考えるために行動する；「後悔」の哲学、三木谷浩史を中心に（2/4）

三木谷浩史は、「後悔しないこと」を何よりも大切にしていた。そのためには、全力で努力し、汗をかくことが不可欠だと考えていた。

「高級スーツに身を包み、気取って話をするより、汗をかきながらでも一生懸命に話をした方が相手がよく聞いてくれることを、僕は経験から学んだ」

楽天市場を立ち上げた当初、三木谷はデモ版を作ってみて、ネット上でモノを買う面白さが表現できると確信した。しかし、当時はまだネットが普及していなかったため、誰にも理解してもらえなかった。そこで三木谷は、雑誌に載っているお店に片っ端から電話をかけ、アポを取って訪問する「ドブ板営業」に飛び回る日々を送った。

アポが取れると、汗をたらし、息を切らして走って駆けつけ、必死にネットショップの説明をした。お店の経営者も、ハーバード大出のエリートの熱血漢ぶりに驚いたという。文字通り汗水を垂らしながら契約を徐々に獲得していったのだ。

三木谷は、相手に真剣に向き合い、全力で説明することの大切さを説いている。仕事に全力で取り組むことは、三木谷にとって楽しみであり、やりがいでもあるのだ。

「行動するために考える」、そう考えるのが間違いの元。「考えるために行動する」、そう考えればいい」

三木谷は、行動することの重要性を強調しつつ、考えることも軽視していない。むしろ、行動と思考のバランスが大切だと説いているのだ。まず行動することで、現実の課題や可能性を直接体感する。そこから得られた気づきや教訓を基に、じっくりと考えを深めていく。このサイクルを繰り返すことで、より良い行動につなげていくことができるのだ。つまり、三木谷にとって、汗をかくことは思考のための重要な糧なのである。

三木谷の「汗をかく」哲学は、行動することの大切さを説いている。考えるだけでなく、実際に体を動かし、全力で努力する。そうすることで、初めて成果を生み出すことができる。たとえ失敗しても、そこから学ぶことができれば、それは決して無駄にはならない。

三木谷の「汗をかく」哲学は、行動することの大切さを説いている。しかし、その行動は、常に相手のことを考えたものでなければならない。一方的な行動では、かえって相手を不快にさせてしまうこともある。「汗をかく」ことの大切さを説きつつ、相手の立場に立って考える姿勢も忘れてはならないのだ。