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百合好きでもオメガバースを理解したい/『嫌いでいさせて』読書メモ


百合界に電撃走る



みなさん、百合オメガバースしてますか?
好評を博した2023年夏アニメ『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』の謎多きキャラクター・豊川祥子のオメガ女性説に全ベットし、破産申請をしたひとも多いのではないでしょうか。

現実をみると、わたしたちが百合オメガバースを目にする機会はかぎられていることでしょう。
多くの支持を獲得し、商業出版された作品が多数存在するオメガバースBLとちがい、百合ジャンルのオメガバースは二次創作がほとんどを占めています。

2023年10月、百合ノベルゲームブランド・SukeraSomeroよりプレスリリースされたオメガバース百合ロマンスゲーム『リップ・トリップ~編集長(ボス)はわたしの解熱剤~』は福音ともよべる報せであり、同時にオメガバースから無縁でいた百合ファンにとって危機感をもたらすものでもありました。

わたしたちはオメガバースのことをなにも知らない。
なぜオメガバースは百合ジャンルで流行っていないのだろう。
商業百合オメガバースノベルゲームと相対するにあたって必要な心がまえとはなにか。
あるいは、もし自分がオメガであることが発覚したときの対処を知りたくなった人間も。

幸運なことに、わたしの電子本棚にはいつの間にか購入されていたオメガバースBLマンガが数点ありました。
人が本をえらぶのではなく、本が人をえらぶように。
(無意識のうちに……とかではなく、マジで数年前に購入されていた。未来視か? )

本稿は商業出版されたオメガバースBLマンガ『嫌いでいさせて』最新5巻(2023年10月現在)までの読書記録となります。

脳直で書いたため読むにたえない可能性あり。鬼乱文注意。
また、題材が題材だけに、性にまつわる表現が多めです。
学術的??? な範疇かとおもわれますが、ご注意ください。








『嫌いでいさせて』をよむ


表紙とあらすじだけの第一印象


『嫌いでいさせて (ビーボーイオメガバースコミックス)』
〈ひじき〉(リブレ)

Ωの雫斗(なおと)は一人娘のしずくと暮らすシングルマザー。娘を愛する雫斗だが、αに対するトラウマは根深く、番は作らないと決めていた。しかし、むりやり参加させられた婚活パーティーで雫斗を「運命の番」だと言うαが現れる。その場は逃げ帰ったものの、後日新しい勤め先で学校制服姿の件のα・葉月と出くわして!?
単行本描き下ろしはその後のラブラブ孕ませエッチ&電子限定描き下ろしマンガ1Pを収録!

同上

娘さんいるんだ。かわいいね~。
BLカップルの子どもだと男の子が多いのかなあとおもったけど女の子なんだ。
百合作品だと女性カップルの子どもは女の子が定番な気がする。染色体的にも女の子しか生まれないし。精子提供みたいな現実的手段だとちがうけど。
現実の男女を対象にしたアンケートで、男性は子どもの性別を気にしないけど、女性は女の子をのぞんでいるみたいな集計をみたことあるような気がする。
でも女性カップルの間に生まれた男子校の姫概念(ヘアピンバチバチ・高身長)をあきらめたくない。

シングルマザー!? あくまで母親なんだ。
百合作品はママとママ表記が基本なのでけっこう意外。女性ふたりに対してパパとママって言わないもんな。王子様系だったらいうか?
もしかしたら自分で孕んで出産したのが大事だったりするんだろうか。男は産まれてきた子がほんとうに自分と血のつながりがあるのかわからないけど、母親は体で理解しているから。

トラウマってことはレイプされたってことかな。やっぱり無差別にアルファを欲情させてしまうから大変なんだろうな。社会的地位が低いらしいから告発もしにくいだろうし。

ラブラブ孕ませエッチ……。【興味があります】
っていうかネタバレか!? もしかしたら本編ではまだいがみあってるけどみなさんだけ特別に……みたいな感じかもしれない。

表紙で主人公と相方を映すんじゃなくて、相方の顔をぼかすってのはめずらしいね。百合好き視点でいうと。
BLと百合マンガ表紙を対比させて統計とった論文があるけど、有意な差がみとめられるらしい。
百合マンガの表紙はやっぱりふたりをきちんと映したものがおおい。
これは自分の感覚になるが、ただ向かいあってないとダメというわけではなく、商業だとカメラ目線が多いはず。たぶん。
ひとりだけの表紙もあります。

シーツをかぶって外界から隠れるような構図。背景もあかるいし、強い光も下ろされている。
んでもって相手はスーツをびっしり着てるけど、母子(この表記でええんか)はパジャマと。
昼間なのに引きこもってるみたいな? むりやり婚活パーティに参加させられたって書いてあるし。

