ヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOWー光の破片をつかまえる」岩井優さんの《彗星たち》に参加しました ＃後編
◆前編のお話◆
岩井優さんの《彗星たち》の第１回ワークショップで紙袋マスクをカスタマイズし清掃アクションに参加した私。Moiの岩間さんとハラダさんに撮影とストーリー構想に協力してもらい、ふたたび第３回ワークショップへ参加することにしました。
山深い集落で人間と助けあって暮らしていた昔のクママスク族の姿に戻らせてみよう。
第３回・紙袋マスク制作のオンライン会に参加し、“みみずく土偶”みたいな姿を目指しカスタマイズです。
こちら東京国立博物館にて私が撮影した“みみずく土偶”。かわいくてパワフル。ためいき。
そしてカスタマイズした、
クママスクです！
頭のモコモコは緩衝材です。髪飾りと左右の飾り（イヤリングのイメージ）は、アイスクリームやお菓子の箱を切り抜いて作りました。クママスク族の"本来の姿"を想像し、髪の毛はかなり増やしました。
９月の初め、岩間さんとハラダさんおすすめの緑豊かな公園で清掃アクション。写真はお二人に撮っていただきました。
前回の清掃活動はオフィス街にある都庁のみえる公園にて行い、アスファルト舗装の道でほうきを動かしていました。
今回は、草が生えている、又は木々の間の落ち葉が積み重なった場所です。
「落ち葉はゴミであるのか、ちがうのか」胸の中にある問いと、山深いところで生活していたクママスク族・・・自然ともっと近いところにいた人の暮らしにも想いを馳せてみようという試み。
ほうきを動かして初めて思ったのですが、土の上でほうきの力はとても強いのです。とくに落ち葉の上を掃いたときに感じたことでした。
ほうきのわずかな動きで落ち葉がめくり寄せられ、その下にいた小さな虫たちが驚いて動き回っている姿がみえます。体を半分なくした蝉やスズメバチの亡骸もあったりします。途中でほうきを使うことがこの世界ではふさわしくないような気がして、手で落ち葉や木の枝を拾うことにしました。
当たり前だと言えばそうなのですが、自然の中で生まれたもの・・・落ち葉や木の枝はゴミではないと、すとんと実感したのでした。
ゴミか、ゴミではないか。今回の清掃アクション後の《彗星たち》オンラインミーティングでも話題になりました。ほかの内容の話にも参加された皆さんや岩井さんの想いは、簡単に白黒つけられないことがたくさんあり、私の中で考えていきたいことが多かったです。紙袋マスクもゴミになるはずだったもので飾られ、唯一のものになっています。
《彗星たち》で清掃アクションをしたこと、そのことを話し合ったことはほんとうに貴重な体験でした。
どんぐりなどの木の実も拾いました。
虫カゴいっぱいに集まっているのですが、これにはちょっとした裏話が・・・ひとりで集めたものではないのです。
清掃アクションを行ったのは、まだ夏の暑さが残っていて秋の涼しさが始まる直前のような日でした。落ちているどんぐりの数が予想していたよりも少ない。
「どうせなら虫カゴをどんぐりでいっぱいにしたいよね」
「けれども、そんなにどんぐりを集めることができるかな」
岩間さんとハラダさんも一緒にどんぐりを探してくれて、５分くらいたったころでしょうか。ふいに一人のおじいさんがやってきて、両手いっぱいのどんぐりをくれたのでした！しかも二回も！！さらにどんぐりがたくさん落ちている場所も教えてくれたのでした。行ってみたものの、残念ながら、おじいさんのように大量のどんぐりを見つけることができませんでしたが、すでに虫カゴはおじいさんがくれたものだけでいっぱいになっていたのでした。
あのおじいさんは、どんぐりトントゥ（フィンランド語で妖精の意味）に違いない、というのが三人の見解です。キートス！
そんなどんぐりですが、最後に木の根元に返しました。あつめた落ち葉や枝も拾った場所に返しました。自然に、戻るようにしたかったのです。
木の根元にどんぐりを山にして置いたのは｢子どもがみつけたら、よろこぶかも｣という岩間さんのアイデアです。どんぐりトントゥのおじいさんもよろこんでくれる、きっと。
以上で清掃アクション終了です。
今回の公園は子どもたちも多いので、クママスク姿に興味を示して話かけてくれるかもしれないので、紙袋マスクの下にはしっかりマスクをつけていました。暑いが我慢です。クママスクの写真をよくみると、目の穴からマスクが見えていますよね。
が、子どもたち、だれも来てくれない。
とくに怖がっている子もおらず「ああ。こんな生き物もいるよね」という反応だったのでした。
クママスク、風景に馴染んでいる？
岩間さん、ハラダさん、ありがとうございました。
そしてクママスクもMoiの手ぬぐいを愛用しています。手ぬぐいはMoiのホームページより購入できます。感謝の気持ちで、ほんのすこしの宣伝でした。