見出し画像

ショートショート_きわどいはなし

風鈴と風。切っても切れない関係にあるものだろうが、最近は暑すぎてクーラーをかけるので、外からの風が入ってくることはない。

風鈴の音は、私は風流だと思っているのだが、幼稚園の年長から、一軒家から団地に引っ越し、そのときから、風鈴の音は雑音なのだと母に教えられた。窓を開け、風鈴が鳴っていると、近隣から苦情が来る可能性があるというのだ。

幼心にも、考えられないとは思ったが、今やそういう考え方は常識なのだろう。

世の中には、いろいろな人がいる。そして、いろいろな考え方、感じ方を持っている。共同生活の中では、そうした意味での遠慮や譲り合いというものは、少なからず必要なのだろう。

となりの部屋に、飾り物の風鈴がある。音は奏でないが、幼い頃の思い出を、時に、連れてきたりする。

そんな日曜日の午後に、またもや、荒技をやってしまった。



さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、木曜日に出る。

そして、今回のお題は、「風鈴と」から始まる小説・詩歌・エッセイなどを自由に書いてみませんか?ということで。



そして、たらはかにさんからのお題は…。

表のお題が【非情怪談】で。そして、裏のお題が【無情会館】|д゚)チラッということだ。



また、山根あきらさんの、青ブラ文学部のお題は、少し前から出る。

今回は、「きわどいはなし」というお題で、記事を投稿してみませんかと、なっている。

今回の期限は、8月16日金曜日までとなっていて。来週の8月11日も、このお題でいくことになる。

今回は、題名を「きわどいはなし」として。来週は、文中に「きわどいはなし」を入れよう。



3人の企画はすべて、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。

それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。毎週、励みになる。


また、今回は、射谷友里(イテヤユリ)さんの、シロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を、シロクマ感想文として述べてみる。

入浴剤のその奥に、あの夏の景色と思い出を見る。

そう言えば、入浴剤。最近になってまた使い始めたが、小さい頃は必ず入れていた。我が家は、母の趣味で、バスクリンだった。

風鈴、かき氷、スイカ、虫かご、網、公演、森、川、海。そこには、友達も、従兄弟も、おじいちゃん、おばあちゃんも、親戚もいて。なんだか、幸せな時間だったんだと、ふと思い起こされた。

今と、昔と。それを繋ぐ記憶の辿り口のひとつが、射谷友里さんにとっては、入浴剤だったのだろう。

夏は、どうしてこんなにも、思い出に浸る瞬間が多いのだろうか。

もうアラ還の私にとっても、その思い出は、深く、濃く、味わい深く蘇ってくる。

射て谷友里さんの作品を読みつつ、まだまだ暑すぎる夕暮れの風に、隣の部屋の風鈴が、静かに笑っていて。切ない夏の思い出を連れて来る。

今日もまた猛暑で。ほんのり青い曇り空が広がっている。生きていることに感謝して。今宵も、月に祈ろう。



心の中の、リトルkojuroが、またもやボソリと、呟いた。

せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉と、たらはかにさんの表のテーマ、3ついっぺんに書く荒技。更に、シロクマ感想文まで、今回は4重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。


うむ。


これで、荒技。何週間だろうか。もう1年は、越えたな。まあ、続けられるだけ、続けるさ。



心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟つぶやいた。

なんだか、悪ガキだな。


まあな。

そしてもう一度、心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟つぶやいた。

家族からのお題は、バックアップで書いたの?


うむ。少しずつね。でも、それを投稿する機会がなくなってしまったかも知れない。どうしようか。


私は、この荒技シリーズを、ハードボイルド風に書き上げたいと思っている。だが、図らずも、また,珍妙なだけの内容になってしまった感じだ。


なんのはなしですか。


はぁ? ハードボイルド? コジが? 笑わせるぜ 笑


ソファーを振り返ると、家内がただ、マッサージを待って、笑っている。


マッサージをすると、家内は上機嫌になる。

家内が上機嫌だと、我が家は明るくて平和である。


だから。


これで、いいのだ。


さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「きわどいはなし」約410字を、どうぞ。

☆         ☆         ☆

風鈴とテーブルの上のスイカが夏を思わせる夜のこと。ふと、風の無いはずの部屋の風鈴が鳴った。

ゾクッとする寒気が突然襲ってきて。それはエージェントとしての工作行為に対する感覚とは質を異にしていた。


窓の外をそっと覗く。道向こうには、ある宗教の支部会館があり。そこの庭に、朧気な白い陰が立っていて。こちらを見上げている。

何の感情もなくただ立っているという様子で。顔は無表情だった。

それが恐らくこの世の存在ではないだろうことは、直感的に分かった。だからそっと、窓とカーテンを閉めた。


その夜はなかなか眠れなかったが、朝は普通にやってきた。


朝ごはんを食べながら母から聞いた話だ。


昔、ある事件があり。人が亡くなったが、まるで何事も無かったかのように、そこはまだ活動を続けているらしい。

そう言えば、昨日が、ちょうど30年目の夜だったという。


泉は、人智の及ばないものがあるということは理解している。


何にしても、今宵の月に祈ろうと心に決めた。



☆         ☆         ☆


今回の青ブラ文学部のハッシュタグは、#きわどいはなし なのだ



39/66

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?