なんにせよ、BLマンガの表紙に女の子がいるってだけで「手にとってみようかな~」気持ちになれるかも。フシギダネ。


冒頭・試し読み公開部分


著者コメント。扉絵。目次。
オメガバースの解説。かなりしっかり書いてある。

本書で紹介する設定はビーボーイ発行のオメガバースシリーズに共通する世界観であり、オリジナルの解釈を含んだものとなっている。

同上

へー。作品だけじゃなく、アンソロジー雑誌?でいいのかな。雑誌単位で共通した設定なんだ。
ちなみに本記事ではオメガバースの解説はしてないけど、まあネットに解説記事いっぱいあるし。めんどくさいし。

人口の割合!
β > α > Ω の順で、いちばん人口が多いのはベータ女。いちばん少ないのはオメガ男。
ベータ男性がいちばん多いわけではないし、オメガ女性がいちばん少ないわけではない。
アルファとオメガで有意差あるんだね。”≧”表記ではない。番がみつからないアルファもいるってことか。まあふつうに女性と子どもつくればいいわけでそんなに困ることではない。
むしろアルファが多くないとオメガが困りそう。そうでもないか。番いシステムがある以上、ほかの個体よりも優先されそうだ。

ベータ男性が多くなく、オメガ男性も少ない。
相対的にアルファ男性が多いということか。アルファ女性は少ない?
ここで気になるのは暗数。現実の価値観からするとアルファ男性はカミングアウトがしやすそう。というか隠すものでもないような。
でもアルファ女性は明かせるかな? じつはアルファ男女はおなじ割合だけど……みたいな。さすがに穿ちすぎ?
たぶんオメガ男性も同じじゃないかな。オメガ女性より打ちあけづらい。勝手な想像。
ただこれらの推測は全体の男女比が五分五分じゃないとダメ。さっきもいったように、女性同士だと女性しか生まれない。なので男性がそもそも少ない説もある。

10歳以降、強制的に学校で検査する。
いじめのきっかけになるんで隠すことを許されてるけど、公式書類にはちゃんと書かないといけないらしい。
なんで? とおもったが、アルファが器質的に有能だから格差優遇が存在してしまうんだな。世知辛い。

オメガの発情 & 妊娠をおさえるピル。 脳への副作用がある。マジ!?
副作用のかるい薬の開発が進められている……。でも人口が少ない性別への福祉って日進月歩なんだよなあ。



本編。

”古賀 しずく(5)”。 かわいいね。
5歳が朝ごはん手づくりしてるの!? マジか。
まあでも母子家庭の子どもはなあ……。いろいろと大変だよね。

”古賀 雫斗(21)”。「なおと」と読む。
16歳のときに産んだのか……。高校生じゃん。もしかして中退……?

忘れ物チェック。しっかりとした受けこたえ。
通園バスまでの道のり。むしろお母さんが引きずられる。
そこへ颯爽と陰口を叩くモブお母さんズ。もちろん性別の話。
娘はムッ……となるけど、言いかえすのではなく、ママに元気なことをアピールする。

親がどう反応してほしいのか理解してる子だ……。
さいきんヤングケアラーの作品をよくみるせいでこの時点でつらい。
ひとり親の子って不相応に大人になってしまうんだよな。そもそも朝ごはん自分でつくるって。
というか親の性別をいじられてムッっとなってるので、そういう性差別的な感情を多少なりとも理解してるってことだよね。ツラ~。

主人公と母親との電話。
6回連続で面接に落ちてるらしい。オメガってだけで門前払い。

どうでもいいけど履歴書欄の表記が
男(α・β・Ω)
女(α・β・Ω)
なの面白いね。

  男・女
(α・β・Ω)
じゃダメなんだ。

あといわゆる第三の性、その他がない。まあこれは現実でもあるほうがめずらしい。

ヒート(発情期)の時、ほかの社員を誘惑するからダメって話らしいけど、アルファが多い職場ってことなのかな?
あるいは性知識が浸透してなくて、ベータも誘惑するものだとおもわれている可能性も。
ふつうにベータも誘惑するって冒頭の解説に書いてありました……。

母親との関係性は良好そうだけど、急に婚活パーティに行くことを命じられる。なんでやねん。

高級ホテルでの婚活になるけど、位の高い婚活パーティって職歴・学歴で足切りがあるとこ多そう。
あるいはΩは特別優遇されてたりとか? もの好きなアルファ主催だったりね。

番を見つけないかぎり、まわりのひとを誘惑してしまうから早めに見つけたほうがいいよ。母親談。
たしかにそれはそう。っていうかなんなら就職の要件に「オメガの場合、番が存在すること」って書いてありそうなんだよな。
現実の旧結婚観とは別の方向から、結婚への圧力がある。
オメガはオメガでも番のいないオメガへの差別のほうがキツそう。
わりと庶民でも許嫁が流行ってる世界もあったりしそう。若いころから番わせたり。マッチングアプリがあったりとか。

