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タコ宝石【ショートショートnote_84/創作】

家内が私を追及するので、仕方なく、日曜日の夜に投稿するための、ショートショートの創作活動を、細々としている。

ショートショートノートカードゲームを使い、お題を家族に出してもらう。それをテーマに410字以内で、書く。


今回は、次女に、予めスマホのスロットアプリで選択していた以下の5枚から、お題を設定してもらった。


難題は、避けてね
出た出た、得意の「タコ」


それでは、本編にまいりましょう。
次女のお題から。本編、「タコ宝石」、約410字を、どうぞ。


☆    ☆    ☆

その店は、八王子の北口にある。路地を入った金太郎というラーメン屋を通り越して、さらに奥の路地に出る。コンクリートの打ちっぱなしの壁に、赤い重厚な扉で。一見、イタリア料理屋だとはわからない。

パスタ通の間では五つ星をつけられている。


出されるイタリア料理はみな絶品で。不定期に、月に一度だけ出されるメニューがあるという。

そのメニューは、他のどの店にもあり得ない唯一無二のメニューで。それを食べた者は恋に落ち、そしてそれは永遠に成就するという。



ある水曜日の午後、日昼食がひと段落した時間に。徐に、店の壁に、そのメニューが貼り出された。

遅い昼食と言えば遅すぎるそのタイミングに店に入って来たのは、今時いまどき、スーツにネクタイ姿で。いかにも外回りで項垂うなだれた感じの若者だった。


壁に目をやり、一瞬動きが止まったが、迷わず注文をした。



若者は、食べ終わり。

これは美味しくて宝石のようだと言い残し、笑顔で店を出た。



タコ墨は、少しだけ毒があるという。


☆    ☆    ☆



■追記■
面ゆるって、なに?
それは、これ。西尾さんはじめ、みんな、面白い作品をあげていて。
私は、だいたい土曜日の夜に、そこそこの過去記事をあげています。
もしも、お時間があれば、みんなの作品、読んで頂けたら幸いです。


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