代替試合

次女は、大学で運動部に所属している。今年は、世界中で、あらゆる試合や大会が中止の憂き目に遭い、次女の所属する運動部も例に漏れず、中止ばかりであると、以前、記事に書いた通りである。

捨てる神あれば、拾う神ありというが、まさにその通りで、リーグ戦は中止となったが、その代替試合が、この秋、行われた。そしてそれが、11月14日の土曜日に全て終わった。

最終学年の4年生にとっては、最後の学年に、春からここまで、全部の大会やリーグ戦が中止となったのは、失望落胆以外の何物でもないが、それでもたとえ全試合無観客ででも代替試合が行われたことは、少しは不幸中の幸いと言えるのではないかと思うのである。本当は、ご本人たちにしか、その悔しさはわからないし、それは筆舌に尽くしがたいものだろうが。

何試合かは、配信され、私と家内は、その何試合かを見ることができた。臨場感は無いし、画像も粗いので、なんとも言えない不満足も残る中ではあるが、そうは言っても、このご時世において、ありがたいことではあった。

実は、次女のボーイフレンドも、同じスポーツをしている、学生アスリートである。だが、彼らのリーグは、同じリーグの他大学で、集団で感染者が出てしまったために、早々に代替試合自体がすべて消滅するという、ひどいぬか喜びを味わってしまった。

だがこれも、このご時世、如何ともし難い事態と言わざるを得ないのだろう。

現在、第3波が日本を襲おうとしているという。残るは、全日本インカレという、全国大会が残っているのであるが、中止という噂の中で、どうにか開催の方向で、事務局が動いていると聞く。それでも当然、全試合、無観客試合なのであるが。

翻って、インフルエンザが流行していることを考えると、どうだろうか。例年のこの時期、予防のために、予防を徹底するアスリートは、ワクチンを接種したり、マスクをしたりする。試合の時に、チーム内でインフルエンザ患者が出た場合は、その選手は当然外されるが、よほど、大量に感染者がない限り、そのチームが辞退したり、出場停止勧告を受けたりすることは、恐らくは、ないであろう。

そう考えると、今の事態は、よほどの異常事態と言えよう。それも、日本国内の問題ではなく、世界中が、同時に、である。

最終学年の4年生のことを考えると、私は、ある程度の危険をおしてでも、毅然として、対策を徹底しつつ大会が開催されることを心から願っている。

ここについては、様々な考え方があるだろう。ご意見も、あるだろう。だが、しかし、なのである。

私は、でも同時に、いつも肝に銘じていることがある。それは、大会というのは、ひとり、選手やチーム、ましてや保護者やサポーターのためにあるものでもないし、そんなことで成り立っているわけではないのだ。試合は、対戦相手があって初めて成立する。そして大会は、多数のチームと、それを支えるスタッフ、スポンサー、自治体をはじめとする開催拠点や会場、その周辺の住民の理解や支えがなくしては、あり得ない。

まして、なぜ、スポーツをするのか。その存在意義の本質、根底にあるのは、人に夢や勇気を与えることにほかならないのである。

そう考えるならば、決して自分勝手に、「やらせてほしい!」とは、言えないのではないかとも、同時に思うのである。

いずれにせよ、一刻も早く、世界中の状況の潮目が劇的に変わり、普通の日常が再び戻ってくることを、心から願わなくてはいられない。

みんなの夢のために。生活のために。みんなが生きるために。

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