ここで少しひっかかるのが、主人公の母親はアルファ女性との番を想定してるっぽいとこ。
べつにアルファ女性とでもいいけど、その場合どっちが産むんだろうね。
オメガ男性のよわよわ精子では強い女を受精させることはできないんじゃないか!? エロ同人の読みすぎ!?
こういう特殊な性が存在する世界でも異性との恋愛結婚が標準になってるっぽいのは不思議。それだけオメガが少ないってことかな。

母親との会話で気になるのが、お年を召されてるようにも見えるのにスーツをしっかり着込んでるとこ。
少なくともオメガ男性の息子と孫を支援できるくらい稼いでるんだろうか。共働き? 父親が出てこないのでこっちもひとり親か。
気苦労で老けてるだけかもしれない。お気の毒に……。

オメガの自分が産んだ子を愛してくれる番なんているわけがない、と主人公。
子どもを愛してくれるかどうかの心配ばかりで、自分が愛されるかどうかは心配していない。
自分は愛されるような存在ではないと決めつけている? 自己評価が低いひとにありがちなバイアスだ。

運命の番、登場。しかし不穏。
百合マンガとか乙女系だとここでめっちゃ花とか飛びそうなんだけど、そういうのは一切ない。めちゃくちゃ怖い顔してる。

最新刊まで読んだ筆者からすると、この演出は一貫性があるなあと感じた。
この作品だとオメガは運命の番にであっても特別な反応はないらしい。
アルファにだけ運命の番であることがわかる。だからオメガ目線だとめちゃくちゃこわい。

強面でせまってくるアルファ男をみて、過去のレイプ被害を思いだす主人公、婚活パーティから逃亡する。
性被害をうけた女性の話などをよむと、性欲に突き動かされている男性の表情が印象づけられてたりする。
無表情なんだよね。それがすごく怖い。本作でもきちんと描写されている。

ところで、ここまで書いてもまだ冒頭16ページ。解説や目次などを含めてね。
情報の伝達がうまい作家だ。セリフひとつひとつに言外の意味や社会の常識みたいなのが織りこまれてる。
こういうマンガは読んでておもしろいですね。情報量が多いだけではなく、取捨選択がしっかりしていて疲れない。
ただこのペースでひろっていくと記事が間延びするので駆け足に。

回想で妊娠が発覚したときの主人公。「この子はなんにも悪いことしてない」。自分の身にやどった生命をうちすてられないんだな。
親に愛されてそだった子なのだろうか。ここでも父親が出てきてないので、主人公の娘が不相応にしっかり者のように、主人公もそうなのか?

学校の用務員に受かりました。定年退職するアルファ職員に推されたらしい。オメガの奥さんがいて、マイノリティを理解している。
奥さんって書いてあるけど男性の可能性もあるんだよな、この作品のことだと。
オメガということ隠さず履歴書に書くのは勇気がいること。そうだよね。
暗数の話で推測したのとおなじようなことが行われている。

抑制剤常備しとこうね。高校は元気な子がいっぱいだから、と先輩用務員。
まるでどこが見てきたような話ぶりだ。すみません、その話をもう少しくわしく……。

運命の番、再登場。高校生だった。
”土屋葉月(17)”。17歳から婚活パーティいくんだ……。やっぱりお盛んな社会なの!?
男のアルファが嫌いと叫ぶ主人公。でも真顔で口説かれる。赤面。
赤面するとフェロモンが出る! BLマンガらしくなってきたなあ! オイ!!

番がいるアルファにフェロモンは効かないので先輩用務員が助けにくる。聖人だ……。もう付き合っちゃえよ。
運命の番がフェロモンの匂いを嗅いだのに襲ってこないことに気づく主人公。ここテストに出ます(未来視)。

娘に夜更かしを提案するけど「電気代がもったいないから」で断られる主人公。ほんとうに5歳?

ここまでが試し読みで公開されている部分。


1巻総括


アルファ男性、主人公の運命の番・土屋葉月は、性別でひとをみることを軽蔑している。
幼少期にオメガ女性で差別されていたクラスメイトをかばう。そのとき、さすがアルファと褒めそやされたのが気持ちわるかった。
以降はアルファであることを隠し、ベータと偽って生活している。

意外だったのは、アルファでありながら己の性を嫌っているところだろうか。
主人公のフェロモンに誘惑されてもぜったいに襲わない。その耐えかたが痛々しく、自分の腕をおもいっきり噛んで耐えている。
無理やりうなじを噛んで番うのではなく、主人公の苦しみを理解し、人として恋愛したい……とのこと。

個人の印象として、BLマンガの攻めってけっこうガツガツ肉食系のイメージがある。それこそ男の性欲をむきだしにしてガッツリ性行為してる。
でもこのマンガはそういう「有害な男らしさ」というか、男性のためのフェミニズムというか、自分のなかの獣性とどう付きあっていくのか……に目を向けているのがおもしろい。
濡れ場目的でBL作品をよんでる層からすると「はよ抱けーッ!」ってなるかもしれんけど、自分は百合作品でも濡れ場を重視しない人間だし(どちらかというと苦手)、なにかと性行為一辺倒になってしまうBL作品に苦手意識があった。
それらを鑑みると、男性読者としてもよみやすい……むしろ男性のほうが感情移入しやすい作品(たぶん)で、いい意味で裏切られている。
まあでも、性欲と折りあいをつけたいけどつけきれてない紳士っていう萌えかたもあるのかも?

