ハーモニアスカフェへようこそ
夕方六時。清水はカフェ『ハーモニアス』の看板の周りを掃除していると、カフェのオーナーである市川が年末の挨拶回りから戻って来た。
「清水くん。今日は悪かったね。店の営業は休みにしようと思ってたんだが、常連さんに夜だけでも早めに開けて欲しいと言われてね」
「いえ。暇してたので。それより市川さん。今日のフードメニューはカレーとサンドイッチのみですか?」
市川が企画した年越しイベントの為に、清水ともう一人のアルバイトが駆り出されていた。
「そうだね。今日は九時からのイベントに合わ