさに幸せを感じるタイプで、「イベント」的に幸福を感じる。

微分的な幸福は仕事で言えば評価が上がったとか昇進・昇給したといった類。しかしながら微分的な幸福はその時は大きく高揚しても、人間なので、例えば昇進で言えばその待遇とか権力にはすぐに慣れてしまうし、イベント的なので残念ながら毎日起こらない。そして次の変化はもっと大きなものでないと満足できない。

なんとなく疲れそうな生き方に思える。

一方の積分的な人はその時点の変化の大きさでなくて、経験した大小の幸せを過去から累積した総量に幸せを感じるタイプ。思い出の中に幸せを見出せる。

例えば子育てのようにやっているときは大変でも、数年たって振り返ってみれば、いくつもの幸せが積み重なっていることに幸福を感じる。(筋トレとかもそうかな・・・、ちがうか)

絶賛子育て中の自分としては子育てが終わった後に積分的な幸福を感じたいな、と思うし、積分的なタイプでありたいと思う。





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