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世の中にはスローガンがたくさんある。そのスローガンを具体的な行動目標に落とし込まない限り、それはただの掛け声に終わってしまう。;「後悔」の哲学、三木谷浩史を中心に(4/4)


「世の中には、スローガンがたくさんある。スローガンの内容そのものは間違っていなくても、そのスローガンを具体的な行動目標に落し込まない限り、それはただの掛け声に終わってしまう。」

「夢を抱くだけでは意味がないのだ。夢を具体的な目標に組み立て直し、その目標を達成するには具体的に何をしなければならないかを考え抜き、そしてその考え抜いたことを実際にひとつずつ成し遂げていく。自分の持っているすべての能力、才能も体力も忍耐力も何もかも、すべてをかけてそのことに取り組む。何年かかるかは別として、それで実現できない夢などあるはずがないし、また、そこまでやってはじめて、夢を見る意味があるのだと思う」

三木谷自身、具体化された目標を数値で管理することを徹底している。楽天の経営陣は、毎朝、全事業のパフォーマンスを「Daily KPI Report」という日報で共有しているのだ。そこには、昨日、当月累計の流通総額から、各ジャンルの流通総額、マーケティング関連の部署の新規顧客、既存顧客、楽天スーパーポイントの利用状況等、さまざまな指標が含まれている。それぞれが日次目標に対してどうか、昨年対比でどうかなどが記載されているという。三木谷は、毎朝その日報のチェックから1日を始める。全事業の数字に目を通し、おかしなところがあればどんどん指示を出していくのだ。

具体化された目標は、数値で表される。そして、三木谷はその数値で表された目標を、少し無茶な数字に設定することを重視している。

「生ぬるい目標を掲げていては、人も組織も育たない。少し無茶なくらいの発想、いわば『ちょい無茶』が、人材育成にとって大事ではないかと思う」

「組織にストレスをかけるのは、リーダーの役割だと思っている」

三木谷は、人も組織も成長するためには、少しストレッチした目標が必要だと考えている。ストレスのない快適な領域(コンフォートゾーン)から一歩踏み出すことで、初めて成長が始まるのだ。

三木谷の「具体化、ストレッチ」の哲学は、目標を具体的に数値化し、それを少し無理のある数字に設定することの大切さを説いている。具体的な目標があれば、そこに向かって努力する方向性が明確になる。そして、少し背伸びした目標に挑戦することで、個人も組織も成長することができるのだ。

ただし、無茶な目標を設定すればいいというわけではない。あくまでも「ちょい無茶」であることが重要だ。現実的な目標と、理想的な目標のバランスを取ることが、リーダーには求められる。

「具体化、ストレッチ」の哲学は、私たち一人一人がビジネスや人生において、具体的な目標を持ち、そこに少し背伸びして挑戦することの大切さを教えてくれる。自分の限界を少し超えるところに、成長のチャンスが待っているのだ。


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