見出し画像

ショートショート_同志

秋が好きだと言いたいのだが、秋はなぜだか少しアンニュイな感じがして。冬至まで日に日に昼間の時間が少なくなるので、なんだか寂しい季節のような感じがするのである。

読書の秋、スポーツの秋、食欲の秋、実りの秋。

さて、この秋はどんな秋になるのか、ちょっと楽しみではある。

小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、木曜日に出る。

そして、今回のお題は、「秋が好き」から始まる、小説、詩歌、エッセイということで。

そして、たらはかにさんからのお題は…。

表のお題が「呪いの臭み」で。裏のお題が「チョロいの、くさび」ということだ。

お2人とも、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって、お題を出すだけでも、大変だと思うのである。

それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。


心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。

せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉と、たらはかにさんの裏表のテーマ、3ついっぺんに書くなんて、やはり、お二方に対して、だいぶ失礼なんじゃないかな。



うむ。むしろ、勿体ないな。これだけお題を盛り込むから、特に、たらはかにさんの裏表両方を入れてしまうので、タイトルが全く自分勝手なタイトルをつけるしかなくなってしまうのだ。


だが。私のサイクルは、日曜日が創作の日と決めている。だから、お題に対する物語も書きたい、参加したい。小牧幸助さんのシロクマ文芸部も、たらはかにさんの毎週ショートショートも。そして更に、自分の決めたサイクルも、できる限り守りつついきたい。そして、実力的に、1日に複数作書き上げる力量など無い。だから、昼からお題3つををすべて入れ込んだ荒技で、どうにか書き上げるしかないのだ。



心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

まるで悪ガキ、駄々っ子だな。



うむ。まさに。



そしてもう一度、心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

家族からのお題は、そろそろ、バックアップで書いたの?


いや。書いていない。あっという間に、9月も中旬である。


さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「同志」約410字を、どうぞ。


☆         ☆         ☆

秋が好きだという話でりょういずみも盛り上がった。こんな穏やかな時間は久し振りだと思っていると、ラフが急に鋭い目つきになった。

と、2人とも瞬時に席を離れ。涼はカウンターを飛び越えて店の奥の侵入者を。泉は斜め後ろの初老の紳士を。ラフは前の席の女性が構えた銃を落とし、窓から入ってきた影が背後に鎮静剤を打ち込んだ。

制圧も排除も瞬時に、すべて人知れず完了し。来店客は皆そのままの状態で、ただ座っていた。

涼も泉もゆっくりと席に戻り。にこやかに会話を再開した。

すると異臭がすると隣の席で言いだして。少しのあいだだけザワついたがすぐに静かになった。




それは、敵の呪いの残り香だった。





勘定の後で2人が店を出ると。樹上にポチがいて。ラフが一声吠えた。



語らずとも2人と2匹は同志だと既に認識し合っていたし。図らずもそれを知らしめたのは、敵のちゃちな邪魔だてだった。

涼と泉は、それぞれポチとラフを連れ。微妙な笑みを帯びつつ、またねと、別れを告げた。

☆         ☆         ☆


■追記■
面ゆるって、なに?
それは、これ。西尾さんはじめ、みんな、面白い作品をあげていて。
私は、だいたい土曜日の夜に、そこそこの過去記事をあげています。
もしも、お時間があれば、みんなの作品、読んで頂けたら幸いです。


この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?