で、肝心のオメガ男性主人公・古賀雫斗のほうはというと……。

そもそもオメガバース自体、格差社会導入を目的としてることは設定段階からわかってた。
ただそれは物語世界の裏側で組成された構造を間借りするだけと想定していて……つまり「アルファは上位カースト・オメガは下位カースト」という構造だけがあって、その社会構造が生成されるまでの性差別はあんまり表出されないだろうな~くらいに身がまえていた。

さいきんの百合マンガだと、女性どうしの恋愛はあたりまえのものとして表現されることが多い。セリフとして表現されるとしても「あっ、女どうしってあるとは聞いてたけどほんとにあるんだ~」くらい。
「女どうし? ありえないよねw」のような差別発言を物語内で出すことは表現者側からも受容者側からも避けられているといっていい。
(もちろんわたしのように、性差別描写に取りくむ作品がすきな受容者・表現者もいることにはいる)

そんな背景もあり、本作でオメガ男性への差別……冒頭の母親コミュニティから投げかけられる「男性の母親」への好機の目はもちろん、おなじオメガである女性から発せられた「ナヨナヨしてる」という軽蔑や「なんで男のアンタが」という批難、つまり「男らしくなさ」への指摘がままあることにおどろいた。
文脈をみれば、前者はオメガ男性、男性経産婦へのまなざしであり、オメガバースあるいは男性妊娠作品に特有のものといえる。
しかし後者はというと、「男性らしさ」を発揮できない男性への揶揄はこうした特殊設定世界に独自のものじゃない。同性愛差別を通りこし、男性にまとわりつく普遍的な問題をつらぬいている。

いわば「弱者男性論」にも回収されるような「弱い男性像」であり、読者層のほとんどが女性であろうBL業界でこのようなキャラ造形がみられるとは、けっこう虚をつかれるところがある(2016年時点で、BLマンガの男性読者の割合は3割くらいらしい。想像以上に多い!)。

この作品のうまいところは子どもがいるところ。
通常、男性による男性へのレイプ被害を考えるとき、憂慮すべきは外傷、そして心の傷などがある。
しかし男性妊娠が可能になってしまうオメガバース世界において……同性愛嫌悪を飛びこえて誘惑してしまうオメガ男性において、受精卵の行くすえが重くのしかかる。
子育て・子連れ描写があるBL作品を検索してみると、やはりというかオメガバース作品が多くをしめる。しかし、十分な祝福のもとにうまれた子どもは多くない(あらすじをざっとみたかんじ)。
生活困窮者としてやり玉にあげられがちなレイプ被害者の母子家庭が、社会の弱者であるオメガ男性像に導入されているとみて差しつかえない……とおもいます。

主役ふたりの印象を総括すると、アルファもオメガも自分の性を恥ずかしいものと認識していて、運命の番にであうことで、みずからの性を受けいれていくようになる。
じゃあこれはふたりだけの物語なのかというとそうでもない。娘もまた渦中にある。
主人公より早くおきて、朝ごはんを用意して……。周囲の感情をよみとって母親を守るように立ちまわる。それをみずから「女の勘」と例えた。
古賀しずくは5歳にして娘というよりも……主人公をケアする母親のようであり、彼女のようでもある。旧来の価値観によっかかっていえば、「女性」にもとめられるロールを異常なまでにこなしている。

大立ちまわりを演じるのは後半部分の、主人公に抜けがけして運命の番へ直談判しにいくシーン。
自分では母親を守りきれないからわたしのかわりに守ってほしい。
そもそも幼少の娘が母親(男親)を守ろうとする、守る必要があること自体がいびつで、彼女にのしかかる責務を感じずにはいられない。
不相応に押しつけられていた役目を運命の番に託すことで、はじめて彼女は「娘」になれるのだろう。

そうして、一家の大黒柱として家庭をささえるアルファを迎えいれることで、たわんでいた家庭環境が「父・母・子」という枠組みに修復されていく。
ひとによっては憎むべきかたちかもしれないし、核家族として批判されるかもしれない。
しかし少なくとも、普遍的なかたちすら許されなかった人間たちが、肩身を寄せあいながら築いたそれを、わたしは旧い価値観として棄却することはできない。




最新5巻までよんで/
オメガバースになにができるか


めっちゃくちゃおもしろかったので秒で5巻まで買ってよみました……。
(続刊の読書メモは記事末尾におまけとしてあります)

