リキ日記_嗅覚
ハリネズミの飼育者のことを、世間では、「ハリ飼い」というらしい。私は、その、ハリ飼いの中でも、まだまだ素人である。
我が家のハリネズミの名前は、リキという。
最近、リキの固形エサのパッケージが変わったのである。
以前は、大きなパッケージの中に、小袋が二つ入っていて。その中から、毎日のエサを出していたが。今は、少し小さめのパッケージになり、その中に直接エサが入っている。
このパッケージの袋というのが、かなり丈夫なビニールで。きちんと閉じると密閉され、外部の空気を完全に近いかたちで遮断している。
つまり。
新たなパッケージになり、エサの新鮮さがかなりの長期間、保たれるようになった。薄い小袋だと、どうしても外気を遮断できず、すぐに新鮮さが落ちていたのだ。
その結果、今の袋で何が起きたかというと、袋を開けるたびに、凄い香ばしいエサの香りが漂う。
おかしな事を言うようだが、人間の私が嗅いでも、美味しそうな香りがするのである。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
だからといって、コジ、リキのエサをつままないでね。
そこまでやると、リキに叱られてしまう。
そのお陰で、リキは、固形エサの袋を開けると、クンクン鼻を鳴らし。巣箱の外に鼻を突き出し、エサを探すようになった。
そんなこんなを家内と語らおうとして振り向くと、家内が足を指さして笑って言った。
匂いでリキの行動まで変わるのね。食べ物って、凄いね。
今宵は、マッサージ、少し長くしようか。リキの感謝を伝えるために。
家内は、マッサージをすると、上機嫌になる。
家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて、平和である。
だから。
これで、いいのだ。
磯貝さんの作品は、どこか切なくて、時にエログロっぽい表現があったりして、とにかく独特な世界を醸し出している。
それを評して、私は、妖怪や異形のものになぞらえつつ、磯貝ワールドと勝手に言っている。
ただ、思うのだ。磯貝さんのイラストにしても、CGにしても、小説にしても。その根底には、「愛」が確かに横たわっていると感じる。背反する様々なものを綯い交ぜにしつつ、最後に残るのは、愛。そんな風に、私は捉えている。
「あれ」は、そういう綯い交ぜの、愛の化身なのではないだろうか。混沌としたものではあるが、「愛」を内に抱えているような気がするのだ。
このミニチュアの蚊取り線香。よくできている。
様々な試行錯誤をして。そして、たどり着いた、てるとさんのチャレンジストーリーの成果である。
てるとさんの記事を読むにつけ、てるとさんの作品が欲しくなる。
てるとさんの記事を読むにつけ、そのチャレンジストーリーが、私の朝の、萎えた心持ちに元気を与えてくれる。
てるとさんのチャレンジストーリーは、私にとっては、一服の、素晴らしくよく効く、元気サプリなのである。
この、いわのりさんの「恋愛万事塞翁が馬」は続きものの小説である。
今回の話は、その第四話で。
シャイな柊優斗が、隣の席の、星野奈々に、矢沢先生を介して近づいていくという、何とも心躍るような青春ストーリーの前段の話だ。
こういう話を、いわのりさんは、淡々と描く。
何の気負いもなく、斜に構えた照れもなく。
ただの悪ガキの私には、こんな青春なんてこれっぽっちも無かったが。読んでいると、不思議に、期待を抱き心が晴れてくる。
恋愛をただの昂ぶりで描かない、普遍的な愛を描ける人。
いわのりさんの作品の魅力は、そんなところにもある気がするのである。