【続】「かわいそ笑」を読んだよって話
どうも こんばんわ Nsoon です。
引用記事 の続きとなります。
何の話してるの? って方は是非とも前回の記事をご覧ください。
※本記事は 「かわいそ笑」のネタバレになる可能性があります。
なるべく抵触しないように記載しますが気になる方は
「かわいそ笑」を読んでからの閲読をお勧めします。
かわいそ笑 ?
前回の記事で 梨さん の魅力を早々と語りつくした私は
梅雨真っ只中の鬱蒼とした夜 とあるTwitter に目を奪われました。
もう大歓喜。えっ?まじ? と心の中で何度も喜びました。
電車内で体をくねくねさせながら喜ぶ私を見て、
隣に座ってた人はさぞ奇怪な目で見ていたことでしょう。
そんな喜びを表すかのようなリプが下記になります。
前おきはいいんだよ
全五章に構成された作品になるのですが、第一章の時点で
「あっ これ読み進めたらあかんやつや…」と初めて手が止まりました。
いくつかホラー作品はよんだこともありますし、
読んだら呪われる系の作品も沢山読んできました。
それでも 本作 は 読み進めることを身体が拒否するのです。
呪われることなんて無いと分かっているのに。
「かわいそ笑」は 見ている読んでいる手や身体、
心臓にまで冷や汗を搔いているかのような感覚に陥ります。
皆さんは一時期Twitterで話題になった「呪詛」と呼ばれる映画作品をご存じでしょうか?
(ネタバレになるので、内容詳細は伏せますが間違いなく嫌な気分を味わえる作品です。ホラー好きなら是非)
「呪詛」は呪いを主に取り扱った作品です。
娘に降りかかった呪いを解くために奮闘する女性を取り扱った作品
「かわいそ笑」も呪いを取り扱っていますが系統が違います。
はたまた呪いと呼んでもいいものなのか分かりません。
でも考察しようとしても、もう一週しようと思えません。
嫌だから。
なにがこわいん
先ほど「嫌な」と書きましたが実際には「厭な」です。
不快・不気味
まるで部屋の角に人なんていないのに人が居るような感覚に陥る
部屋の隙間から誰かに見られている、家の前に誰かいる
暗い夜道の真ん中にいるのは?こっちを見ている
そんな気味悪さという言葉だけでは表現が出来ない体験ができるでしょう。
インターネット黎明期のホラー
少し話は変わりますが、
梨さんの作品で「てうぶく」と呼ばれる作品があります
こちらは 掲示板ベース で物語が進み、あたかも自分も参加しているかのような雰囲気、じわじわ浸食してくるような 恐怖感 を感じ取れる作品です
洒落怖 や 某掲示板 を読みなれている方なら 既視感 のある画面ですよね
「かわいそ笑」も上記のような インターネット黎明期 である mixi 同人ブログ 二次創作などが流行っていた 2000年代初頭ごろに起きた怪異を主に取り扱っています
特に「おつかれさま」と呼ばれる 洒落怖 は本作と通ずるものを感じます。
(調べることはお勧めしません。)
さらにTwitterで少し流れていたので見た方もいらっしゃるかもしれませんが、本作の見開きでは とある「QRコード」が添付されています。
恐らく本作を読み進めていないと、なにこれ??ってなる方大勢でしょう
こういったギミック SNS いま私たちと身近になっているインターネットを絡めながら話が進んでいきます。
梨さんの 作品の特徴 として 私たちが体験しうる可能性がある怪談を
霊 や 妖怪 だといった類ではない 想像しやすい何者か を 脳内で生成させることが 一番上手 だと思います。
私たち が 何をされる と 嫌なのか。
「かわいそ笑」では、そんな 身近にある怪異 を味わえます。
よみおえたら
私はたかがホラー小説だと、舐めきっていました。
だから読み終えた後の自分のとる行動全てに恐れることになりました。
暗い部屋にいる時も、音楽を聴くときも、お風呂に入る時も。
本作に関しては 本を閉じる頻度多かったでしょう。
手が震えることはないけど、心の底から何かが這い上がってくるのです。
でも逃げ場はないので一点を見つめていたのだと思います。
心地よい読後感などは味わえません
じっとりねっとり纏わりつくような厭な恐怖を感じられます。
少なくとも私の近くに、この作品を置いていたいとおもえませんでした。
私たち の 身近にある怪異 を梨さんは「依談」と呼んでいます。
そこに 依るだけの怪異 として。
そこに依るだけの怪異 を 私たちが身近に感じられるのは何故なんでしょうか。
好奇心 / 想像力 があるから。それとも様々なことを知り尽くしているから。
理由は私には分かりませんが、もう感じたくないものを感じたいを思うことは可笑しなことではないと思います。
もし「依談」が気になった人は私の 以前の記事 を読んでみてください。
梨さんのその他の作品でも きっと依るだけの怪異 が私たちに 寄り添ってくれることでしょう。
沢山読んで沼にハマったような感覚に陥ってみてください。
そしたらみんなでかわいそだとおもってあげましょう
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?