正直BLマンガでヤングケアラー気味な父娘家庭の話がよめるとはおもわなかった。
同性で妊娠できる世界をベースにした作品はけっこうあるけど、こんなかんじで育児にまで視点をあてたものはなかなかない(百合好き視点)。
愛の結晶として物語末尾につけたされるトロフィーではなく、キャラクターとしてきちんと描写することではじめて同性妊娠の価値がはっきりするんだなぁ、と感慨がありました。

続刊では、メインのふたりに対比させるかたちで、ほかの人間関係に焦点をあてることが多い。
ほかのアルファオメガ男性カップルとか、オメガ主人公の人妻しぐさに興奮するアルファ男子学生と幼なじみのベータ女性とかね。

百合好き的には(上記とは別の)ベータ女性と幼なじみのアルファ女性の関係がお出しされてうれしかった。
「わたしのほうが先に好きだったのに」じゃん!って後述の読書メモに書いてあるけどたぶん眼鏡が腐ってて、アルファ女性とオメガ男性の幼なじみグループが番っても仲良くしてくれるのか心配だったみたい。バドエン厨はすぐ悪い方向に妄想する。

恋愛マンガってふたりだけの関係にフォーカスしがちだけど、せっかく特殊設定の世界なんだから色んな人間関係がみれるとおもしろいね。この作品は作品内世界がひろく感じられた。

あと、特殊な生理反応をもつアルファオメガに目を向けられがちだけど、オメガバース社会を描くにあたって多数派のベータもまた無視できない存在なんだなあとおもわせられた。
現実世界のわたしたちとおなじようにみえてちがう。アルファオメガが生理的に強力な絆をつくれるかたわらで性をまっとうしなければならない。
2巻以降も性差別描写がたびたび挿入されるけど、同時にアルファ登場人物たちの紳士性も理解できるようになっていくので、どちらかというと一部のアルファと色目をつかうベータによって差別が行使されているんじゃないかな~と、そんな印象。
ある種のないものねだりからくる怨恨のようなものを『嫌いでいさせて』はうまく汲みとってる。
オメガバース世界のベータによる同性愛ってどうなってるんだろう。自分たちの愛が本物なのかめちゃくちゃ悩むんじゃないかな。


商業BLマンガをつうじて「オメガバース」をある程度理解できたところで、最初の疑問にたちかえっていきたい。

百合オメガバースってどうなの? なんで商業作品で流行ってないの? という問いね。
ここで想定したいのは全年齢向け作品でのオメガバース。ことの発端が全年齢向けノベルゲームなため(成人向けパッチもある!! が、それは置いてといて)。

一作品だけよんでオメガバースを語るのもなんなので、ほかにも商業オメガバースBLマンガをいくつか買ってよんでみた。
共通点として見いだせたのは、ほとんどがオメガ男性を主観人物としていることだ。
これに関しては疑問をはさむ余地もないんじゃないかな。なんたってアルファ男性は現実世界の(父権主義的と揶揄される、なかば想像上の)男性とそうかわらない。
同性愛や番システムは両者にかかるものだし、せっかく特殊設定を導入して妄想するなら、いちばん特殊なオメガ男性に目をむけたほうがよい。

(また、そもそもの話として、BLジャンル全体の統計として受け視点が増加中らしい。
エロマンガ統計で有名な牧田翠氏の『BL統計2022』によると、受け視点の割合は58%を占め、増加傾向にある。逆に攻め視点は35%しかない)

門外漢がおおまかに分類してもよいのであれば

  • オメガの烙印をおされた下位カーストの人間がアルファとの関わりあいで愛を育んでいくマンガ

  • 上位カーストにいる人間がオメガであることを曝露される、あるいは曝露におびえるマンガ

の、ふたつに分けられる……気がする。
後者であっても特定のアルファに見初められる流れは変わらない。
得てして、男性性を剥奪された男性か、剥奪におびえる男性を重点に描いている……というと、なんだか邪なイメージになってしまう。

じつのところ、ここで描かれているのは「男性性を毀損された男性」へのフェティシズムだろう(もっと邪では?)。
意識したことがないひとにとっては突拍子もない趣味かもしれない。が、幸いにもわたしの趣味から類似例をひっぱってこれる。

たとえば女装ジャンル。
昨今の女性向けではオシャレに敏感な彼氏や自分らしさを体現するキャラクターとして取りいれられているのをよく見かけるが、一昔前の描写は無理やり女装させられる男の子であふれていた(二昔前だとまた違ったりする)。

また、性転換(TSF)ジャンルもおおよそ似たようものだ。
2023年冬アニメ『お兄ちゃんはおしまい!』放送時に、ジャンル特有の「男性の尊厳を削ぎ、かわいがる」という楽しみかたに気づいたひとびとをみて、わたし自身、当然のものだとおもっていた感性が普遍的でないことにハッとさせられたりした(今更!?)。

