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ゲームの本質とは何か。それは目標の設定とその達成だ;「後悔」の哲学、三木谷浩史を中心に(3/4)

「ゲームの本質とは何か。それは目標の設定とその達成だ」

三木谷自身、幼い頃から目標達成への強い意識を持っていた。小学校の授業参観で「つるかめ算」の演習をした際、彼は公式を使わず"手計算"で板書した。正解したものの、教師から無視されたというエピソードがある。しかし、彼の親はこれをみて安心したのだという。この子は物事の本質を見抜ける子であると。つるかめ算の公式はあくまで手段であり、ゴールは答えを導くことなのだから。

これは、スタートアップ企業のMVP(Minimum Viable Product;必要最低限の価値を提供できるプロダクト)開発において、通常自動化される部分を人間が手動で行う「オズの魔法使い」という手法に通じるものがある。サービスや製品を提供する際の工程の一部を、システムではなく人間が手動で行うことで、提供する価値があるかどうかを確認し、必要な改善点を見つけ出すのだ。

小学生の三木谷は、既存の方法にとらわれることなく、ゴールへの到達を最優先した。最短距離を走ることよりも、何がなんでもゴールにたどり着くことが重要なのだ。たとえ泥臭い方法でも、ゴールを目指して全力を尽くす。そこにこそ、人生の醍醐味があると三木谷は考えているのだ。

「目標のない組織がダメなのは、そこに達成する喜びがないからだ」

組織において、目標設定は単なる手続きではなく、成功への重要な第一歩である。明確で具体的な目標は、チーム全体に共通の方向性を提供し、各メンバーの努力を統合する役割を果たす。目標はまた、成果を測定し、進捗を追跡するための基準となる。

「人間は目標を決めた当初は一生懸命頑張るけれど、放っておけば時間の経過とともに意欲が低下してしまう。それはある程度は仕方がないことだ。だから僕は毎週朝会を開く。朝会は日々改善するという目標を再確認するためのひとつの仕組みなのだ。」

一方、個人レベルでは、意欲の維持が極めて重要となる。内発的なモチベーションは、日々の業務における熱意とエネルギーの源泉となります。これを失わないために、組織としての目標を毎週確認するための朝会を開くのだという。これにより、個人が困難に直面した際に前進し続けるための原動力となり、最終的に、組織の目標と個人の意欲は密接に結びついていく。組織が明確なビジョンと目標を設定することで、個人は自らの貢献が大きな目的につながっていると感じ、モチベーションを高めることができる。

三木谷の「ゴール志向」の哲学は、明確な目標を設定し、それに向かって全力で努力することの大切さを説いている。目標があれば、そこに向かって努力する意味が生まれる。そして、目標を達成する喜びが、個人や組織を動かす原動力になるのだ。

「ゴール志向」の哲学は、私たち一人一人がビジネスや人生において、明確な目標を持つことの大切さを教えてくれる。目標に向かって全力で努力し、達成する喜びを味わう。そのサイクルを繰り返すことで、私たちは成長し続けることができるのだ。


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