リキ日記_不動
ハリネズミの飼育者のことを、世間では、「ハリ飼い」というらしい。私は、その、ハリ飼いの中でも、まだまだ素人である。
我が家のハリネズミの名前は、リキという。
まだまだ素人の私であるが、リキとの生活を始めてから、3ヶ月半になる。暗視カメラも設置し、観察し、餌付けもし、ケージの掃除を始め、体重計測もほとんど毎日している。
だが、まだまだわからないことばかりである。本を読んだり、ネットを調べたりしているが、まだまだ、足りない。
そんな中で、先月の終わりくらいに、ちょっと、家内と心配したことがあった。
リキが、一晩、全く、動かなかったのである。
リキは、毎日、相当な距離を、走っているはずだ。しかも、スピードも、そこそこ、早い。走っている時間は、ちょっと、想像しているよりも、もっともっと、多い。走るときは、4-5時間ほど、走っているはずだ。
それが、一晩、動かず、そして、だいたい、リキは、回し車を回しながらフンをするのであるが、回し車が、汚れておらず、きれいなままだった。
朝、家内と、動かないと確認して。
そして、2人とも、不安なまま仕事に出かけ。
そして、休憩のたびにネットワークカメラで確認して。
それでも動かないことを確認しつつ、帰宅した。
私は、心配しながら、LINEを入れた。
帰宅すると、家内が言った。
大丈夫。生きてたよ。
それまでも、実は、LINEでやりとりをしていた。
心の中の、リトルkojuroが、ほっと安心しつつ、つぶやいた。
良かった。
優しい気持ちも、わかる。
でも、なんでもないと分かってから、言い方が、ぞんざいだな。
いつものように、ケージを掃除し、体重計測をし、エサを少し与えて、残りは餌皿に入れて、ケージに、リキを戻した。
家内が、リキの世話が終わってから、長男と、電話でやりとりをしていた。
すると、長男が、言った。
そう言えば、ひと月に1回くらい、そういうことが、あったな。
心の中の、リトルkojuroが、ボソッと、つぶやいた。
心配になるから、そういうことも、引き継いでくれると、助かるな。
ひとまず、ことなきを得たが、ちょっと心配した1日だった。
最近、リキが、どれくらい生きるのだろうと、ぼんやり、思うことがある。
普通のハリネズミは、4〜5年、生きるという。私のリキの主治医は、長いハリネズミでも、5〜6年くらいと聞くが、7〜8年以上生きたハリネズミは、先生ご自身は、まだ知らないという。
リキは、1月上旬生まれだと聞いて、長男は、飼い始めた。半年を過ぎていて、もう、少年から、青年になってきているくらいの、歳になる。書物によると、もうそろそろ、生殖能力は、あるらしい。
ドッグイヤーという言葉がある。ハリネズミイヤーは、あるのだろうか。いずれにしても、リキの1年は、人間に直すと、10年以上にあたる。
リキとの時間は、本当に、短いのである。
それを考えると、寂しい。
私の父も母も他界していて。家内の父、義父も、他界している。
私も相当な歳になってきていて。否が応でも、人の一生を考える歳になってきた。
noteの世界には、介護に携わっていらっしゃる方が、いらっしゃる。私の、古くからの知り合いに、ふるやのもりさんが、いらっしゃる。
ふるやのもりさんは、介護の仕事を通して、本当に真剣に、人のことを考えて行動をされている。
こんなに真剣に考えてくれる職員の方がいらっしゃったとしたら、関わった方も、そのご家族も、幸せだろうと私は、思うのである。
私のことを、かつて、2度も、紹介してくれている。身に余る光栄である。固定記事ではなく、元記事の「全力」を紹介してくれているところが、また、しぶいし、嬉しい。
人も、ハリネズミも、必ず、いつかは、死を迎える。
人の一生を考えるとき、どうしても、いつかの、その日を、思わざるを得ないのである。
ふるやのもりさんは、そういう、永遠のテーマになる、自問の種を、私に与え続けてくれている。
仕事としての介護に、真摯に向き合っていらっしゃる、ふるやのもりさんを、私は、心から尊敬している。
これからも、リキとの時間を、一瞬一瞬、大切にしていきたいと思うのである。
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