そんなかんじで、受けの男性を魅力的にするためオメガバースは最適化されているのだろう。たぶん。
その証拠というのもなんだが、本丸はボーイズラブではあるものの、そのほかの市場でアルファ女性とオメガ男性の組みあわせを確認することができる。こうした男女のオメガバースは女性どうしのそれよりも数がおおく、ある程度の需要が察せられる。
(さらに少数だが、ティーンズラブの領域にてアルファ男性とオメガ女性の組みあわせがあった。今回は深掘りしないが、男性向けの分野では該当がないことを考慮すると、女性読者の願望を反映している側面もあるのかもしれない)

オメガ男性の魅力はわかりました。じゃあ、オメガ女性は?
現実世界とくらべて特殊性はあるか? と問われると……わたしたちは閉口することを強いられる。
妊娠システムが女性たちに背負わされているのは、技術が発達した現代社会であっても変わらぬ事実であるし、性差別的なあつかいも……悲しいながらに頻出する問題といえる。
性被害にあったオメガ男性を主人公とするBL作品があるなかで、そこに自身の性の脆さをかさねてしまう女性読者も散見できた。
オメガバースが「もしも」の世界を空想するための装置なのだとしたら、オメガ女性を取りまく環境は「もしも」とよぶには身近すぎるのだろう。

オメガ男性が不要で、オメガ女性への性差別が生々しいのであれば、それを取りさってしまえばいい。そんな胡乱な考えがよぎる。
はたしてそれはオメガバースと呼べる代物になるだろうか。 

短い物語、あるいは性描写を目的とした作品において、しばしば「オメガバースじゃなくてもいいんじゃない?」とおもわせられる作品にであうことがあった。
生理的衝動により人間どうしのカラダを結びつけたいのであれば、アルコール、媚薬、ラッコ鍋、もしくは場の空気にあてられるか、密着する閉鎖空間、あるいは単純にスケベなカラダをしているだとか、性欲が溜まってたり強かったりするだけでもよい。
女性どうしの子どもを求めるのであれば、iPS細胞のような技術が発展している世界を仮定するだけでもよいし、ときたま腟内の分泌物に着床能力をもたせる作品も見うけられる。手をにぎって一夜を明かしたらコウノトリが運んでくる? 結構。

幸にも不幸にも……上記のふたつを満たす特殊設定として、わたしたちは「両性具有」という概念を知っている。
それは現実での女性人権のかるさを惹起させない。わたしたちはデカすぎる男性器をもつ女性の苦しみを簡単には想像できない。そしてその世界には、受精能力のある男性が(好奇な趣味によって、たまにしか)存在しない。
オメガバースにまつわる無用の長物をそぎおとして代替可能な文化がすでに界隈で流行している……それらと差別化し、なによりも利点を提示することができなければ、あらたな概念を浸透させるのはむずかしい。

件のノベルゲーム『リップ・トリップ~編集長(ボス)はわたしの解熱剤~』では「※本作にはオメガバース設定に伴う両性具有の表現はございません。」という、美しい日本語を目にすることができる。
これに関しては英断といえるだろう。オメガバースにおいてオメガ男性に女性器を付与するようなアプローチは(おそらく)なされていないし、女性どうしの関係において男性の象徴を介在させたくない受容層も存在している。両性具有ジャンルとの差別化もばっちりだ。
ただ、全年齢(R15?)向けなのがやはりネック。オメガバース設定の本命ともいえる性行為描写のほとんどが検閲のさきに消えてしまう(成人向けパッチも「ちょっとエッチな」という慎ましやかな形容詞に包まれている)。
そうしたなかで、オメガバースを導入するに値する表現、受容者にとってオメガバースという耳慣れない文化を受けいれるに値するだけの「なにか」がなければ、「異文化導入に善処した意欲作」という評に下ってしまうかもしれない。

(あまり言及しなかった「番システム」だが、おもうに、これは性行為の〆にかわされるエンゲージリングのようなものだ。
首を噛む・噛まないといった駆けひきはあるものの、番ってしまえば関係性の安寧がもたらされてしまう点で、市井の恋愛作品における告白・結婚のように、ゴールとしての役割しかもたない可能性がある。
おなじようなことが同性間の妊娠・出産にもいえる。物語の結末に結実するのであれば単なるトロフィーであり、妊娠・出産・子育てを追ってはじめて同性妊娠としての価値がうまれる。今回の読書でまなんだ知見だ)




おまけ:続刊の脳直感想メモ


【2巻】
1巻で番ってから時間がとんで第二子出産後の話。

パパなりたてで子どもとどう接したらいいかわからなくて、つい連れ子と妻に育児をまかせてしまって……。
こういう複雑な家庭環境の義父義娘のびみょうな関係性、リアルでいいね。
夫婦になったのに悩みごとを分かち合えないのはダメ きちんと話しあいましょう。そうですね……。
不安そうに子どもと接すると、子どもまで不安になってしまうので笑顔で! 育児の基本。

