ギョウザポケット【ショートショートnote_58/創作】
家内が私を追求するので、仕方なく、日曜日の夜に投稿するための、ショートショートの創作活動を、細々としている。
ショートショートノートカードゲームを使い、お題を家族に出してもらう。それをテーマに410字以内で、書く。
今回は、長女に、予めスマホのスロットアプリで選択していた以下の5枚から、お題を設定してもらった。
それでは、本編にまいりましょう。
長女のお題から。
本編、「ギョウザポケット」、約410字を、どうぞ。
☆ ☆ ☆
険は、冒険家だった。
だが、既に80を過ぎて。もう、いいかと思いかけたとき、noteで知り合った少年冒険家の探に、2人で世界一周をしようと持ちかけられた。
殺し文句は、これだった。
「人生100年時代。冒険心を失わなければ、俺たち生涯、青春だぜ!」
特殊な手漕ぎボートで世界の海を一周する。今まで誰も成し得ていない大冒険だった。数多の艱難辛苦を乗り越えて、その無謀な大冒険が、あと僅かで終わろうとしていた時、食料が完全に尽きた。
オールを漕ぐには、どうしても食べ物が必要だった。
険は、ふと、ポケットを叩いてみた。すると、焼きたてホヤホヤのギョウザが出てきたではないか。
奇跡だ。
2人は、ギョウザポケットを叩き、それだけをエネルギーに、ラストスパートし。険の満100歳の誕生日に、懐かしの神戸港に帰港した。
港では想像を超える大群衆に熱烈な歓迎を受けたが、誰も2人に近寄らなかった。
満面の笑顔の険と探の青春は、強烈に、ニンニク臭かった。
☆ ☆ ☆
■お知らせ■
11月5日に、スタンドエフエムで、面ゆるマガジンメンバーで配信をします。とりあえず、私もメンバーのひとりでして。
もしも、お時間があれば、聞いて頂けると嬉しいです。私以外の人たちは、面白い人ばかりです。私も、ときおり、会話に混じると思います。