【コラム】パニックで世界はどうなる~グローバル化を考え直す時~

今日は地政学の観点から、今後の世界の展望をお話します。これだけ世界が混乱していますので、もはや数ヶ月先ではなく、数年先の世界像を予測していかなければなりません。中国が隠蔽しているとか、一日に何人死んだとか、そういう短期目線のお話は他の人にお任せします。

この先の世界は、「大規模で幻想的なグローバル化」から「中規模で現実的なグローバル化」にシフトすると予測しています。

具体的には、EU、国連という大規模組織は機能低下または解体が進み、中規模な集団に再編成されると考えています。大規模組織はもはや賄賂の横行等により機能していませんから、価値がないのでしょう。

EUは元々ドイツとフランスのためのものでしたが、移民問題以降はもうぐちゃぐちゃです。そこに来てコロナ蔓延ですから、言うまでもないでしょう。世界平和や人権尊重の精神自体は素晴らしいですが、綺麗事が行き過ぎました。行き過ぎた理想主義のために本来の機能を失う国際機関に存在意義はありません。

ことさら近代の歴史とは、アメリカ、ロシア、日本、イギリス、フランス、ドイツの植民地の奪い合いです。その時々によって敵の敵が味方になったり、裏切りが横行しながら、バランスが幾度も再編されてきたに過ぎません。それが歴史です。もちろん現代は、これらの国々に中国が加わっています。

第二次大戦以降、グローバル化の名の下に世界は国境を無くす方向で時代を進めてきましたが、もう既に限界が見えています。そろそろまた、変化の時なのでしょう。既に自国主義に切り替えたアメリカ、イギリスは行動が早い方です。残されたEUは経済的に疲弊し、既に閉塞感が漂っています。中国は一体一路政策で昔ながらの帝国主義を目指しています。

中規模で現実的なグローバル化

では、世界はこの先どのように再編成していくのでしょうか。私は以下のような3つのグループに再編成されると思っています。

中国、ロシアの社会主義グループ

アメリカ、カナダ、イギリスの西側資本主義グループ

日本、インド、東南アジア、オーストラリアの東側資本主義グループ

やはり経済的な分け方になりますが、資本主義VS社会主義という構図は継続します。社会主義グループの勢力拡大を防がなければ、第二、第三のウイグル、チベット被害は確実に出てきてしまいます。

中東とアフリカ、中南米が残りますが、この中で重要なのはやはり中東です。中国は一帯一路実現のためにも、是が非でも手懐けたい地域です。中東が中国グループに付くと、ヨーロッパやアフリカまで陸路で繋がりますから、世界の勢力図が変わります。非常にまずいのです。

日本はイランとも上手く関係作りが出来ていますから、中東をいかに味方につけるかが重要です。アメリカは何かと中東の揉め事に手を出していますが、兵器ビジネスにおいて重要な地域だからです。北朝鮮と韓国も同じですが、争いがある程度継続する方が都合の良い地域は存在します。まだまだ戦闘は無くならないでしょう。

日本は中東だけでなく、インドやオーストラリアとの関係強化も既に着々と進んでいます。中国は当然、東南アジアへの進出を企んでいます。海路の開拓が進むためです。東南アジアには海上交通の要所であるマラッカ海峡もありますから、ここも絶対に明け渡してはいけません。つまり東側資本主義グループは、中国の南下政策を抑えるために結託することになります。

コロナ騒動を機に、このようなグループ再編成に向けて一気に歴史が動く可能性があると思っています。

ご存知の通り、世界中どこでもコロナウィルスのダメージでボロボロになっています。苦しいのは中国も同じでしょう。経済停滞も内部では進み、人民の反発は強まっていますから、不満を外に逸らすことに必死です。経済対策を急ぎ、経済活動を再開した武漢で再びコロナが蔓延してきている、という話も出ていますね。どっちに転んでも辛いようです。加えて、コロナ騒動によってチャイナリスクが改めて浮き彫りになったことでしょうから、企業の工場は移転が増えると思います。

アメリカは、コロナだけならここまでダメージを受けませんでした。原油増産を仕掛けてきたロシアが原因です。当然、ロシアは中国サイドの国として見るべきです。だからダウの止血が終わりません。以前書きましたが、既に経済戦争の火蓋は切って落とされています。

3/12の記事です。

https://note.com/n_kabu/n/n8309b253564a

東側と西側の資本主義グループ同士は、基本的に協力体制が取れるのでしょう。今のところ日本は当然アメリカ側ですから、ここから日本がコロナウィルスなどで弱った姿を見せると、中国とロシアは日本潰しを加速する可能性も大いににあると考えています。検査数を隠蔽している、という問題がよく語られますが、このような地政学的な背景もあると思います。しかし同時に、日本は中国の重要な貿易相手でもあるので、経済的に困難になってきた中国は、日本を上手く味方につけたいという思惑の方が強いかもしれませんね。

コロナウィルスの発祥地について、これも予定通りアメリカと中国の争いが始まりました。事実はどうであれ、覇権争いの口実にしやすいネタです。もっとも、アメリカのせいにするのは流石に苦しいです。それは世界もわかっていることでしょうが、中国に経済支援をしてもらっている国は大きな声で言えませんね。アフリカなんて、中国経済侵略が露骨に進んでいます。このままいけば、イタリアも同様の結果になるでしょう。この横暴は、許されて良いものではないと思います。中国はかなり焦っているように見えます。革命が繰り返されている国ですから、案外内部崩壊も近いのかもしれません・・・。

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