主人公と義母との会話も目をひくところがある。
玉の輿に乗ることができたけど、あなたに支える覚悟がありますか?
旧結婚観だと、男性はお金を稼いで一家の大黒柱になることを期待される。でもオメガ男性は差別から低所得に甘んじるしかない。
そしてママ友コミュニティの助けを得ることができないなかで家事育児を行わなければならない。
オメガは高所得層のアルファと優先的に番えるので、身体と金銭をトレードするような関係になりやすいのかな? そうした背景からくる警戒にも見える。

うってかわって、過去に主人公をレイプして孕ませた男が夫&義母の取引相手として登場する。
主人公と連れ子、その生物学的父との邂逅だけど、あきらかなオメガ差別者で、連れ子がその関係性や悪意を感じとってしまい……。
連れ子(娘)はずっとひとり親家庭で育ってきたので、幼いながらにまわりの顔色をうかがうのがうまいし、第二子(弟)の世話も自分でできるくらい成熟してる。
だから自分の苦しみを打ちあけることもできず、母を責めることもせず押し黙ろうとしてしまう。
ここできちんと娘の気苦労をケアするのがいいマンガだなあ。

主人公は夫にことの仔細を伝えることができない。でも夫婦だから話しあおうって言ったよね?
おたがい悩みを打ち明けられるようになってはじめて家族になることができるんだよな。これな~~~。


「オメガは… アルファの幸せ邪魔したら… 駄目で」

「好きなオメガを 幸せにするのが アルファの義務だよ」

『嫌いでいさせて 2(ビーボーイオメガバースコミックス)』
〈ひじき〉(リブレ)

至言


「俺 しずくちゃんのパパに なってもいい…?」

「ずっと しずくと湊の パパだったよ…」

同上

名言しか出てこないんだけどこのマンガ!??!?


【3巻】
娘の担任がアルファ男性でオメガ男性教師を好きになってしまった、ので恋愛相談したい。

序盤からうっっすらと感じてたけど、アルファは社会的にも有能な人間で番ったオメガのことを大切にするし、どちらかというと番がいない過激派アルファとアルファに媚びるベータが差別の主体になってるような気がするな~。数の暴力。

アルファは運命の番いをみただけで好きになるが、オメガはそうではない。主人公もそうだった。ここに軋轢がある。
第二次性の教育はなされているが、それらを執筆できるのは社会的地位が高いアルファなのでオメガ側の視点が浸透しづらいってコト?

オメガとオメガの話。被差別階級のマイノリティなので打ち明けることができず同士を見つけづらい。
いままで邪険にあつかわれつづけてきたので人を信用することができず、急に迫ってくるアルファに素直になれない。主人公もそうだった。

「子どもを産める体だってことすら実感がない」これな~~~。
見てるかんじそもそもオメガ男性自体がめずらしいので「子を孕めてしまう」って概念がめちゃくちゃ異質。当事者はもちろん肉親としても受け入れられない。
たぶんオメガでも男性と女性でぜんぜん違うんだろうな。当事者としても周りとしても。
百合のオメガバースがあんまり浸透しないのってやっぱりこの「妊娠できないはずの体で妊娠できてしまう」ことが重要だからなのかな。
現実の女性どうしは精子提供って手があるけど男性どうしで子ども産むのは無理。その垣根。
全体的に「男性妊娠・弱者男性」って要素が肝っぽい。いやたぶん社会派オメガバースにかぎる話だろうけど。心の村田沙耶香がそう言ってる。

妊娠を喜んでくれる娘と夫に救われた。すまん、少し泣く……。

そんなこんなしてるうちに娘の第二次性が発覚する。が、やはり母親に伝えることができない。
それ見かねて寄りそってあげるのがパパなの良すぎりゅ……。アルファオス最強!

てっきりオメガ女性かとおもってたがアルファ女性らしい。それはそう。
思えば最初期からやたらと気配りできて大人びていて運動会でも大活躍で……。
アルファは生まれながらにして人の上に立つ逸材なのかよ。強すぎる。強い女LOVE。
でもアルファで大人びているからといって苦しみがないわけではなく、親として寄りそいあわなければならない。このへんのバランス感覚がうますぎる。このマンガ~!


「俺… よかったって… 思っちゃった…」

「アルファで よかったって …」

「それは偏見じゃなくて 親として子供を 心配しての事でしょ?
 (中略)
 自分を責めなくて いいんだよ」

『嫌いでいさせて 3 (ビーボーイオメガバースコミックス)』
〈ひじき〉(リブレ)

そうなんだよな。子どもの第二次性に安堵してしまうのは自身の経験からで偏見でもなんでもない。親として当然の感情で押しつぶしてはいけない。

ごめんめっちゃアレな話なんだけどアルファ娘ちゃんがどうやってオメガや女性を孕ませるのか死ぬほど気になる。
親が気づかないってことは「※本作にはオメガバース設定に伴う両性具有の表現はございません。」ってコト!?
毎回巻頭にオメガバースの解説がのってるけどいまみたらアルファ”男性”器だけしか解説がない。用意周到~~!!


