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検温

次女が私の新品を持ち出してから長らく経つが、それは、ある秋のはじめの日、突然、返却された。チームで非接触の体温計測器を購入したのだという。

私の手元には、新品と、かなり古いものとの2つある。新品が返却されたわけだから、それを使えば良いのだが、私は、かなり古いものの方を好んで使っている。

ちょっと前の記事で紹介したように、名前をつけており、その名を「検スケ」という。


何が気に入っているかというと、きっちり10分で計測が終わるところだ。というよりも、アラームが10分で鳴る。計測しているあいだに、ちょっとした仕事が終わるのだ。

そして、10分計測すると、かなり正確に体温が出る。1度目のアラームの2分で出すと、どうしても低めに出る。取扱説明書にも、実測検温する場合は約10分計測するのが望ましいと書いてある。

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私は、今まで10分も計測したことがなかった。そして、だいたいが35度台だった。そんなもんだと思っていたが、きちんと10分間計測すると、それでも低めではあるが、36.1〜36.3℃くらいになる。今までの認識が間違っていたのだと、改めて気がついた。


昔は、水銀体温計が主流だった。アラームなんて鳴らない。自分で時間を測った。

幼い頃、風邪で寝ているとき、母が、脇の下をタオルで何度も、しつこいくらい拭ってから測った。汗で体温が変わってしまう。計測値が低めに出ては意味が無いと言うのだ。

そのタオルが乾いていて、強く拭われると痛くて、よく文句を言っていたことを思い出す。


毎朝、部屋で、検スケで体温を測る。脇の汗を拭われて痛くなるようなことは、もう、恐らく、永遠にない。

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