【4巻】
主人公が用務員として働いている学校での話。
1巻でも用務員やってけどずっと続けてたのかな? 育児が落ち着いたので復帰した?
もしかすると娘が有能すぎるので第二子の世話を勝手にやってて……みたいな話があるかもしれん。ヤングケアラー問題!!

夫は2週間の出張 主人公が学校のアルファに目をつけられる。
年上の同性の人妻オメガに目をつける学生男。趣味がよすぎないか?
番のいるオメガは匂いでほかのアルファを誘惑することがなくなるけど、そもそも人妻は所作がエロいから……みたいな話らしい。ならしょうがないか……。

アルファ学生男にはベータ?女の幼なじみがおり、ベータ女はアルファ男を振り向かせられないことに焦れを感じている。
アルファ学生男から主人公へ向かう感情もそれに近似し、すでに番が存在する人妻オメガを振り向かせられない。焦れったさを共有することになる。
つまり人妻オメガをダシにしたアルファ男×ベータ女の話ってコト!?
俺がベータ男じゃダメなんでしょうか? と劇詰めするBLオタクじゃなくてよかったな! 末永くお幸せに!
でもベータとアルファの恋愛ってめちゃくちゃ性のもつれが闖入しそうで怖いな!?
なんか世の中にはアルファに犯されてオメガになってしまうベータやアルファの物語もあるらしい。多様性があるなあ。


【5巻】
パパの気配りによって主人公と娘で帰省することに。複雑な家庭環境特有。

娘にはオメガ男性の幼なじみ(クラスメイト)がいる。前からちょこちょこ登場している。学校内でのオメガ差別の話へ。
オメガ幼なじみは理解者に囲まれて育っており、オメガをアウティングされても恥じることなく胸を張る。
緊張をたもったまま林間学校へ。

娘には女の子(ベータ?)の幼なじみがいる こっちも前からちょこちょこ出てきている

「なんかね… しずくちゃん ダイキくん見てる時
 (中略)
 乃亜の事 見てる時と… なんか違うもん」

「乃亜ちゃんは しっかり者だから 心配する必要ないもん」
《乃亜 暗転 目隠れ》

『嫌いでいさせて 5 (ビーボーイオメガバースコミックス)』
〈ひじき〉(リブレ)

エッ!? 何何何何!? コワッ!!! 私のほうが先に好きだったのにってコト!?
ちょっとまって 供給が多い その術は俺に効く やめてくれ

オメガ差別の首魁はベータ男子? 毒親っぽい母親(おそらくベータ)にオメガと仲良くしたらダメと言われたらしい。差別の再生産だ。
オメガをいじめる空気によって言い出せず、オメガ差別に加担していたオメガ当事者もいる。

一枚岩ではないが、やはり差別の主要グループはベータになるのだろう。
発情・番いによって強固な絆を担保されるアルファオメガと違い、ベータのもてる生理的結束は多くない。持てるものと持たざるものの格差が攻撃につながってしまうのだろうか。

そんなこんなでアルファ娘ちゃんはオメガ幼なじみくんと番いになることを決意する。
アルファ女性とオメガ男性ってどっちが子ども産むんだろうね。オメガ男性のよわよわ精子では強い女を孕ませることはできないみたいな制約ありそ~。
しょうじき両方とも産んでほしい。いや、男に孕んでほしいです……。

オメガバースで社会派物語をやるならやっぱりベータの扱いかたが鍵になるんだろうな~。
多数派なのもそうだし、アルファオメガがいるなかでベータ独自の悩みがあるはずだし、現実世界のマジョリティとは似て非になる存在なんですよね。
全体的にオメガバースが存在する世界についてしっかり考えられた作品で、なんかこう、物語内の世界がひろく感じられる。

ヤマシタトモコとか志村貴子みたいな読みくちで、いい意味でBLっぽくないマンガだった。
言っちゃなんだけどBL売り場に収まってるのがもったいないくらい普遍的な愛の話だ。
同性で妊娠できるようにした作品はいっぱいあるけど、妊娠出産をゴールやトロフィーで終わらせるんじゃなくて、育児生活を地道に追ってはじめて同性妊娠の価値がはっきりする。肝に銘じたいですね。




……マジで適当なことしか言ってないな!

おもしろいのでぜひ読みましょう……と言いたいところですが、記事に書かなかっただけでBLマンガらしく性行為描写がけっこうあった。
それでもおすすめしたいことに変わらない。たぶん教科書にのるので……。


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